「美味しぃーー!!! 森島くんって、料理も出来ちゃうんだ!?完璧男子!!」
「いや、カレーで失敗する奴、いないでしょ」
「何を言ってるのよ、カレーと言えども侮ることなかれ!よ!!」
ほんとに美味しい!
っていうか、森島くんの部屋が思ったより普通でびっくりした
てっきり、おっしゃれなモノトーン調とか統一されてたりするのかと思ってたから
まぁ、不必要なものがない感じは想像どおりだったけど・・・
「あ、ねぇ?森島くんに連れて行ってもらったあのお店、茜の結婚祝いで使わせてもらっていいかなぁ?今、お店、探してるんだけど・・ あそこ、グランドピアノが置かれてたりして雰囲気いいじゃない?照明の色も落ち着くし、貸し切りにするにもちょうどいい席数ー」
「ダメ」
・・・え?
ぴしゃりと
それも会話にかぶせ気味に断られた
森島くん、カレー食べてて
下、向いたままだから
どんな顔してるのかわかんないけど・・・
「あそこ、オレですら、会社の同僚、連れて行ってないから。」
あ、顔、上がった
怒っては・・ない?
「え?あ・・、そう・・だったよね、ごめん・・」
そう言えば、同期の飲み会とかで行ってないって言ってた
「会社の人たち、来るようになったら行けなくなるでしょ」
「ん、ごめん・・。 別の店、さがす」
「そうして」
ん?
ん?ん?ん?
ちょっと待って
会社の人たち、来るようになったら?
って私、会社のひと・・・
あの日はたまたま、ラッキーだったのかな・・・
「二階堂さんの結婚祝いって・・・」
「うん?」
「・・・ いや、なんでもない」
「え?」
なに?
何か言いかけた?よね?
今・・
「なに?気になるんだけどっ!」
「いや、別に何でもないです。ごちそうさまでした」
ガタンッー
森島くん、立ち上がると自分の食器を持ってシンクへと向かっていく
「ちょっと!!待ってよっ、今のっ、気になるってば!!」
ぱくぱくっ
もぐもぐっ
「・・んぐっ・・ それとっ、洗い物くらい、私にさせてよねっ!!絶対!!だから、そこ、置いといて!!あとでやるからー」
キッチンに立つ森島くんに必死に声を飛ばした
「・・・・・ じゃあ、たのもっかな。」
お水を出す音が聞こえ、食器をつけてくれた?
・・・さすがだ
「話が出たついでに・・・ あの店、いつ行きます?」
「え?」
「ほら。奢りますよ、って約束。あ、もしかして行かなくてもー」
「行くっ!行くに決まってるでしょ!!いつでもいいわよ?私は。」
そこまで一気に言ってからふと思い出した
「あっ!!だったらあの映画、観てから行かない?確か今週で上映終わっちゃうのよ」
ユヅル君が出てるやつ
「じゃあ明日、行っちゃいます?」
「明日?」
「だって、今週で終わるんだったら・・・ 週末まで持たないってことでしょう?」
確かに・・・
金曜にはもう、新しい映画が公開されるから・・・
「わかった。明日、行こう!」
「じゃあ明日は残業しないように。気をつけてくださいね。夏川さん、すぐ人の分まで引き受けちゃってるから」
「え?そんなことー」
「ないって言いきれる?オレが来てからでも、結構あるね?部下を帰して自分でやっちゃってる、って感じ」
うそ・・・
森島くん、来てからって
見られてた?
「だって、自分でやる方が早いし、残業させるよりはー」
「何それ、会社のため?」
「え?」
「確かに夏川さんがやった方が早いのはわかるけど、それじゃあ、いつまでたっても部下は成長できないよ?ひとりひとりの時間でいけば、そんな残業代出るほどじゃないでしょ。」
「それって・・ 私のやり方が悪いって言ってるの?」
「自分だけが頑張ればいいって思ってません?夏川さんができるのは、皆わかってるし、先輩なんだから当たり前。残業になってしまうのは、その人の能力不足なんだから、わからせないと!いつまでも夏川さんが面倒みれるわけじゃー」
パンッー
痛いってくらい、両手を合わせると
「ごちそうさまでしたっ!」
立ち上がって食器をもつ
そのままシンクに置くと、既に水につけられた食器と一緒に
洗剤をつけたスポンジで洗っていく
「・・・ 夏川さん?」
「・・・・・・・」
洗剤、つけすぎた
泡立ちすぎ
水、出しすぎ
勢いよくって、食器の変なとこ当たって
こっちまで濡れちゃう
ああああああああ
もうっー
森島くんがゆっくり立って
こっちに歩いて来るのが見える
でも
何も言えない
言いたくない
洗った食器をかごに入れ終わるころには
森島くん、横に立ってて・・・
「・・・ どうしてそんなこと、森島くんに言われないといけないのよ・・・」
絞り出すように声が漏れた
顔は見れない
・・って思ってたら
ぐいって引っ張られて
あっという間に森島くんの腕の中
・・・・ これって・・//////
抱き締められてる?感じ・・?なの??
どういうつもりなのよっ
あんな辛辣なこと言ってるくせにっ
飴と鞭かっ!!
・・じゃなくて・・
ずっと、よかれと思ってやってたのに・・・
さっきまで、言われたことにムカついてたのに
聞こえてくる森島くんの心臓の音が
なぜだか心を落ち着かせてくれる・・・
のが憎い・・・
いいの?
私・・
こんなとこにいて・・・
もうっ
なんでこんな、抱き締めたりするの?
あーもうっ
頭の中、ぐちゃぐちゃ
「・・・ 前に、あさひさんの下で働いてる人たちが、夏川さんって仕事を引き受けてくれるから助かるって言いながら定時に帰って行くのを見た事があって・・・」
「・・・・ そんなこと・・・言われてんだ?」
上を向いたら
絶対森島くんの顔が近くなると思って
あと・・・
悔しくて涙浮かんでるから
絶対、上は向かない、って
そのまま・・・
顔だけ横に向けた
「・・・ バカなこと、してる人がいるんだなぁ~って思ってた・・・」
・・・っ!? バカなことっ!?
思わず上を向きかけて
何とか留まった
・・でも、そっかぁ
私・・・ バカなことしてたのかぁ~
「じゃあ、そんなバカなことしてる上司の下につくことになって、呆れてたんだ?」
「うん」
・・・うん!?
「そんな、ハッキリ言う!?」
あっ・・
上、向いちゃった
「うん、だから、教えてあげないと、ってー」
ゆっくり?
いや・・ 早かった?
森島くんの顔がー
って思ってたらもう
塞がれてた
唇
何度か触れて
私が開くと
その隙に
入ってきて・・・
ゆっくりなのか
激しいのか
優しいのか
わかんないくらい
なぞって
絡めあって
離れると
「・・・・・ もっと・・・」
思わず声が
そう
漏れちゃって
「・・・ もっと・・?」
聞き返された声に
ハッと我に返ると
やだやだっ
私ったら
今、すっごい顔してたんじゃないっ?
恥ずかしいっ///////
「・・・ ごめんっ!」
慌てて離れようとした身体を
腰に回されていた手でぐっと抱き寄せられる
うわっ
すごい綺麗な顔がー
色気駄々漏れで
目の前に
ゆっくり近づいてきて
タイミングを合わせるように
お互い唇をひらくと
舌を絡めてなぞりあった
キスって・・・
こんなに気持ちよかったっけ・・
森島くんとのキス
すごい好き・・・