結局昨日は、ヌナから恋人の紹介を受け

彼は、そのまま夕食を我が家でとることになり

父さんにだけでなく、弟の僕にまで向けて

 

「ジスさんを僕にくださいっ」

 

と盛大に挨拶してくれた

 

彼の緊張はそこからきてたんだな、と・・

至極納得した

 

なんとも好感のモテる男の人だった

 

だけど・・

 

 

 

 

「はぁ~・・・」

 

 

 

コンコンコンッ

 

 

うちの会社がテナントで入っているビルの1階のカフェで

ランチのあとのコーヒーを飲んでいると

通りに面した大きな窓越しに、そのガラスをたたくひとりの女性

 

あ・・・

 

彼女は、ジェスチャーで、そっち、行ってもいい?

と聞いてきたので

僕は軽く肯いた

 

昨日、映画を観た同じ会社の彼女だった

 

 

「昨日はごめん。」

 

 

彼女が僕の目の前の席に座り、口を開く前に謝った

 

 

「お詫びにここ、僕がもつよ。好きなもの頼んで。」

 

「ええ~~ 今、ランチ食べてきたばかりでお腹がいっぱいなのに・・・

ずるい、別の機会にして」

 

「あ、そうか・・ ごめん」

 

「いいわよ、別に。」

 

 

そういうと彼女は、ウエイターさんを呼んでコーヒーを注文した

 

 

「ね、さっきの大きなため息は、何かあったのかしら?」

 

「あー。」

 

 

見られてたのか

 

 

「実は昨日、姉の恋人がうちに挨拶に来て・・」

 

「え?そうだったの?そんな大事な日に私ったら引き留めるようなこと言っちゃってたのね?ごめんごめん・・ 私の方が謝らなきゃー」

 

「いや、そんなことないよ。」

 

 

あくまでも結果、そうなっただけなんだから・・

あの時の僕は・・

 

 

「そうか!挨拶に来たってことは、お姉さん、結婚されるのね?」

 

「あー、うん・・」

 

「わかった!それでチャンミン・・・ 寂しいんでしょ!」

 

「は!?なっ、寂しいなんてっー」

 

 

 

そのときだった

 

 

僕の視界に

 

 

あの人が入ってきたんだ

 

 

 

数人に囲まれ

グレーのトレンチコートを着たあの人が

颯爽と歩く姿が

 

 

 

こっちに来る・・・

 

 

 

 

「・・・ チャンミン?」

 

 

 

隣を歩く女の人に話しかけられ

二言三言会話を交わし

 

笑った・・・

 

 

 

ドクンッ

 

 

 

「何を見てるの?」

 

「えっ?」

 

 

問うが早いか、彼女はくるっと振り返った

 

「あー!あの人っ、隣の新築ビルに入る会社のお偉いさんだってみんなが騒いでた!」

 

 

え・・?

 

 

「すっごいイケメンでしょ?最近よく見るから、みんなが騒いでるのよ!何?あ~~!

あの人の隣にいる美人秘書に見惚れたっ!!?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

ちょっと待って

今、なんて言った?

 

隣の新築ビルに入る会社のお偉いさん・・?

美人秘書・・?

 

最近よく見る・・・?

 

 

あ、あの人、見たことある

あそこで・・・

 

確か、『トーゴー』って呼んでたような・・・

一緒にいるんだ・・

そうか、そうだよね

 

 

 

「そういえば、その会社って・・ チャンミンのお父さんが勤めてる会社じゃなかったっけ?」

 

「聞いてない・・・。聞いてないですよ」

 

 

そんなこと何も・・・

 

 

 

もうすぐ、彼らは僕の座っている席の横を通り過ぎようとしていた

 

 

 

ガタガタッー

 

「えっ?チャンミンっ・・?」

 

突然立ち上がった僕に

 

 

 

大きな窓ガラスの向こうのあの人が

 

 

こっちを向いた

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

目が・・・

 

 

 

合って

 

 

 

 

コクンッと軽く頭を下げられたと思う

 

 

 

でも視線はすぐに逸らされて

あの人は通り過ぎて行った

 

 

 

「どうしたの?もしかして知り合いなのっ?」

 

 

 

僕は・・・

 

 

何を期待した?

 

 

 

あの人が

僕を見つけて

驚いてそして・・

 

立ち止まって話しかけてくれるんじゃないかって

 

いや、それよりもっと

優しく笑ってくれるんじゃないかって

 

 

 

 

「いや・・・。ちょっと・・ 知ってただけ」

 

 

 

 

ストンッ

 

 

立ち尽くしていた僕は

力なく席に座った

 

 

 

「え~ それでも、知り合いなんでしょっ?すごいっ!!そんなのみんなが知ったら紹介してくれって言われるよ?」

 

 

・・・・ 紹介?

 

 

 

「黙っていてください。」

 

 

「え・・?」

 

 

「そんな知り合いじゃないんです。ただ・・ ただの・・・」

 

 

 

そうだ・・

 

僕って何なんだ?

 

 

 

「なに?ただの・・ 知り合い?ふふっ、チャンミン、おもしろぉ~~い」

 

「・・・・・・」

 

 

 

おもしろくない

 

そんなの

 

 

ぜんっぜん面白くないですよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ 本部長、大丈夫ですか?」

 

 

「何が、だ?」

 

 

「いや、だってさっき・・・」

 

 

 

彼が、女性と一緒にいたの

目に入ってないわけないですよね?

 

彼はしっかり本部長のことを見ていたし

 

 

そう・・

 

とても本部長のことを見ていた

 

 

 

「東郷くん、たいした用もないのに本部長に話しかけないでくれる?

本部長!このあと1時半から社長からお話のあった例のー」

 

「あぁ、わかってる。場所は・・ 〇▽亭だったな?」

 

「はい。お車、回してきます」

 

 

 

ちくしょー。

花沢のやつ、自分は秘書だからって上から俺を見下してきやがって・・・

 

「本部長っ!本当にいいんですかっ?会ってしまったらもうー」

 

「東郷。」

 

 

うっ・・

 

そんな目で見ないでくださいよ

 

 

「おまえ、意外と優しいんだな?」

 

 

「は?///////////」

 

 

 

あー、もうっ/////

ほんっと困るっ

この人にはっ!!!!

 

 

無自覚の人たらしって言うか・・・

 

 

「だってさっきの彼のー」

 

パフォーーンッ・・

 

 

軽くクラクションが鳴り

俺の声は掻き消された

 

 

運転手付きの車から花沢が降りてきて

 

 

「じゃ、私たちはこれで失礼します」

 

俺たちにそういうと

本部長を攫うように乗せて行ってしまった

 

 

 

はぁ~・・・

 

 

本部長を見送り

さっきの道を振り返った

 

 

彼の姿はもう、あのカフェにはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さんっ!!僕の会社の隣のビルに、父さんの会社、入るんだって?」

 

 

 

帰るなり父を問い詰めたもんだから

リビングで寛いでいた父は驚いて腰を抜かしそうになっていた

 

 

 

「チャ・・ チャンミン?」

 

 

「ぜんっぜん聞いてなかったけど??」

 

 

「そ、そんな怒ることか?だって父さんはあそこに行くわけじゃないし

あの新ビルに入るのは本部長を中心としたー・・あ」

 

 

 

父さんがそこまで言って突然何かを思い出したようにかたまった

 

 

「なんです?」

 

 

「そういえば本部長、今度結婚されるそうだ」

 

 

「・・・・・・ 」

 

 

 

 

父さんの言葉を、脳が理解して僕の中に伝達するまでに時間がかかった

 

どれくらい?

 

どれくらいだろう?

 

 

 

「・・・ はぁ?」

 

 

「ジスとのことは何だったんだろうなぁ・・」

 

 

「結婚・・!?結婚するって誰とですかっ?本当にっ!?」

 

 

「チャンミナ?」

 

 

 

 

結婚するなんて聞いてないっ

 

 

・・いや、そもそも僕になんで言う必要が?って話か・・・

 

 

あの人と僕はなんの関係もないんだった

 

 

ヌナとのお見合いがダメだったから・・・

だからあの人はきっと・・・

 

 

でもだからってすぐ結婚っていうのはー

 

だって、つきあってなかったでしょっ?

そんな人がいたんだったらどうして僕とー

 

 

 

あんな時間を・・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・ チャンミナ?」

 

 

 

「すみませんでした、大きな声を出して・・。自分の部屋に行きます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

 

 

 

バタン

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ 結婚・・・・」

 

 

 

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(画像、お借りしました)

 

 

する気なんてないって言ってなかった?

 

 

だから見合い避けに僕に女の恰好をさせて

つきあってるふりをしろって

 

あれはいったい、なんだったの?

 

 

 

 

ーー チャンミンと過ごすのを楽しみに・・

 

 

 

 

「僕と過ごす時間を楽しみにしてた、って言ってたくせに・・・」

 

 

 

 

あの人に・・・

 

 

聞いてみたいことがいっぱいある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~・・・・」

 

 

 

自宅に戻って家族に挨拶を済ませると

自分の部屋に入り、息をつく

 

 

 

「ふっ・・ 」

 

 

 

顔が見れて嬉しい気持ちと・・・

 

やっぱり女連れか

 

なんて

 

 

 

「俺も未練たらしいな・・・」

 

 

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(画像、お借りしました)

 

 

 

ネクタイを緩め、シャツのボタンを外す

 

 

幾度となく通ったあの場所で

 

 

初めて・・・

 

初めて俺の姿をみつけてくれたのが

 

 

 

まさか、彼女とのランチ中とか

 

 

 

つくづく皮肉なものだ

 

 

 

 

 

ブーブーブー・・・

 

 

脱いだ上着のポケットから

携帯の振動音が聞こえてきた

 

 

 

俺はゆっくり上着に手をかけると

ポケットに手を入れ

携帯を取り出す

 

 

 

ブーブーブー・・・

 

 

かなりしつこいこの電話は

きっと大事な要件か

 

会社に逆戻りすることになりそうだと覚悟を決め

携帯の画面を確認する

 

 

 

「・・・!!!?」

 

 

 

俺は目を疑い、慌てて電話にでた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・

 

 

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うわぁ~ん

 

どうしてこれも、きりがないのでしょうか

 

こんなところで・・・・

 

なんて思っていただけました?

 

 

でもね

 

ここ、ゆっくりじっくり考えたいんですよね

 

 

ということで

 

おゆるしくださいませm(_ _ )mm(_ _ )mm(_ _ )m