「えーーーーっ、すっごい、粗方片付いてるじゃん!!」
部屋の中をキョロキョロしながら茜
第一声を漏らす
「うん、なんか・・ そうなの」
ほっとんど、森島くんのおかげ・・・
茜に飲み物を、と思って
そんなもの、何もないことに気づく
「あああああああーー 飲み物もなかった!!どうしよ、森島くんに連絡をして何か買ってきてもらおうか」
床には、自販機で買ったお茶のペットボトルが2本
離れたところに立っている
私と森島くんが飲んでたやつだ
もうほぼ、空
「あ、それなら大丈夫。ないと思って、飲み物は買って来た。重かったわよ~?」
私がスマホを手に、まさに電話しようとしたところへ
茜が振り向いて、バッグをふりふり主張してくれた
「わー、ありがとぉー、助かる!!」
「ねぇ あさひ?」
飲み物を受け取ろうと近寄って伸ばした手を
茜に掴まれた
ビクッ
「え?」
「私に何か、言うことはない?」
ドキッ
「・・・・ 言うこと?」
「森島くんと今、一緒に働いてるんだっけ?」
「あ、うん、そうなのよ」
「ずいぶん、仲良くなったのね?」
「え?」
「私、前にあさひが引っ越したとき、手伝ったわよね?こぉ~~んなもんじゃなかった。まだ、引っ越し当日のお昼過ぎよ?ほんとならあさひ、運び終えた荷物の中でぼ~~っと座りこんでる時間でしょう?」
「・・・っ!!」
た、確かに!!
今までの私だったらー
間違いなくその図が浮かんでくるわっ
茜の言う通り!
「それに、あの、いくつかの段ボールに書かれた、〇あ、って何?あさひのあ?」
ドキッ
「なんでそんなの、必要なのかしら?誰かと一緒に住んでいたわけでもないのに」
「当たり前でしょっ!誰とも住んでないわよっ!!」
「うん、だから、なんで?」
「・・・・・・」
こ・・・
これはやばい・・?
森島くんがいること、やっぱり、すんなり納得なんか、してなかったかぁーー!
森島くんに手伝ってもらったこと
正直に言う?
別に変じゃないよね?
森島くんに手伝ってもらっても・・・・
いや・・・
変かな?
変だとすればそれはー
「・・・ 別々に、離れたところに置かれているペットボトルはそれぞれ、ほぼ空ね?あれが空になるくらい、森島くんはここにいた。ってことよね?」
まだ続いてるっ!
茜、名探偵か!!!
あーっ、もうっ!!
「うん、手伝ってもらった」
「それで?」
「・・・ それで?」
え?
でも待って?
森島くん、出掛けてからどれくらい経ったっけ?
こういうとき
帰ってきた森島くんに聞かれちゃった!
っていう展開だけは避けたい
と思うのは漫画の読みすぎ?
「ねぇ茜、牛丼屋さんて、ここからどれくらいなの?森島くん、帰ってくるまでどれくらいかかる?」
「・・・ そうね、あそこ、注文してから貰えるまで早いから・・・ もうそろそろ、帰ってくるかも」
「話す。全部話すから、それは森島くんのいないときにして」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・ 茜?」
「わかった。じゃあ私、お邪魔みたいだから、帰るね、こんなに片付いてるんだしね。」
「え?ええっ?お邪魔って・・」
茜はペットボトルを4本、バッグから取り出しテーブルの上に置くと
リビングのドアを開けて、玄関の方へと歩いて行く
「ちょっと待ってよ、茜、今、茜に帰られたらー」
森島くんに、変に思われるっー
ガチャ
玄関のドアが開いて
森島くんが帰ってきた
「・・え?」
森島くん、びっくりしてる
うそでしょ
今度は、さっきと逆パターン?
帰ってきた森島くんと
茜を追いかけた私が、向かい合った
「ごめんね~ 森島くん。彼から電話がかかってきて、やっぱり私、帰らなきゃならなくなっちゃって~」
電話なんか、かかってきてないじゃーーーーん
「え?二階堂さん、帰るんです?」
「うん、そう、ごめんね」
「飲み物、二階堂さんの分も買って来たんですけど・・」
え?
飲み物ないの、わかってたんだ?
「森島ぁ~~~~」
「ちょっ、ちょっと茜っ!!」
茜ってば
なんでそんなにニヤニヤするのよぉーーーーーーっ!!
「森島くん、ごめんね、ほんと。申し訳ないけど、あさひのこと、よろしくね!!」
「・・ はい?」
茜っ!!
フォントッ!!
今の、フォント大だってば!!
はぁ~~・・・
ったく
茜ってば・・・
ニコニコ笑って、玄関を出ていった
「二階堂さん・・・ あんなにアンタのことよろしく、って・・・ アンタ、よっぽどダメなやつって思われてんの?」
森島くん・・・・
「あー、うん、そうかも」
「ハハッ まだ引き出し、あんの?楽しみ~」
「は?引き出しって・・ 楽しみってなに?それー」
「腹減った~ 早く食べよ♪」
森島くん、私の横をすり抜けると
牛丼弁当2つ入りの袋をシャカシャカと音を鳴らし
リビングへとドアをあけて入っていった
あ、自分の分も買ってきたんだ?
牛丼
・
・
・
・
・
ガチャ
バタン
ほんの数日前まで自分が住んでいて
今では友人の家の玄関を出ると
「あ~あ・・・」
思わずため息が漏れた
だぁ~から、とっとと 付き合わなかったわけね~
松永と・・・
残念!
ーー 全部話すけど、森島くんのいないときに、
ってことはぁ~
つきあってるわけじゃあないのか、まだ
あさひの片想い?
いやー、年下はない、て言ってたのにねぇ
森島くんの方はどうなんだろ?
なんか、一緒にいるとこ、妙にしっくりきてたけど
わかんないよねぇ
挨拶くらいしかしたことないし
同期としては、松永とつきあってほしかったけど・・・
そういえばあさひ
松永といるとき、もうあんな顔してなかったもんな~
ちょっと揺れたりはしたんだろうけど・・・
わかってるのかね~
自分の気持ち
まぁ、話してくれるってことは
わかってるんだろうね
楽しみに待つとしますか
あさひの恋ばな
何年ぶりだろ?
あ~、神様
どうか松永にも幸あれ