ハーブや花々、オリーブやぶどうなど、自然に恵まれたプロヴァンス地方。
昨年夏に訪れるまで、おフランスかぶれのおばちゃま方が訪れる場所でしょ!?(失礼)なんて思っていた私ですが、夏&冬と立て続けに訪れたくなってしまうほど、すっかりその魅力に魅了されてしまっています。
その中でもこの冬訪れた南東部の湾岸都市「マルセイユ」は、古くから石鹸作りに定評がある都市。
フランスでも特に治安が悪い町というイメージが定着していたけれど、近年の再開発で凶悪犯罪は減っているのだそう。
とはいえ、軽犯罪は常に発生しているので対策は必要ですけどね。
そんな街を訪れた昨年末。
相変わらずあちこち出掛けるたびにその土地のものを買い集めてしまいます。
使いきれないくらい買ってしまう・・・
そのひとつが石鹸
こういうの見るとテンションあがってついつい手が伸びてしまう・・・
子供の頃、母には質の良い石鹸を使うように言われていたにもかかわらず中高生くらいになると香りの良いボディソープを使ったりするようになって。
そうするとあっという間にアトピーが悪化してしまったのが、石鹸派に戻りこだわるようになったキッカケ。
やっぱり添加物、良くはないのです。
私にとっては血まみれになるかどうか、当時は死活問題でした。
肌がだんだん強くなってきて(歳取って鈍感になっただけ?)からも、旅先ではつい有名な石鹸のお店は訪問したくなり、試してみたくなります。
イタリアでもわざわざ本店まで出掛けて買い出しに行くし、プラハでも大量買い。
バリでも車チャーターして行っちゃったり。
付き合わされる家族からするとアホの極みなんでしょうが、せっかく訪れたからにはどうしても行ってみたくなっちゃうのです。
と言うわけで、たぶん世界でいちばん有名なのでは?と思われるマルセイユ石鹸も外せるわけがなく。
限られた短い時間しか滞在できない予定でしたが、リサーチもせず家を出てきた割にはどうにかなってしまいなんとなんと、見学出来ました。
やったー
旧港沿いにあるブティック
まずはその歴史について。
遡ると、9世紀頃からすでに特産のオリーブ油を原料とする石けんが製造されてたというマルセイユ。
盛んに作られるようになったのは16世紀頃のことだそう。
どうやら十字軍が遠征先の中東から戻ってきた際、中東で作られていた上質な石鹸(=アレッポの石鹸かしら?)を地元の素材を使って再現しようとしたことがキッカケなのだそう。
幸いプロヴァンス地方にはオリーブオイルやカマルグ産の塩・炭酸ソーダといった良質な石鹸の原料となる素材の産地があり、石鹸作りが盛んになっていったのだそう。
たくさんの街があるプロヴァンスで最初に石鹸工場が作られたのがマルセイユだったことから、世界中にマルセイユ石鹸の名が広がることになったようです。
これらの石鹸、なんと王室の方々も愛用していたのだそう。
かの有名なルイ〇世みたいな方々も使っていたという歴史があるらしく、王室の人々も愛用していただけあって当時からとても高いクオリティだったのでしょう。
17世紀に入り、需要が増えるにつれて短期間で作る粗悪品が多く出回ったため、 1688年に太陽王ルイ14世の勅令で厳しい製造基準が設けられました。
マルセイユ石鹸のクオリティを保つため、使用するオイルやソーダの種類などが定められたのだそうです。
何度か変更が繰り返され、現在はマルセイユ石鹸の老舗4社で結成している組合により、5つの行程からなる石鹸作りの製法のほか、以下のことが定められています。
オリーブオイルなどの植物性オイルを72%配合
防腐剤や添加物、香料不使用
形はキューブ状、直方体、楕円形、フレーク状
緑色またはベージュ
余計なものを一切含まない、とてもナチュラルで肌に優しい石鹸を伝統を守りながら作り続けてると言うわけですね。
顔も安心して洗えます
顔も安心して洗えます
それでは早速、マルセイユ石鹸の魅力を探る工場内へ足を踏み入れていきます
マルセイユ市内の「ジュリエン(Julien)」地区にある工場併設の石鹸ショップを訪れてみました。
まるでひと昔前の商店街にあるお店のような店構えのこちらが、マルセイユ市内にたった3つ残る石鹸工場のうちのひとつ。
旧市街ではこちらのお店だけが工場見学をさせて下さいます。
防腐剤・着色料を一切使わず、オリーブ油とパーム油をベースに100%植物油を10~15日間かけて釜の中でゆっくりとけん化・熟成させ石けん素地を作り上げていくそうです。
不純物を取り除いて作った石鹸のもとを成形していく工程になります。
粒状の石鹸のもとをシート状に!
粒状の石鹸のもとは、地下で作られるとのこと。
オイルやソーダを混ぜ合わせて作るようでした。
そっちが見たいのだが・・・、地下は拝見できないようでした。
お子さんの見学も多いようだったので、地下での工程は危険もあるでしょうから仕方ないですね。
見学させて頂いた日は香料を使った石鹸の製造をしていました。
ですので、精油を使った香料を混ぜ合わせていきます。良い香りが充満しています
と、共に、石鹸のくずでかなり埃っぽい・・・
石鹸素地が出来上がり!
この素地を形状を整える大きな機械にかけると、チューブ状に成形されたものが出てきます。
これをカットしていくと石鹸が完成!します。
この時点ではまだふにゃふにゃの石鹸。
これをひとつひとつカットしていきますが、形が崩れたものはバケツへポイッ。
再度成形し直してカットするようです。
固まる前に、人の手でひとつひとつ刻印がなされて箱詰めされます。
箱詰めされて発送されるまでひと月ほど、ゆっくり熟成を待つとのこと。
石鹸作りの作業はすべて、職人さんたちが手作業で行っていました。
こちらのお店で扱っている石鹸は、72%の刻印がなくても全て植物性オイル100%だそう。
夏にプロヴァンスで購入した際は刻印のないものは配合量が違うと言われたので、お店によって違うのかもしれません。
気になる方は、刻印のない香りが付いたものを購入の際は配合を確認してみた方が良いかもしれません。
伝統的マルセイユ石鹸の長いバーも売られてました
また、ラベンダーやローズマリー・シトロネラなどの精油で香り付けしたもの、可愛らしい形のものもたくさんの種類・大きさがありました。
厳密に言うとマルセイユ石鹸と名乗れるのは香料不使用のモノだけ。
ただ、ナチュラルなものも良いですが、やっぱりキレイな色合いと良い香りがある方が、テンションは上がりますよね。
いろんな香りの石鹸があって、港のブティックもこちらの工場でも、どれにしようか迷っちゃう。
女性なら誰でも幸せになれる空間ではないでしょうか?
女性なら誰でも幸せになれる空間ではないでしょうか?
見学後はみなさん凄い勢いでお買い物されていました
本当に山のように!と言う表現が当てはまるような量を買い求める方もいらしてビックリ
どうやって持ち帰るのでしょう?と言う大荷物でした。
私は前日にも港の店舗で少しお買い物していたので自粛するつもりだったのに・・・
またもや夫、
『もっと買っておかなくて良いの~?』って・・・
変な誘惑辞めてくれ~
さすが生産地!
南仏を訪れるご予定で気になる方は、是非マルセイユで購入してその優しい使い心地を体験してみてくださいね!
※どこでも同じですが、中国産やマレーシア産のマルセイユ石鹸も売られています。
購入の際はお気をつけて!
ちなみに、今回訪れたメーカー以外にも老舗メーカーがあります。
「ル・フェール・ア・シュヴァール(Savonnerie Le Fer à Cheval)」など
専門店やフランス国内の取扱店で購入することができます。
マリウス・ファーブルやル・セライユは、楽天などの通販サイトからも購入できますし、パリの百貨店でも見かけることがありますよ!
マリウス・ファーブルやル・セライユは、楽天などの通販サイトからも購入できますし、パリの百貨店でも見かけることがありますよ!
南仏のお土産と言うとまず思い浮かぶのがワインやオリーブオイルだけど重い・・・(買うけど)
カリソンは夏に訪れた折試したけれどマズい口に合わない・・・
もう一つプロヴァンス名物蝉のマグネット
どこのお土産屋さんにもありますが、蝉のなんちゃらなんてもらってもねー。
虫、嫌いだし・・・。蝉のおもちゃを飾りたいなんて全然思わない!
どこのお土産屋さんにもありますが、蝉のなんちゃらなんてもらってもねー。
虫、嫌いだし・・・。蝉のおもちゃを飾りたいなんて全然思わない!
やっぱり私は石鹸だわ~
マルセイユを訪れたら是非、本場の石鹸を手に取って見て下さいね。
マルセイユを訪れたら是非、本場の石鹸を手に取って見て下さいね。
<DATA>
リコーヌマルセイユ石鹸
住所:34 Cours Julien, 13006 Marseille
電話:04 96 12 00 91
電話:04 96 12 00 91