私は急いでいた
来た道をそのまま帰る
あの店を選んだのは、事務所から近くて使いやすかったから
 
チャンスは突然やってきた
所長のみならず、いつも熱心に勉強も兼ねて遅くまで残っているパラリーガルたちが
今夜は他事務所のパラリーガルとの交流会で、私が出るよりも早く、事務所を出たのだ
 
つまり、今、おそらく事務所には、あの人だけが残っているはず
しかしそれもあとわずかで、そろそろ戸締まりをして帰ってしまう時間になる
 
急げ!
急げ、わたし!!
 
 
 
チン!
 
いまだかつて、こんなにエレベーターの速度が遅いと感じたことがあっただろうか!?
 
 
エレベーターをおり
フロアを走る!
 
事務所の前
 
 
 
 
ドアを出て、鍵を閉めようとしている人影を発見!!
 
 
 
 
 
「神田?おまえ、帰ったんじゃなかったのか?なんだ?忘れ物か?」
 
 
間に合った!!!!
 
 
「お疲れ様です!、、、ハァ、ハァ、」
 
 
 
やった!
神様、ありがとうございます!!
 
ハァ、ハァ、
 
 
でも慣れないダッシュは
エレベーターに乗ってる時間くらいでは
私の息を鎮めてくれなかった
 
つまり、あんなに長く感じたエレベーター
 
速かった、てこと
笑える
 
 
「どうした?そんなに息を切らして。よほどの忘れ物か?」
 
 
ええ
よほどの、です
 
 
 
「桐生さん!わたしと、セックスしてください!」