ピンポーーン
ドアチャイムを鳴らすと
インターホン越しに楓の声が聞こえてきた
「・・・はい」
「あ、オレ」
「ちょっと待ってね、今、開ける」
ほどなくして、ガチャリとロックの外れる音がして
大きな扉が開いた
なんか
ドキドキするな
「いらっしゃい」
「・・・ども」
すぅ~~
はぁ~~
「・・・ 何してるの?」
「ん?・・・ 楓の家の匂い嗅いでる」
「はっ?なにそれっ、なんか恥ずかしいっ//// っていうか、キモイよ?拓海くん」
「そう?・・・ じゃあ、お邪魔します」
大きく深呼吸
でもしないと、落ち着かなくて
いったん、緊張、やわらげたくて
「どうぞどうぞ、もうー 誰もいないんだからそんな気、遣わないで」
ははは
それ、言ってから誰もいないの気づいて照れるの やめてくれる?
振り向いた耳から頬、赤くなってるの
可愛すぎるんだけど
ってか、普通に食卓、通された
ケーキ、もう皿にのせて出してある
楓の部屋じゃないんだ?
ちぇっ
ちょっと期待してたわ
まぁ
いっけど
「コーヒー、インスタントしかないけど」
「いいよ、なんでも」
ポットのお湯、注いでカップをふたつ
持ってくると
楓が俺の正面に座った
あ・・・
なんかこれ
意外と照れるな
うちでも、昨日、こう状況じゃなかった?
「ぷっー なんか可笑しいよねっ、昨日は拓海くんち、今日はあたしんちで
こうして食卓囲んで向き合ってるのって」
「そうだね、なんか笑えるよな」
同じこと考えてた
ははっ
なんか、嬉しくなる
「いいの?ご両親がいないときに、男、家にあげちゃって」
「・・・ っ?」
楓がケーキを頬張ったタイミングで言ったから
口の中、ケーキが入ってて
何も言えずにびっくり顔の楓
可愛い
「はいはい、わざと?ここ、・・・・クリームついてる」
楓の唇の端、親指で拭ったクリームを
そのまま俺の口のなか
ペロッ
「・・・・・/////////」
あ、俺のこと
ちょっとは意識した?
「拓海くんは、明海の弟だからっー」
「ぷっ・・ 今、こたえるの?それ。」
「だって・・ 拓海くんが男、なんて言い方するからー」
「男だよ?オレ。・・・ キスまでしたんだし」
「あーっ//// あれはっ、だってあれってほら、流れでっていうかー」
「好きじゃない子にはしない、ってオレ、言ったよね?」
「そうだけどっ!でもそれって拓海くん、まるで私のこと・・ハハハハハ・・なんてねっ」
「好きだよ」
もう、我慢できなかった
ここまできて、言わずにいられるほど、オレ
出来てない
こんな何度も
思わせぶりなこと、言ってきて
もう、無理でしょ
「ごめんね。けど・・ もう言わずには、いられなくなっちゃった」
フラれにきたつもりはない
ただ・・・
「楓だって・・・ わかってたでしょ?オレ、結構、サイン、出してたし」
目・・・
逸らさないで?
「そんな男を、楓は、家にあげちゃったんだよ?」
意識して?
そう
顔・・・ 真っ赤にして
可愛い
もっと困って?
オレが
今までずっと楓のこと想って苦悩してきたぶん
楓にも
俺のこと想って
少しは苦悩してほしいー
あー
テーブル、邪魔だな・・・
でも
これなかったら
オレきっと
楓のこと抱き締めてるわ
いや
それだけじゃ終われないな
あって正解
きっとこれが
今の俺と楓の距離
「・・・ な・・んで・・ なんで拓海くん、急にそんなこと・・ 昨日から変だよ」
「昨日から?オレ、ずっと前から楓のこと好きだよ」
「え?ずっと・・?だって私ー」
「コタローがいるって姉貴から聞いたときには、もう好きになっちゃってたんだよね」
「そんな・・・ 拓海くん、こんなにかっこいいのに!私なんかよりずっとお似合いの人いるでしょ?めちゃめちゃモテるでしょう?どうしてー」
「どうしてだろうね?ん~・・・ でもオレ、かなり好きなんだよね、楓のこと。簡単に諦められないくらい」
我ながら、すっごい不毛なことしてるってわかってるけど
しょうがないんだよね
こればっかりは・・・
「それでどう?・・・オレって、楓のナカ、入る隙間、少しもない?」
オレは、手をのばして
楓の頬に触れた
「・・・ るい・・ ずるいよ、拓海くん・・・」
手のひらで
包み込むようにして
「ん?・・・ ごめん。・・ 楓に触りたくて」
あー、やっぱりテーブル
邪魔だなぁ・・・
「・・・私には、コタローがいるのに・・・」
「・・・ん」
「明海の・・ 弟なのにぃ・・・」
「ねぇ楓・・ そっち、いっていい?」
抱き締めたい
楓のこと
この腕にー
ピンポーンー
「・・え?」
「えっ?」
誰か来た?
ピンポンピンポンピンポーーン・・・
「誰か・・ 来ることに?」
「ううん、誰も・・ でもこの鳴らし方・・・」
げっ
まさか・・・・
マジかよ
このタイミングで・・?