はぁ~
疲れた・・・
それにしても、あの女には驚かされた・・
まさか、男子トイレにまで入ってくるとは思わないだろ
けど、夏川さん、かっこよかったな~
まさか来てくれるなんて思わなかったから
ほんと、現れたとき、ヒーローかよ、てなったわ
会社で会うことないって言ってたけど・・・
週明け、驚くだろうな
今日言っとこうかとも思ったんだけど
なんか、びっくりする顔、見たくなって・・・
「あっ、森島くん・・ 今、帰り?」
社員寮に帰ると
エレベーター降りたところで
段ボール箱を抱えた二階堂さんに遭遇
「なになに?休みの日なのに、スーツ!?すっごいかっこいい!!いつにも増して!!何かあったのっ?」
「あ~・・ 友達の結婚祝いで・・」
「うわっ!そうなのっ?そんなの、森島くん、モテモテだったでしょ~!独身女子たち、皆狙いに来たんじゃない?」
「いやいや、全然。今回は」
「今回は?・・って?」
・・・ 何を言ってるんだ?オレは
「二階堂さん、それ、重いんじゃないんですか?オレ、運びましょうか?」
「これ?大丈夫大丈夫。下まで運べば・・ って、実は私、ここ、引っ越すことになってね?少しずつでもこの週末に運んでおこうかな、って」
あ~
そういえば、結婚するんだったか
「おめでとうございます」
「え?」
ハッ
二階堂さんの表情が固まったのを見て気づいた
これ、まだ内緒なんだっけ・・・
「あ、いや・・ てっきり結婚するのかな~って思って・・。ほら、オレ、今日友達の結婚祝いのパーティ行ったとこだったし・・ この社員寮出るって聞いて、パッと浮かんじゃってー。違いました?」
やばい
焦る
「そうだよね!?・・・うん、やっぱ、バレちゃうよね~。・・・そう、実は結婚するんだ」
ホッ
よかった~
「でね?私のあと、あさひが住むから。よろしくね。あ、知ってる?私の同期の夏川あさひ」
えっ?
引っ越してくんのっ?
同じフロアに?
「・・・ 知ってます」
さっきまで、一緒にいました
ってか、聞いてない
あ!あの人、俺が社員寮に住んでること
知ってんのかな?
・・・ 知らないか
また驚くな、きっと
「まぁ、あさひも そんな長くは住まないだろうけどね」
・・・・え?
そんな長く住まないって・・?
「どうしてですか?」
「やだな~もう、森島くん、さっき言ってたじゃない。ここ出るなんて、パッと浮かぶって」
「え?・・?」
結婚!?
いやいや、ないでしょ
ハイスペックイケメン彼氏、エアーだって・・
二階堂さん、知ってるって言ってなかったか?
同期のふたりには、いないってバレてるって・・・
どういうことだ?
まさか、二階堂さん、知らない?
いやいや、それはないでしょ
「ま、長年見守ってきた私の願望でもあるんだけどね~。あ、森島君てほんとに彼女いないの?」
急にオレ?
「いませんけど」
「すっごいモテるのに、もったいない。作る気ないの?あ、ごめんね、なんか、同じフロアに住んでたのに、こんなゆっくり話す機会なかったな~って思って・・ンショッ」
だから段ボール、重そうなんだって
二階堂さん
持ち直さなくても・・・
「まぁ・・ いてもいいかな?くらいには思いましたけど」
今日・・
「うわっ、なにそれ~。いてもいいかな?やだ~、確実にモテる人のセリフ・・・。そんなんじゃ、彼女が可哀想だわ。だめだめ。この人が欲しいぃーーー!好きだぁーーってくらいの、彼女、作ってね!先輩からのアドバイス。ここまできたらさ、森島くんには妥協とかしてほしくないわ!!」
「・・・ はぁ」
ここまできたら妥協してほしくない?
二階堂さん、面白いな
「いつか彼女が出来たら教えてもらうから。あさひにでも」
「え?」
なんで・・ 夏川さん?
「あ、私、結婚したら退職するから、森島くんのことわかんなくなるでしょ?だから、あさひにでも聞こうかな?って思って・・。彼女の写真とか撮ってもらおうかな」
退職するんだ・・?
「そこまで・・ 気になります?」
「なるわよ~。このイケメン森島君が、どんな彼女を作るのか。どんな女の子に堕ちたのか。」
入社二年目の後輩なのに?
二階堂さん、そんな話もしたことなかったですよね?
「それを言うなら、松永先輩の方が気になりませんか?」
あんなかっこいいのに、彼女いないとか
同期なら気になるんじゃないです?
オレなんかのことより
「あー、あいつはいいの。近々片付くから・・ンショッ!」
「え・・・ 近々・・・」
片付く・・?
それって、松永先輩に彼女が出来るってこと?
へぇ~
「じゃあ、そろそろ腕が限界だから、私、行くね?しばらくバタバタすると思うけど、よろしく」
「あ、はい・・。お疲れ様です」
・・・っていうか
あの人、結婚するの?
誰と?