「・・・ん~・・」
なんだろ
風が・・・
気持ちいぃ・・
ん?
パチッ![]()
え?タクシー?
え?どうやって乗ったの?
ええっ?森島くんと手、繋いでるっ!?
「・・・ 起きた?」
「ごめんっ、私・・ いつから寝てた?」
「どこまで・・ 覚えてる?」
「どこまで、って・・え?私、お酒、一杯しか飲んでないわよね?」
「・・・ そこかぁ・・」
「私、何かやらかした?」
うそでしょ
ごっそり、記憶がないっ
「はぁ~・・・ほらな、言ったとおりだ・・」
「え?何を言ったの?」
「・・・ 別に」
別に、って目じゃないじゃん
なに?
その、蔑むような目・・・
うわぁ
私、やらかしたんだ
これ・・
しかも、相当なやつ?
吐いた?
すんすんっ・・
いや、そんな感じはない
ああああ
もうっ
何やった?
ってか、なんで酔った?
あれくらいのお酒で・・・
敗因は、昨日の寝不足だわ
絶対・・
今日のことで頭いっぱいで
テンパっちゃって
あれこれ考えて眠れなくなって
ぜーーんぜん、寝つけなかったのよ
映画は耐えた
全神経が隣に集中してたから
あのお店でだって
全神経が隣に・・・
あーでも
アルコールが私を解き放ってしまったんだわ
「まぁいいよ、またー」
「ねっ、これ・・ もしかして、寮に向かってる?」
「そうだけど?」
「私たちが同じタクシーで帰ってくるなんて、誰かに見られたらやばくない?運転手さん、すみません、そこの角、曲がったところで停めてください。ひとり降ります。・・・森島くん、これ、タクシー代・・」
「いいよ。オレが降りるから。」
・・え?
「頭はちゃんと回ってるみたいだね。あさひさんがこのまま、乗って帰って?」
「え?でもー」
タクシーが止まってドアがあくと、森島くんが降りていった
閉まるドアの窓のとこまで
身体をまげて
顔、見せてくれて
バイバイ、って
ああぁぁぁぁ
その優しさが・・・
申し訳なさすぎて いたたまれない
私、何をやらかしたんだろう
せっかく、森島くんと過ごせるデートみたいな時間だったのに
こんなかたちで終わってしまうなんて・・・
悲しい
寂しい
後悔しかない
お酒なんて飲まなきゃよかった
何が悔しいって
自分の行動を思い出せないこと
ふたりで過ごした大事な時間だったのに・・・
・
・
・
・
・
コンビニに入ると、目に留まった飲み物を適当にカゴに入れていく
「あれ?森島?」
呼ばれて振り向くと
「・・・ 笹本」
こいつ、よくこの辺に出没するよな
寮に住んでるわけでもないのに
「お?家飲みする?」
俺のカゴを覗き込んで聞いてきた
「・・・ ソフトドリンクだけど?」
「そっかそっか」
そういえば、前にこいつに言われたことあったっけ
「なぁ笹本、前におまえ、俺に彼女作れ、って言ってたよな?」
「あぁ・・ お?なに?森島、お前、彼女作る気になったのか?」
「オレ、彼女作るから」
「マジか!!いいことだ!それは!!」
だってもう
あんな可愛い告白聞いておいて
おさまるわけないだろ
素面のときに
絶対、言わせてやる
それでっー
あああああ
もうっ
俺の煩悩の責任とらせてやるからなっ