これ、今日3話からアップしてあります
そして、お忘れの方も多いと思うので、直近に移動しておきました
よかったら続けて読んでみてくださいませ
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「おいしぃ~~!主任、いつもこんな美味しいご飯、食べてるんですか!?」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないか!豚汁、おかわりハイ、どうぞ!サービスだ!」
「きゃ~~ ありがとうございますっ!大将っ!!」
「www ばぁ~っか、ここの豚汁はおかわり自由なんだよ」
「え?そうなんですか?」
何か、食べて帰るか?
という主任の申し出に、いちもにもなくうなずき
ついてくると、定食ありの居酒屋さんだった
こういう庶民的なお店が行きつけってところもまた
好きなんですぅ~~~
今度から私も通おう
ちなみに今日はアルコールは抜きです
お茶です、ウーロン茶です
グラスに入ってるのは
「ところで主任!あーいうの、よくないと思います!」
「・・・ あーいうの、って?」
「右田さんですよ!最近、やたらと主任のまわりをうろちょろしてるじゃないですか!
この間の同行のとき、何かしたんでしょ!」
「は?何か、って何だよ」
「彼女いるのによくないですよ」
「何かわかんないけど、彼女いなかったらいいわけ?」
は?
いるくせに何を言ってる!!!
「だいたい、昔、私に言ったみたいに、ビシッと言うべきですよ、ビシッと!」
「昔お前に言ったみたいに、って何を!?」
「ほら、あれですよ、いいですか?」
ふぅ~
大きく息をすって・・・
私は松本主任になりきる
『俺、彼女いるよ?変な気、起こさないでね』 by 松本
「・・・ そんなこと言った?オレ?」
「言いましたよ!!」
「・・・ すげぇ、よく覚えてるな、そんなの・・。しかも今の、なに?もしかしてオレ?」
「覚えてますよっ!!そんなっ!当たり前じゃないですか!!」
あのセリフで私がどれだけー
「だいたいっ、主任は無駄に色々かっこいいとこがあってー」
「無駄に、ってなんだよ」
「一日同行とか・・そんな長い時間一緒にいたりしたら、そういうとこ、いちいち気づいちゃって・・」
「待った!ストップっ!!」
大きな手が目の前に伸びてきて
私はふと我に返る
あれ・・
もしかしてちょっと・・・
ヒートアップしちゃってた?
「・・・ すみません」
少しぬるくなったウーロン茶を口に含む
「おまえさー・・ あれ、いつ言うの?」
「あれ?・・ってなんですか?」
「www トイレ。」
ガタッ
音を立てて席を立つと、主任はお手洗いに消えた
あれって・・?
私、何か言うこと・・・
え?
あ?
それってそれってもしかしてもしかして
え?え?え?
なに?
今の・・
告れってことだった?
え?え?
聞いてくれるの?
え?でもそれってどういうこと?
今言ったら何かいいわけっ?
ブーブーブー・・・
テーブルの上に置かれた主任のスマホが鳴った
必然的に見える画面には
着信の名前が・・・・
『智子』
・・・ 彼女さん?
あ、主任が戻ってきた
ガタッ
椅子をひいて、ストンッと席に着く
「電話、鳴ってました。」
「そ?」
主任の視線が携帯へとうつる
「ともこさんから」
携帯を持った手が一瞬だけ、びくっとなった気がした
「あー、それ・・ ともこじゃなくて、さとこ」
そんな訂正いらんわっ!!!
すっごいタイミングでかけてくるなー、もうっ
彼女さん・・・
おかげで告ろうかと浮かれてた自分が
あっという間に落ちた
覚めた
まるで松本主任は自分のものだって言われたみたいで
ほんっと、自分がバカみたい
ガタッ
今度は自分が席を立った
「ごちそうさまでした、すみません、お金、明日払います」
「は?いいよ、これくらい、奢ってやー」
「帰りますっ、お疲れ様でしたっーー」
走る
一気に、ドアの外まで
主任が会計している隙に
って思ってたのに
「大将っー ツケといてー」
て声が聞こえたかと思うと
追っかけてきた!!
慌ててドアをくぐり
外へ出て走るっー
そんなの・・・
あっけなくつかまるに決まってるじゃないですか・・・・
「待て、って。 送ってくから」
ほらね、あっという間に腕、掴まれちゃいましたよ
好きだもん
「大丈夫ですよ、彼女いる男の人に送ってもらえませんから」
心とは裏腹な無駄な抵抗
でも、必死な抵抗
「俺はおまえの上司だ。飯まで食って、こんな遅くなったんだから
黙って送られとけ!」
「な・・ んですか、それ。上司なんて普通、送ってくれませんよ」
も・・
泣きそう・・
「右田さんも、送ってあげるんですか?」
「・・・ からむねー、そこ。」
「だって・・・」
そこは気になるっていうか・・・
上司、なんて言うから・・
「どうかな~・・。 ちなみに、さっきの電話は彼女からじゃないから」
「え?」
さとこさん、って彼女じゃなかったの?
じゃあ彼女は別のー
「元・・ カノ・・から」
「もと・・かの・・」
「そ。」
「ええーーーーっ!!元、って・・ 元ってことは、別れちゃったんですかっ?」
「そうだよ、フラれたの、おれ」
「うそうそうそ、フラれたって、松本主任がっ?うそだ!なんでフラれるのっ!?」
「というわけで、彼女のいる男じゃないんで、送られてください」
「・・・・・・・・」むにっ
自分で自分の頬っぺた、つねってみる
全然痛くない
「はい・・ 送られます・・・。送ってください!あ、なんだったら送りオオカミとかなってもらっても私ならー」
「ばぁ~~っか!」
「えー、どうしてですか?だって彼女と別れたんですよね?だったらー」
「ストップ!」
「・・・え?」
「桜井・・ おまえ、さっきから俺の傷口をグリグリグリグリえぐってるって、わかってる?」
「あ・・・・」
別れたって連呼してた・・・
そっか・・
そうだよね
いくら自分が嬉しいからって・・・
主任はあんなに長い間つきあってた彼女さんに振られたわけで・・
「すみません・・ デリカシー、なかったですよね」
「全く。。。な?」
「・・・・・・・」
それから私は家につくまで
本当に黙って送られました
でも、その間もひとり
悶々と色んな事考えまくってしまって・・・
着いたらやっぱり黙っては、いられなくって
「主任!」
帰ろうとする先輩を呼び止めてしまいました
「ん?」
「主任、今・・・ 傷心なんですよね?」
「そーだね」
「それって、慰めてあげたりなんて・・・ できませんか?」
「・・・・・・・」
「私が主任のことー」
「待って」
・・・え?
「桜井・・ もう少し、待って?」
それって・・・
「・・・ 待ってても、いい、ってことですか?
いえっ、いい、って言ってくれなくても待つっていうか
だって私、今までだってずっとー」
「だから待て、って!」
「・・・・・・・・」
「そん時は・・ 俺から言うから。」
「・・っ!!!!?」
いま・・・・
なんって、言いました??
「・・ わんもあぷりぃ~~ず・・・」
「ばぁ~っか、意味ねぇこと聞くな」
くしゃくしゃくしゃっ
私の頭が主任の手に撫でられました
誰かこれ
動画で撮影とかしてくれてないのかなぁ?
玄関のとこに、カメラでもあったらいいのに
そうして主任は
送りオオカミになどなることもなく
帰っていきました
そんな後ろ姿を見送りながら私は・・・・
嬉しくて嬉しくてたまりませんでした
ごめんなさい、主任
フラれてくれてありがとうございます
つづく・・・
(とりあえず、ここまで)