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気まぐれ投資生活

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 本号の「英語でIR」では、翻訳作業そのものに対する
 誤解について考えてみたいと思います。翻訳の対象となるテキストをsource text、翻訳されたテキストをtarget textといいます。
 日→英翻訳の場合、日本語のテキストがsource text、
英語のテキストがtarget textとなります。

 翻訳作業についてよくある誤解(多くの場合、翻訳依頼者の誤解)というのは、「あるsource text(例えば日本語のテキスト)はtarget text(例えば英語のテキスト)に直接的に置き換えることが可能だ」という誤解です。
 この誤解が、しばしば翻訳者と依頼者の間で軋轢を起こします。そのような誤解の上に立って、日本語テキスト中の一つ一つの単語または表現に対応した英語の単語または表現が英語テキスト中に含まれていない、というクレームが依頼者からなされることは珍しいことではありません。

 しかし、実際の翻訳作業は、そのようには行われません。翻訳はどのようなプロセス(翻訳者の頭のなかのプロセス)で行われるかというと、まず翻訳者はsource textを読み、そこに含まれているメッセージを理解し、理解したメッセージをtarget textの言語で改めて表現し直す、というステップを
 踏みます。メッセージの理解は、センテンス・レベルのみならず、パラグラフ、対象となるドキュメント全体などのレベルでも行われます。

 このように、翻訳は、source textの読み込み→メッセージの理解→target textでの表現、の3段階のプロセスを通して行われ、source textからtarget textへの直接的なことばの置き換えとして行われるわけではありません。そして、中間段階の「メッセージを理解した状態」は、翻訳者
 にとっては、特定の言語に依存しないで直接的に意味を把握していると感じられる段階です。
 この中間段階において、翻訳者はメッセージをsource textの言語の制約から解き放って理解した上で、改めてtarget textの言語の鋳型のなかに流し込むということをするわけです。

 従って、翻訳が優れているか否かは、source textのメッセージに忠実な翻訳になっているかどうかで判断されるべきであり、source textの文字表現に忠実かどうかで判断されるべきではないということになります。


情報元: イー・アソシエイツ オンラインジャーナル IR・コーポレートガバナンスニュース Vol.150