「あさひさぁ~ん、今日は来てくださって、ありがとうございますぅ~」
森島くんとふたり、挨拶にいくと
彩芽ちゃんはとっても綺麗な笑顔でそう言ってくれた
「快のこと、ちゃんと連れてきましたよ?ね?」
「ん?あ、あぁ・・」
ちょっとぉ~
何、ムスっとしてるのよ
お祝いの席よ?
あ・・
もしかして、実はひきずってるとか?
私には、かっこつけて、女避けだっただけ
とか言ったとか?
だから実際見るのは嫌だとか
「ありがとう、快!」
「快、来てくれてサンキューな?」
「そんなお礼言われるようなことじゃないから。」
「あ、ねぇ、写真撮る!?」
「そうだ!久しぶりに3人でー」
「あ、じゃあ私、撮りますよ?ほら、快、あっち行って?」
ここは、私の出番よね
「え?一緒にー」
「何言ってんのっ、ここはあなたたち3人で撮るとこでしょ、ほらほら!」
そこに入るべき資格がないのは
心得てるわよ
パシャ
「もう一枚!」
パシャ
「あさひさん、あとでその写真ー」
「わかってます!快に送っておきますから、もらってくださいね」
「オレかよっ」
「まぁまぁ、・・・・ほら、今、送った」
ピコンッー
「あ、あさひさん、快と撮りましょうか?」
ドキッ
「え?」「え?」
・・・ 森島くんと?
思わず見つめ合う
「・・・・」「・・・・」
いやいや・・・
ふたりで写真とかはー
でも記念?
撮ってもらっとく?
「・・・ じゃー」
スマホを差し出そうとしたその時
「彩芽~ 一緒に写真撮ろう~」
女の子たちがやってきた
そうよね
彩芽ちゃんたち
主役なんだもん
何、撮らせようとしてるのよ
「あっ!森島も一緒に撮ろう!?」
「それいい!!」
「ねっ、森島もこっち来てよ」
ふぅ~
やっぱ、モテるね~
そうよね
こんなにイケメンなんだもん
誰でも一緒に撮りたくなるよね
残しておきたい、って
そんなの、彼女なんかいてもいなくても変わらないよね
「・・・ 行ったら?」
隣にいる森島くんを見上げる
「なんで」
「呼ばれてる」
あの子たち、森島くんと写真撮りたがってるよ?
「悪いけど、オレ、写真、苦手だから」
森島くん、彼女たちのところに向かって
そう言い放った
苦手なんだ?
あ~・・ 確かにそんな感じ
よかった
さっき、撮るのお願いしなくて
「腹減った。あっち、行こ?」
行こ、って・・
森島くん、それ口癖なのかな?
さっきから・・・
なんか、可愛い
「・・・ 何笑ってんの?」
「え?笑ってた?」
「・・・ 気づいてないってヤバいでしょ」
「ヤバいって何がよ、ヤバくないでしょう?」
立食パーティ
料理が並べられているテーブルのところまで行くと
「あ、私、お皿、とってくる」
森島くんのも取って来よう
そう思って言ったのに
「オレもいく」
「え?」
あ~
よほどお腹、減ってるのね?
「あのっ、あのっ、ちょっといいですか?」
わっ!!
びっくりした~
急に話しかけられた
「・・・ 私?」
知らない人だけど
「ハイ、あの・・、よかったら一緒に写真ー」
写真・・?
「悪いな、三井。この人、俺の彼女」
うわっ
わわわっ!?
いきなり目の前、塞がれた
スーツしか見えない
「・・・ やっぱりな~ 森島の彼女じゃん。ほら、三井、俺らが言ったとおりだったろ?さっきから一緒にいるとこ見てたじゃん?」
「や、でも、もしかしたら違うかもしれないって思ったから・・・」
「残念だったな、三井。一目惚れの君、撃沈。さ、あっちで飲もうぜ」
ん?ん?ん?
スーツの背中から
声がする方に半歩 身を乗り出してみると
男の子たちが3人で、向こうへと歩いて行ってる
もしかして私・・・
写真撮ろうって誘われた?
一目惚れの君って
私のことだったりする?
今の話の流れ・・・
そしてそれをピシャリと遮るイケメン彼氏
ーー 悪いな、三井。この人、俺の彼女
ぼわっ//////
ちょっと待ってよ、もう~~
コイツ、なんなんっ!?
漫画みたいなシチュじゃないっ
これ、萌えキュンシーンでしょっ
今の
ヒロイン、真っ赤になるやつ!!
素でやってるのっ?
演技力、ほんとやばくない?
「・・・ あさひ」
「え?」
ぐいっー
急に振り向いたかと思ったら
腰、引き寄せられて
パシャッー
「・・え?」
森島くん・・・
スマホ出して
私とのショット
撮った?今・・・
え?自撮り?
「もう一枚、今度はちゃんとカメラの方見て」
え?
カメラ?
くるっー
パシャッ
「ちょ、ちょっと待って、何?今のー」
「写真、撮りたかったんだろ?」
ピコンッー
「送っといた」
送っといた、って・・
さっきの音
私は、バッグの中からスマホを出すと
送られてきた写真を確認する
1枚目は森島君と、その横で森島くんの方を見てびっくりしている私
2枚目は、ふたりでカメラの方見てる
後ろにはテーブルに並んだ料理の数々が
美味しそう・・
「・・・ 写真、苦手なんじゃなかったっけ?」
「苦手だけど?」
じゃあ、なんで?
「あー、腹減った。今度こそ、食べるぞ」
やだなぁ、もう!