『引っ越し、手伝えなくてごめん。頑張って』

 

 

「えっ?松永からって、これだけ?」

 

「うん」

 

「やぁ~、ないわー。いくら忙しくてもこれだけって、ないわー。だから松永、フラれるのよ」

 

「いやまだ、フッたわけじゃー」

「でも振るんでしょ?」

 

「・・・ うん」

 

「あ~あ、松永に悪いことしちゃったな~・・ 私が余計なことしたばっかりに、アイツ、フラれることになっちゃって・・」

 

「ううん、茜は何も悪くないよ。むしろ、いい機会だったのかも。私も松永のこと、どこかでくすぶってたわけだし・・・ 今回のことがなかったら、こんな綺麗に吹っ切れる機会、もう訪れなかったと思う」

 

「そう?・・・ そう言ってもらえると、まだ救われるんだけど・・。松永には恨まれそうだなぁ~」

 

「そうかな?松永も案外、そんなことないかもよ?」

 

「そうなの?」

 

わかんないけど・・

 

 

 

日曜日

茜から連絡が来て、お昼、一緒に食べようって、ピザやらなにやら色々買ってきてくれた

どうやら、うずうずしていたらしい

彼はいいの?って聞いたら、彼とはこれからずぅーっと一緒だからいいの

と惚気られてしまった

 

 

「で?森島くんとは、いつからなの?」

 

「え?いつから、って、つきあってないよ?」

 

「それはわかってる。でもさ~・・ 昨日の雰囲気、妙にしっくりきてた、っていうか・・・森島くんがあさひの部署に応援に来てからの上司と部下には見えなかったのよね~」

 

「・・・・・ え?ほんと?」

 

 

なんか、嬉しくなる

上司と部下には見えなかった、っての・・

 

どんなふうに見えてたんだろう?

妙にしっくり、って・・

どんな??

 

 

「あさひ」

 

「ん?」

 

「めっちゃ期待してる顔」

 

「え?」

 

「私と森島くん、どんなふうに見えてたのぉーーーー!?・・って顔」

 

「っ///////////// うそ。やばっ//////」

 

 

そんな顔に出てたっ?

茜、エスパー??

 

 

「すごいなぁ~・・ 森島くん・・・ あさひをこんなにしちゃうなんて・・」

 

「何よ、それ・・。ってか、あんなイケメン、一緒にいて惚れない方が無理だと思うよ?」

 

「ほうほう。一緒にいたわけね?どれくらい?」

 

「えっ?あ、いや、一緒にいた、ってのは言葉のあやで・・」

 

「だから、森島くんと何があったのよ」

 

「・・・・・」

 

 

それは、話せば長いけど・・

でもなぁ~

それを話せば、森島くんのことを話すことにもなっちゃうし・・・

そういうの、嫌いっぽいしなぁ~

自分の話を勝手にされるの

 

 

「・・・ ごめん、詳しくは言えないんだけど、たまたま縁があって、森島くんといる機会が結構あって・・・まぁ?それで一緒にいるうちに?」

 

「何それ。端折りすぎでしょ。ぜんっぜんわかんない」

 

「ごめんね、茜。そうかもだけど・・・ キッカケとかはこれ以上言えなくて・・。」

 

「・・・ そっかぁ。でもさ?蒸し返すようで悪いけど、松永とだったら、もう結婚がすぐ目の前にある、って感じだったろうに・・・ 森島くんだと結婚どころか、ってことでしょう?いいの?ほんとに?」

 

うう~

いたいとこつくなぁ~

 

「それは私も、ほんと、悩んだんだけどさ・・・ でも、だからってこんなんで松永とつきあうなんて無理だし・・・」

 

「それっくらい、森島くんのことが好きなんだぁ~?」

 

「あーかーねー。もうっ///// からかわないでよ!!」

 

「じゃあ、あさひが森島くんのことを好きになったポイントを述べよ」

 

「ええーーーーっ、好きになったポイントぉーーー?」

 

 

うう~~ん・・

なんだろ?

 

「まさかイケメンだから、って言うんじゃないでしょ?」

 

「それもある」

 

「おい!素直だな」

 

「へへっ」

 

 

うう~ん・・・

 

「ポイント・・ ポイントかぁ~・・ そうだよね、確かに、色んなポイント見つけて、スタンプ押されるようにして・・ いつの間にかポイントカード、いっぱいになりましたよ~、みたいな?」

 

「・・・・ あんた、何、うまいこと言ってんのよ」

 

「あ、やっぱり?うまいこと言ってたわよね?今の」

 

「中身はさっぱりわかんないけどね。でもそれ、めっちゃわかるじゃないのよぉーー!だって、私もそうだったもーーん」

 

「あ、茜の話、聞きたい、聞きたい!!一目惚れから始まって?」

 

「そう。最初は一目惚れだったんだけどぉ~・・・」

 

 

 

私たちの恋バナは、延々と続いたので

茜の彼氏さんが迎えにくることになり

 

私は思いがけず、茜の彼氏さんにご挨拶をすることができた

 

さっきまで話を聞いていただけに

想像通りのその人柄に感動したりして

 

本物だぁ~って

声が出た

 

そして何より

彼氏さんに迎えにきてもらって、嬉しそうに幸せそうに彼氏さんを見つめる茜に

まるで別人か!?ってくらい驚かされた