「お邪魔しまぁ~っす・・・」
「どうぞ。」
翔琉に続いて中に入ると、次々灯りで照らし出されていく部屋の中の
広さと綺麗さに驚いた
「ええーー、これ、リビング、何畳?広いっ!」
「んな、びっくりするほどじゃなねーよ」
「いやいや、びっくりするほどだって!絶対あたしん家にしなくて正解だった!よかった~翔琉ん家にして」
これくらい広いとちょっと安心するかも
心のどこかで緊張していた密室感がなくて
しかも綺麗だしっ
ほぉ~~んっと、あたしん家にしなくてよかったぁ~
「冷蔵庫もでかいっ!!・・・ ちょっと買いすぎちゃったかも~って思ってたけど、これなら冷やしておけるね。あけてもいい?」
「あー、じゃあ、適当に入れといて。オレ、グラスとか皿、出すから」
マジ、いい!
この部屋!
おしゃれ!!
・・・っていうか、改めて感じる
このハイスペックスーパーイケメン
ほんとに彼女いないの?
事故物件扱いされて当然じゃん
どこかに女の影、見えたりして・・・・
「なにきょろきょろしてんの?あ、トイレ?あっち。さっき通ってきたとこの玄関側の扉」
別にトイレじゃなかったんだけど
せっかくだし
「ありがと」
いっとくか!
やぁ~ん
ここ、リビングに通じるとこにまずドアがあって
しかもトイレがちょっと離れてるから
音とか気にしなくてよさそうで、ほんと素敵!!
安心してトイレいけるぅ~~
トイレから戻ると
ソファの前のローテーブルの上に
お酒が瓶、缶、何本か並んでいて
グラスも置いてあったり
皿の上には適当にさっき買ったおつまみになりそうな食べ物がのせてあった
私は、既に座っている翔琉の向かい側に座ると
飲み物をひとつとって、プルタブをあけた
何だか、至れり尽くせり
悪かったかな、翔琉ん家にして・・・
でも、この環境には勝てない!!
「ねね、ここ、家賃いくらなの?すっごく高そうだけど・・ 」
だって、うちがあれで5万だよ?
それでギリギリ・・・
まぁ、営業成績トップの翔琉だったらもう少し高くてもいけるとは思うけど・・・
「・・・ ナイショ」
「ええーー、なに、それ!内緒って・・え?え?なに?まさかほんとに事故物件?」
「・・・・・」
え?なに?
翔琉、瓶入りのお酒、蓋をくるくる回してあけると
ひとくち、口に含んで、にやっと笑った
「え・・・ マジで・・?」
ぞぞぞーーーっ
鳥肌が立つ
「私、そういうの、マジダメなんだって!帰るっ」
「うそうそ!冗談だって!」
立ち上がりかけた私に、にょきっと向こうから手が伸びてきて、制される
「・・・・・・・・」
はぁ~・・・
何だか、悔しくなって自然と唇を噛みしめてた
「まぁ、いわくつきではあるけど。」
「ええっ?」
「元々、知り合いの家で、今、その人が海外に行ってる間、オレが格安で住まわせてもらってるって話」
「へぇ~~・・・ いいなぁ~、ラッキーだったね!!」
「・・だろ」
あ、その、ドヤ顔、割と好き
・・って、好き、って何よっ
何思ってんの?私っ//////
「あっ・・・」
焦って見回した視線の先に
昔、観たいと思っていた映画のDVDが見えた
「うそっ、これ、観たいと思ってたやつ!!」
思わず近寄って手にとると、そのDVDを翔琉にかざして見せる
「・・・・ 観る?」
「観たいっ!」
私がそう言うと、しょうがないなぁ~といった感じの息を吐きながらも
ソファから降りてきてくれた
あれ?
でもこれ・・・
もしかして、翔琉とふたり、ソファに並んで観ることになってしまう?
え?
ちょっとドキドキしてきた
無邪気に観たいなんて言った自分が浅はかすぎて呆れてくる
「やっぱ、やめる・・」
私は、DVDをデッキに入れようとしていた翔琉の背中に言った
「は?」
翔琉がDVDを手に持ったまま、振り返る
「それ、貸してよ?帰りに持って帰って家でゆっくり見ていい?翔琉は観たやつだもんね?今度会社に持ってきて返すから!」
なんか私、必死??
「・・・ そう?別にいいけど」
そう言うと、そのままディスクをパッケージにしまって
ハイ、と渡してくれた
「・・・ ありがと」
変だな・・
なんか
変だな