パイロットに競争は必要ない、とはどういうことでしょう?

 

入社するまでは違うかもしれません。

学校の成績次第で、希望する会社に入社できる人もいれば、残念ながら第2希望、第3希望の会社に入社する人もいるでしょう。

 

ここからは入社した後、ということで。

 

パイロット訓練生として入社した後、1コース10名前後の単位で約2年程度の訓練に入ります。

訓練中、定期的に技能審査を受けながら、全ての過程を通過すれば、晴れて副操縦士です。

 

ここでポイントは、全員が所定の技倆に達していれば、全員が副操縦士になれるし、全員が所定の技倆に達していなければ、全員が副操縦士になれない、というとってもわかりやすい結果主義なのです。

 

例えばコース10名中8人しか訓練を通過できない定員制であれば、競争が生まれるでしょう。

その結果、自分の持っている有益な情報を他の人に渡さないとか、訓練で悩んでいる人を助けないとか、そういったことが起きてしまうでしょう。

 

しかし、パイロットの訓練はそうではありません。

全員が所定のレベルに到達出来たら、全員通過です。

つまり、例えば合格レベルが80点とすると、90点の訓練生には「100点を目指せ」ではなく、「70点の同期を80点まで引き上げろ」という教えが入ります。

全員が助け合い、情報交換をしあい、悩みを共有しながら行うのがパイロットの訓練です。

 

例えるなら、ラグビー。

チームの為に。

厳しい訓練も、皆でスクラムを組んで、助け合いながら突破しよう。

これがパイロットの訓練です。

 

努力はとっても必要です。

しかし、競争をしなくていい、というのは他の職業ではなかなかないことかもしれません。

そしてとってもいい文化だと思います。

 

パイロットは競争しなくていい。

これもパイロットという仕事の魅力のひとつです。