わたしってだれ?
じぶんってなに?
じぶん・この不思議な存在の本の
作者の鷲田清一さんの伝えたかったことはただ一つ
「わたしはだれ?」という問いに答えはないということ。
とりわけ、その問いを自分の内部に向け
そこに何か自分だけに固有なものを求める場合には。
そんなものはどこにもない。
自分が所有しているものとしての
自分の属性のうちにではなくて、
誰かある他者にとっての一人であり得てるという、
そうした在り方の中に、
人はかろうじて自分の存在を
見いだすことが出来るだけだ。
問題なのは常に具体的な「誰か」としての他者、
したがって「わたしはだれ?」という問いには
一般的な解は存在しないということである。
そして、筆者自身も当の迷い人と言っておられる。
わたしは、縁起の中にそのヒントがあるように思います。
縁起
他との関係が縁となって生起するということ。
関係しあって成立しているものであって
独立自存のものではなく、
条件や原因がなくなれば結果も自ずからなくなるということを指す。
仏教の根本的教理・基本的教説の1つであり、
