「・・・ なんでこんなに酔ってんの?」

 

「酔ってまーせーんー」

 

 

これは酔ったフリして森島くんに甘えちゃう作戦よ

 

ふらぁ~

ふらぁ~、って身体揺らして

わ、ざ、と

当たってます

 

こんな席に座ることを選んだキミが悪いんだよ?

 

でも・・

なんだろ?

揺れて当たるとこ、森島くんの首らへんなんだよね~

 

ま、いっか

 

 

「一杯だけって言わなかった?・・ 何杯、飲んだの?」

 

「だぁかぁらぁ~ 飲んでないって。ん~・・2杯?ね?マスター」

 

「ん?どうだっけ?」

 

「もーー!!ねぇマスター、この人って、昔っから、こんなイケメンだったんですか~?」

 

「え?快?そうだなぁ~ 僕が出会ったときはもう、こんなイケメンだったな」

 

「マスターまで、何言ってんですかっ…あーもう、完全酔ってんじゃん」

 

「イケメンだからってねー、何でも許されると思うなよっ!」

 

「何?オレ、許されないようなことしたの?」

 

「うわっー」

 

近っ!!えっ?なんでこんな顔が近くなるの?

 

「・・・ 危ないだろ?」

 

あれ?今・・ ちょっと身体が後ろに倒れそうになったんだけど・・背中になにかー

 

「えええーーっ」

 

後ろを向いてびっくりした

 

「何っ?この手!!」

 

「あさひちゃんが後ろに倒れないように、支えてるんだよなぁ~?」

 

「だってこの人、さっきから身体、ゆらゆら揺れて危なっかしいでしょ」

 

「・・・・・」

 

 

森島くんの手が、私の後ろで、椅子の低い背もたれのパイプのとこ?掴んでるの

私のよ?

だから近くって・・

あーー

だからか

私が揺れると、森島くんの首らへんに当たるの・・・

そんなのっ

ほぼ、森島くんの腕の中ってことじゃない!?/////

 

「もぉーーーっ!!こういうとこだよっ、森島くんっ!!」

 

「・・・ あれ?酔ってないの?」

 

「だから酔ってないって言ってるもんっ」

 

全部、アンタに甘えたい年上女の見苦しい苦肉の策なのよ

 

「何それ・・ 可愛い」

 

可愛いっ!//////?

 

「かわいいじゃなくて、あざといのっ!」

 

「・・・ なんで?」

 

なんで?って・・

そんなのっ

 

ああーーーもうっ

好き、って言いたくなるじゃないっ!!

ムカつくーーーー

 

・・けど、帰りたくない

 

くそっ

 

「マスター、おかわりっ!!」

 

やっぱり酔ってやるんだっ

 

「ダーメ。酔ってないなら帰るよ?」

 

「え?なんで?」

 

 

やだ

帰りたくない

帰ったら終わっちゃうじゃない

こんな距離で森島くんと一緒にいられるの・・

やだやだやだ

帰りたくない

 

「マスター!!早くっ!おかわりっー 酔ってるから!まだ飲むのっ」

「マスター、お会計して」

 

「やだっ!まだ帰りたくないーーーー」

 

・・・え?私、何言ってるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ 結局、酔ってたってことか」

 

 

彼女は、俺の腕の中で、スヤスヤ眠ってる

 

「大丈夫?タクシー、呼ぼうか?」

 

「お願いします」

 

ふぅ~・・

 

ったく

人の気も知らないで

 

なんでこんなに酔うの?

そんな、飲んでないよね?

 

 

「彼女、かぁわいいね~」

 

「マスター、手ぇ出したら怒りますよ」

 

「お。初めてだね、快にそんなこと言われたの。そんな好きなんだぁ~?」

 

「ですね。あ~あ・・ 酔ってなかったら今夜、言うつもりだったのに・・」

 

「ほぉ~んっと、ふたり、つきあってないとか信じられないけどね。傍から見てりゃ」

 

「酔ってないってばぁ~」

 

 

うおっ?

突然、胸のところで喋られてくすぐったい

 

「・・・ ハイハイ」

 

頭、撫でてもいい?

いいか、これくらい

 

 

「・・・ 酔ってないから言ってよ~」

 

「ハイハイ、好きだよ、あさひ」

 

「うそだぁ~ どうせ明日になったら、酔っぱらいのたわ言だったんだぁ~って言うんでしょ」

 

 

それは貴女でしょ

目、あいてないから

 

 

「オレは酔ってないよ」

 

「ね、嘘でもいいから、もう一度言ってくれる?私のこと、好き?」

 

「・・・ 好きだよ」

 

「んふ。私も」

 

 

うおっ!!

胸のとこで・・ 頭ぐりぐり・・ 顔、すりすり・・してる?

なんなんっ!?この人っ!!!!

 

 

「・・・はぁ~・・ そっちこそ、どーせ酔ってて覚えてないって言うんだろ・・」

 

「んーーー。大好き、森島くん・・」

 

 

ボッ

 

この破壊力・・・ すごすぎ

 

 

 

「おーい、快!タクシーきたけど・・ おまえ、襲うなよ?」

 

 

・・・ 正直

 

 

自信ない・・・