「どこ行こうか」

 

 

ハンドルに肘をついて頭をのせ

顔だけ楓の方をむくと

 

 

「・・・ 任せる」

 

 

うつむいたままでそうひと言

 

なんだよっ、これ

くっそ可愛いんだけどっ/////

 

 

「あのさ、さっき思ったんだけど・・・ 楓の連絡先、教えてもらってもいい?」

 

 

「うん、私も教えてほしいー」

 

 

やった!!

 

 

「あ、ごめん、スマホ・・・ 置いてきちゃった・・・ すぐだと思って」

 

 

がぁーーーーん

 

やっと聞けると思ったのに・・

 

 

「あ、じゃあ、電話番号覚えてる?」

 

「私の?自分のならわかる」

 

「言って。かけるから」

 

「080-×××・・・・」

 

「はい、鳴らした。これで帰ったらかけなおして」

 

「うん」

 

 

とりあえずは、OK

あとはそれからだな

 

 

 

どこ行く?

 

 

っていうか

俺の頭のなか、過るとこあるけど

 

そこはまぁ

 

無理だろうし

 

 

ここは大事にいかねーと・・・・

 

 

 

「じゃあ、適当に走っていい?」

 

 

「うん」

 

 

 

シートベルトを確認すると 俺は車を走らせた

 

 

まぁ定番だけど・・・

 

あそこ、行っとくか

 

 

 

 

 

 

「え?山?」

 

 

 

さっきからクネクネぐるぐると、車が登って行ってるのを感じ取って

楓が呟いた

 

 

 

「うん、この先・・ 来たことあるでしょ?」

 

 

もうすぐ

 

 

「え?ないよ、こんな山の上とかー」

 

 

カーブを登り終えると

今度は若干下り気味のところで

車を停める

 

こうすると、フロントガラスから見下ろすようにして広がって見える街の夜景がもう、絶景

ここらでは、定番のデートスポット

 

今だって、車が既に何台か

ほどよい間隔をあけて、停まってる

 

 

 

「うわぁ~・・・ 綺麗!!すごいっ」

 

 

なに?その感動っぷり・・・

 

「え?もしかして、初めて?」

 

「うんっ、来たことないよ!私、免許は持ってるけど、車持ってないから、運転しないし、もはやペーパードライバーだもん」

 

「いや、自分でっていうより・・・ 誰かに連れてきてもらうとか・・・」

 

 

あえて、彼氏の名前は言わない

 

 

「・・・・ あ~・・・」

 

 

やばっ

コタローのこと、思い出させてしまったwwww

墓穴

 

 

「ないよ?誰にも」

 

「えっ?マジっ?」

 

「マジ」

 

 

 

うそだろー

コタローのやつ

・・って会ったこともないけど、奴呼ばわり、すんません

 

ここがデートスポットなのは、綺麗な夜景が見えて、周りに何もないっていう・・・

いわば、絶好のやり場としても有名で

 

ここに停まってる車もおそらくは今頃・・・・

 

 

 

マジかよ

どんだけ大事にしてんだよ

 

 

「すごい・・・ 地元にこんな素敵なとこ、あったんだねぇ~」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

ハァ~・・

俺はハンドルに突っ伏すと

大きく溜息を吐いた

 

ちょっと反省・・・

 

 

 

 

「ねぇ、ちょっと外に出てみてもいい?」

 

「は?」

 

ガチャー

 

オレが答える前にドアを開ける音がして

 

「わぁーーーっ!!おいっ、待った待った!!それダメっ!」

 

咄嗟に身体を伸ばして、助手席のドアを閉めた

ふぅ~

シートベルト外しててよかった~

 

 

あ・・・

 

これ・・・

 

 

必然的に、楓に覆いかぶさるような恰好になっちゃってる

 

 

驚いた顔をした楓の瞳が 大きく見開かれ

すぐにキョロキョロと動いた

 

初めての至近距離に戸惑ってる?

 

のは、オレか

 

 

あ~でも

 

もう無理だ

 

楓も意識・・ してくれてる?とか?

 

なんて頭で考えるより

 

本能が近づきたがってる

 

 

視線を唇に向けたの

 

気づいた?

 

俺も、気づいた

 

 

そしたらもう

 

 

 

自然と

 

 

 

 

 

口づけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

触れる

 

 

 

そっと・・

 

 

啄む

 

 

もっと・・

 

 

舐める

 

 

こじあける・・

 

 

 

漏れる吐息が

 

 

想像していた以上に キて

 

 

 

 

滑り込ませる

 

 

 

 

 

ーー オレに・・ ついてきて・・?

 

 

絡めとる

 

 

・・・ とられる

 

 

 

伝わった・・?

 

 

もっと・・

 

絡ませようか・・

 

 

そう・・

 

いっしょに・・

 

 

 

 

 

楓の手が

 

俺の肩にのせられたのを感じると

 

 

 

スイッチ入っちゃってー

 

 

 

 

オレは

楓の身体に自分の身体をのせていく

 

 

 

あー・・

 

やわ・・

 

 

 

「・・んっ・・ 待っー・・ 拓海くんっー」

 

 

ぐいっー

 

唇が離れ、身体を押しのけられた

 

 

 

やばっー

調子のったー

 

「ごめっ、オレー」

 

「トイレ・・・」

 

「え・・」

 

「トイレ、行きたくなってしまった・・ どうしよ・・・」

 

「あ、うん、わかった。急いで下りるわ」

 

 

 

体勢を立て直し

お互いシートベルトをしっかり締めると

 

急いでサイドブレーキを外す

 

 

・・・ トイレ?

 

 

下りたとこに確かコンビニあったよな

 

 

「コンビニでいい?」

 

「うん、ごめんね」

 

 

 

・・・ ごめんね?

 

それは、何に?

 

 

 

 

「ね、なんで外に出たらダメだったの?」

 

 

 

下りながら、思い出したように楓が聞いてきた

 

 

あーそれ・・・

 

 

「あそこ、車から降りないのが、暗黙のルールっていうか・・・」

 

 

「そうなんだ?あれだけ街の夜景がきれいだったら、星も綺麗かなぁ~って見てみたかったんだけどな~」

 

 

あー、星・・

 

「確かに。綺麗かも」

 

「でしょ?・・・この車がオープンカーだったら見れたのにね!?」

 

 

オープンカー!?

 

さすがにオープンカーであそこ行くやつ、見たことないけど・・・

 

 

「悪かったな、オープンカーじゃなくて」

 

「ビヨーーンってこれ、開いていくやつでもいいよ?」

 

「同じだろ」

 

「ふふ」

 

 

楽しそう?

 

さっきのこと・・・

どう思ってる?

 

 

「今度、オープンカー、レンタルして行く?」

 

「ほんとにっ!?」

 

 

周りにびっくりされそうだけど

 

それもまた、面白そうだし

 

なにより

 

こんな嬉しそうにされたら

 

 

「星の見れそうな晴れた日に」

 

「うん、いいね!天気予報、チェックね?」

 

 

頑張ってみたくなる

 

 

 

「あー、あったあった、コンビニ!!」

 

 

「そんな漏れそうだった?」

 

 

「言い方!! ・・出る前にコーヒー飲んでたの!」

 

 

 

車が駐車場に停まるや否や

ドアを開け、飛び出していく楓

 

 

 

 

確かに・・・

 

さっき、コーヒーの味したわ