快に新しい彼女とは・・・
おまけに、こんな席にその彼女同伴で来るとか
ないわ~
俺の知ってる快は、彼女なんて作るのめんどくさそうで
いつも俺らとつるんでたし
あのルックスだからモテるけど
はっきり言って、まわりには男しかいなかったイメージ
だから、木戸さんとつきあってるって聞いたときも
え?つきあってんの?
って感じで
ふたり一緒にいるところなんてほとんど見なかったし
嘘なんじゃ?と思ったくらい
それが、今度は何だ?あれ
快が彼女と自撮り?
おまけに、やたらと強調してくる『俺の彼女』
それはそれで
逆に嘘っぽいんだけど
「もー!何なの?森島のやつ・・」
「ほんとほんと、あんな森島くん、見たことないよね」
「彩芽とつきあってるときなんて、冷めてたよね?」
「がっかりぃ~」
・・・ ハハハ
おまえら、あんなに森島、森島って騒いでたのに
まぁそりゃそうなるか
あんなん見せられたらー
「ね、快とあの彼女って、長いの?」
こいつらが知ってるかどうかわからなかったけど聞いてみた
「知らなーい。今日初めて見たし」
「あ、でも彩芽たちは知ってるっぽかったよね?」
「うんうん、挨拶してたし」
「同じ会社、って言ってなかった?」
「へぇ~・・ 同じ会社なんだ?」
ふぅ~ん・・
「森島みたいなイケメンが会社にいたら、そりゃあ好きになるよね?」
「毎日会社行くの楽しみすぎるでしょ」
「森島と社内恋愛なんて、してみたぁーーい」
「いいなぁ~、どっちが告ったんだろう?」
「そんなの、彼女に決まってるでしょ」
「どうやって落としたのかな?森島のこと」
「それ、知りたい!!」
・・・ 確かに
オレも知りたいわ
「もういいじゃん?森島のことは。」
「え?いいの?まお、今日頑張るって言ってなかった?」
「は?言ってないし。それよりー、ね、ユヅルくん、そろそろドラマとかやらないの?」
あ、急にキタ(笑)
「んー、残念ながら、まだ」 苦笑い
ほんとは話、きてるけど、まだお前らには言えねーよ
ごめんね
「決まったら教えてよね?ユヅルくんが出るなら絶対観るから!」
「ありがと。・・・じゃ、映画も観てくれた?」
「映画?」
「あー、あれ、少女漫画原作の高校生のやつでしょう?あれはちょっとねー」
・・・ 見てないのかよ
俺が出るなら見るってのは?
「誰が出てたっけ?」
「ちょっと待って、今調べる・・ 」
そのレベル?
ーー キミとアオハル、見ました!主演の子より貴方の方がー
やっぱ、あの人、貴重な存在だな
もっと話、聞きたいな~・・
「あーー!〇〇くん出てるっ!ね、ユヅルくん、仲良くなってたりするの?」
「まぁ、それなりに・・」
あっ、快が彼女の横、離れた!
「オレ、ちょっとアッチ行くから。ごめんね、また!」
チャンス、チャンス、チャンス!!
そうだよな
快は男友達、優先だろ
それでこそ、快だ、つうの
「どうも、あさひちゃん。・・・ 飲んでる?」
ユヅルくんっ!?
びっくりした~~
ひとりで料理をつついてたら
いきなり背後から声をかけられて
振り向いたら芸能人
「あの・・ ユヅルくん、その・・ ちゃんづけで呼ばれるのはちょっと・・・」
さすがに、こっぱずかし過ぎて無理っ!!
「えー、でも・・ だったらなんて呼んだらいいの?苗字も知らないし」
「あ、夏川、夏川あさひって言います」
「うう~ん・・ やっぱあさひちゃん、じゃない?夏川さん、とか他人行儀だしー」
他人行儀って、他人でしょう?
「いやいや、ちゃんは無理です。夏川さんでいいですから」
「じゃあせめて、あさひさん、・・・は?だめ?」
なっ、なんですかっ?
その破壊力バリバリの、だめ?って・・・
ダメじゃないです!!!
「わかりました。じゃあ、それでお願いします」
「あと、その敬語、何なの?やめてほしいなぁ~」
「ええっ?や、無理ですよ、だって・・ 私、ほんと、ユヅルくんのファンみたいなもんだし」
「やめてくれなかったら、あさひちゃん、って呼ぶよ?」
「・・・・・・ わかった、やめる」
ちゃんづけは絶対、無理
でも、敬語やめるって・・・
「でも、気づいたら敬語出そう。それは許して。気持ちの問題なの」
ユヅルくんは、芸能人で、尊い存在だから
「オケ。・・ね、ふたりって、快の方があさひさんにベタ惚れ、って聞いたけど、ほんと?」
「はぁっ!?どっ、どこからそんな話がっ?」
何?、それ
どうしてそんな話になってるの?
え?
もしかしてここにいる人たち
みんな、そんな目で私たちのこと見てるの?
ひぃーーーーーー
「あれ?違うの?でも、見てたらそんな感じだよ?」
「見てたら?・・・ そんな感じ?」
・・・ もしかして・・・
これは森島くんの狙いなの?
「女の子たち、すっごいショック受けてたよ?」
なるほど
これね?
女避け
森島くんの狙い通りってわけね?
あ~
だからあんなこと・・・
全てはこうなるのを狙ったパフォーマンスだったと
納得した
今
「あ~・・ まぁ、そうなるのかな?そう見えたんだとしたら」
「すごいね。どうやって落としたの?」
「えっ?」
どうやって落としたの?
ってそんなの、わかんないわよっ
落としてないんだからっ
でもそんなこと言えないし
あーもうっ
どうしたらいいのよぉーー
森島くぅーーーーーん
・・・・って
男友達に呼ばれて行っちゃったんだった
っていうか、私が行っておいでよ、って言ったんだ
あ、見つけた
え~~~
なんか、めちゃめちゃ楽しそうに笑ってない?
あんな顔で笑うんだ!?
見たことない!!
「・・・ こんな快、見たことないって皆、言ってるよ?」
「・・・・ほんとに。・・・・見たことない、あんな顔。 ・・・・ 初めて見た。」
「え?」
「会社では、いつもクールなイメージだったから・・・」
「・・・ 会社では?」
ハッ!!!
違うっ
今、何て言われてたんだっけ?
会話、かみ合ってなかった?
「私たち、同じ会社に勤めてるの!森・・ 快は、いつもすっごいクールであんな風に同僚と笑って話してるところを目の当たりにすることなくて、あ、私たち、部署が違うもので。だからちょっと新鮮だった、っていうかー」
やばいやばいやばい・・・・?
「会社ではそうかもしれないけど普段は?・・・ つきあってるんだよね?普段の快は、いつもこんな感じだよ?」
「普段・・・ の快は・・」
普段って?
だって、私が森島くんと会うって言ったら
「あ~・・ いつもふたりだったから・・・ あ!でも、マスターとは穏やかな・・ 優しい雰囲気が流れてるかな?」
「マスター、って・・ え?あの店、行ったの?」
「快が学生の時バイトしてた店。裏メニューパスタが美味しくて・・」
「・・そっかぁ~、あの店、連れて行ってるのか~・・ってことは、本物かぁ~」
「本物?」
「なんか、あまりにも行動が快っぽくなかったから、もしかしてほんとはつきあってないんじゃないかなぁ~って疑ってた。ごめんね、あさひさん」
ビックーーーーーーッ!!!
ほんとはつきあってないんじゃないかなぁ~って疑ってた!?
今日最大のピンチが訪れてたってこと!?
「ってことは、マジで快の方がベタ惚れだったりする?」
まぬがれた?
切り抜けられた、ってこと?
「いやいや、そんなことはない!」
「じゃあ、あさひさんも快のこと、すごく好き?」
「え?」
ちょっと待った
これって・・・
なんて答えるのが正解なのか?って聞かれたら
すごく好き、なんだろうけど
でもそれ、言わなきゃならないの?
いやいや
無理無理・・・
じゃないでしょ
今日の私の役目は何!?
「もちろんっ!・・(にこっ)」
笑ってごまか・・・せる?
「でも、映画のことは内緒、なんでしょう?」
「あっ」
そうだった、そうだった
内緒にしてくれって私・・・
だってそれは無理でしょう!!
私の大事な憩いの時間
同僚だって知らないことなのにー
「ねぇあさひさん、これ、俺の連絡先。」
そういって、ユヅルくんの名刺?を渡された
ええーーーーっ
芸能人の連絡先!?
「連絡、して?」
「いやいや、そんな、私なんかが芸能人のユヅルくんにー」
「待ってるから、・・・・ 絶対。ね?じゃないとオレ、言っちゃうかもな~ 快に。あ、快の会社に行けば、あさひさんにも会えるのか・・」
え?
森島くんに言う?
会社に来るっ!?
「するっ!連絡するするっ!絶対するっ!!」
「・・・・ 待ってるね。じゃー」
行っちゃった
ふぅ~
疲れた
今日一、疲れたかも・・・
あ~でもこの会も
2時間って言ってたから
もうすぐ終わりよね?
森島くんは・・・?
あれ?
いない?
「・・ トイレかな?」