えと・・・

 

どうやって部屋に帰ってきたんだっけ?

 

 

あ、そうそう

森島くんに電話がかかってきて

 

じゃあ、って

 

 

はぁ~~~

 

まだ心臓がすっごいバクバクしてるっ

 

私・・・

 

森島くんと

 

キスした・・

 

 

よね?

 

それも

 

何度も・・・

 

 

 

っていうか

あのとき

 

もし

 

森島くんに電話がかかってきてなかったら

 

 

いや、ない

 

それはないから

 

そうなったらぜんっぜん準備出来てなかったから

 

全力で阻止しないといけないことになってたと思う

 

 

・・・って

 

 

何の心配を今頃してるのよっ

 

 

森島くん

なんで?

 

って

私がもっと、なんていうからよね

 

いやいや

その前にしたよね?

 

 

そんな雰囲気だった?

 

 

オトコとオンナだから?

 

だとしたら

 

私は森島くんにとって

 

オンナに見えてるってこと?

 

 

ああああ

 

もうっ

 

キスの理由を知りたい

 

 

いや、だめ

 

それで

 

ーー なんとなく

 

なんて言われた日には

 

ああああ

 

あいつ、言いそう

 

だってイケメンだもん

 

慣れてそうだし

 

 

あのイケメンのキス

 

避けられる人なんています?

 

そんな人、いるなら出てきやがれ、ってのよ

 

無理でしょ

 

ってことは・・・

 

いつでも し放題www

 

イケメン、おそるべし

 

 

あれが

 

イケメンにとっては、なんとなく、してしまったキスだったとしても

 

 

喜んでる私がいる

 

だって

 

好きな人とのキスだもん

 

嬉しくないわけないでしょ

 

 

くそぉーーーー

 

森島めぇーーーー

 

イケメンだからって、何してもいいと思うなよっ

 

 

「・・・・ ムカつく」

 

 

 

明日って・・・

 

 

行くんだよね?

 

映画・・・

 

と あのお店

 

 

何も言わずに帰って来ちゃったけど

 

 

約束・・・

 

したよね?

 

 

確認の連絡なんて

 

今、無理

 

 

もういいわよ

 

明日は残業なんかしないで

 

皆に仕事してもらって

 

私は終わらせて定時で帰るわよっ

 

 

映画館にアイツが現れなくても

 

ひとりで観てやるからっ

 

 

 

 

 

 

 

うそ

 

 

来てほしい・・・

 

ほんとは

 

 

 

 

「・・・ 森島くん・・・」

 

 

 

途中で私のこと

 

あさひさん、って呼ばなかった?

 

 

ハァ~・・・

 

 

 

 

「・・・・ 好きすぎる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー なんだよ、快、機嫌、悪すぎないか?

 

 

「・・・ 別に。」

 

 

 

お前がすっごいタイミングで電話してくるからだろ

 

 

「それで?何の用?」

 

 

ーー ひっでぇ~。なにそれ・・・ お前が電話でそんな怒るって珍しくないか?何があった?

 

 

「だから、別に、って言ってるだろ。それより用件は何だ?って聞いてる」

 

 

ーー 仕事でやなことあった、とか?

 

 

うるさいなぁ~

 

「ないなら切るけど」

 

ーー ああぁぁ、悪い悪いっ いや、彩芽と話してたんだけど、今度、あさひさんとウチに来ないか?彩芽がタコパしたい、って。内祝いも渡したいし。

 

「・・・・無理」

 

あさひさんと、って

もう恋人ごっこは終わったんだよ

 

・・ってのにオレは

何やってんだ

 

 

ーー え?無理って何?・・まさか、あさひさんとケンカでもしたの?

 

 

「は?」

 

 

ーー え?マジ?じゃあ、おまえが機嫌悪いのって、あさひさんのせい?すごっ!!遂にお前をそんなふうにする女が現れたんだなぁ~ いやいや、あさひさん美人だし、うんうん

 

 

「隆哉、お前、何言ってんだ?」

 

 

ーー だってお前、女のことで悩むことなんかなかっただろ

 

 

「・・・ そうだっけ?」

 

 

ーー 少なくともオレが知る限りはない

 

 

「てか、別にあさひさんのことで悩んでなんかー」

 

ーー あさひ、さん?・・・あれ?呼び捨てにしてなかったっけ?

 

 

・・・ しまった

 

人生、最大のミスだ

 

 

ーー 快・・ おまえ、もしかして・・・

 

 

ああああああ

もうっ

こうなったら覚悟を決めるか!

 

「隆哉、おまえ、今、ひとり?傍に彩芽がいたりしない?」

 

ーー いない。今、実家に帰ってる

 

「・・・ 絶対、彩芽に・・いや、誰にも言うなよ?」

 

ーー もちろん

 

 

あ~これ、もうバレてるやつだ

 

 

「実はオレ、あさひさんとつきあってないんだ」

 

ーー マジか!!

 

 

・・・え?

 

バレてなかった?

もしかして・・・

 

 

ーー つきあってない、って、じゃあなんであの時・・・ え?まさか・・ それって快・・ お前の片思いってこと?

 

 

・・・ 片思い?

 

になるのか?

 

ってオレ・・・

 

 

「オレ、好きなの?」

 

ーー は?お前、あれは好きだろ、誰がどう見ても。だから皆、納得してたんだろ。お前がいつもと違うから。オレもあさひさん、すげぇな、って思ってたけど・・・片思いとか、さらに感動だわ

 

 

「だってあの人、美人なのに可愛すぎるだろ。会社にいるときとのギャップとかすごくてー」

 

ーー おいおい、惚気かよ

 

 

 

引っ越し準備とか、ひとりじゃ全然できなくて

 

仕事の仕方も不器用で

 

 

すっげぇ可愛くて

 

 

すっげぇ触れたくて

 

 

ずっと一緒にいたくて

 

 

 

好き・・ なのか?

 

オレ・・・

 

 

 

「・・ 隆哉・・」

 

ーー なんだ?

 

「・・ ヤバい。・・ 好き・・ かも」

 

ーー いまさらっ!?

 

「いや、わかってたような・・ 改めて納得したっていうか・・ そっか、だからか」

 

 

あんなに欲しかったの

 

・・・ 納得

 

 

「ハァ~~~」

 

 

ーー どしたっ!?

 

 

「・・ なんか、サンキュ。隆哉」

 

 

お前からの電話がなかったら

あのまま流されて

オレ

 

やばかったわ

 

 

ーー ハハッ、なんかわかんねーけど、よかったわ

 

 

「ん。ありがとな。・・・ オレ、明日言うわ」

 

 

ーー え?言うって・・

 

 

「あの人、俺のにしたい」

 

 

ーー ・・・・・・

 

 

え?無言?スルー?

 

 

「なんだよ、隆哉、何とか言ってくれよ」

 

ーー いや、驚きすぎて・・ お前がそんなこと言うとは・・そういうの、嫌がってなかった?人は誰かの者じゃないだろ、って・・ 独占欲強い女とかに引いてなかったか?

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

確かに

 

かつて、そんなことを言ったような気がする・・・

 

 

ーー もしかしてお前、・・いや、もしかしてじゃなくて、本気で誰かを好きになったの、初めてなんじゃないの?

 

 

「え・・?」

 

 

ーー だって、お前が誰かのこと、オレのに、なんて言うの、初めて聞くけど

 

 

「・・・・ 」

 

 

だって、今までこんなふうに誰かを欲しいと思ったことなかったし

 

彼女なんて、女避けくらいにしか・・・

 

 

ーー キモすぎてフラれないように気をつけろよ

 

 

「キモすぎる!?」

 

 

ーー だって、今のお前の発言、かなり引くぞ?実際、今までのお前なら、そんなこと言われたら引いてるだろ

 

 

「・・・ 確かに」

 

 

ーー 明日、言うって、彼女に告るってことか?

 

 

「あぁ」

 

 

明日は映画を観て、一緒に飯食うし

 

 

ーー お前が振られることなんて想像もつかないけど、個人的には見てみたい気もする

 

 

「なんだと?お前、それでも親友か?」

 

ーー ハハッ 親友って嬉しいわ 初めてお前から恋バナ聞いたな。

 

 

「頼むから縁起でもないこと言うな」

 

ーー おおーーっ、弱気な快くん?可愛いーー!って、後日談としてあさひさんに語らせてくれ

 

「絶対、嫌だ」

 

ーー まぁ、うまくいったら、ふたりでオレん家来いよ、タコパしよ

 

「それは行かん。絶対に」

 

ーー まぁまぁ、ゆっくり考えといて。じゃあ、健闘を祈る!

 

「・・・ サンキュ。じゃあな」

 

 

ふぅ~・・・

 

 

・・・ん?

 

 

ちょっと待て

 

 

もしかして・・・

 

 

いやいや、深く考えるな

 

別に、普通にすればいいだろ

 

だってもう

 

 

 

言わないなんて選択肢がみつからない