「何やってんの?」
瀬名を見つけ、最初に私の口から出た言葉がこれ
すると瀬名は、スマホをしまい
私の顔をじっと見つめると
(思わずドキッとしちゃったけど)
「トイレ貸して」
そういって、私をすり抜け中へと
「は?」
思わず振り返って瀬名を追う
なんでなんで?
「ちょっと瀬名っ、トイレって、すぐそこ、コンビニあったでしょっ!!」
「無理。もう漏れる。どこ?・・・ こっちか?」
「もう漏れるって、そんな・・・」
私の声なんて無視して、トイレのドアを開けて入ってしまった
どういうこと?
なんでこんな時間に瀬名がうちに来るわけ?
トイレから出てきた瀬名に
何て言おうか考える私
でも、実はドキドキしてしまっている
何度かの飲み会のあと、送ってもらったことはあるけど
瀬名を家の中へと入れたことはない
なのに?
どうしてこんな突然やってきて
トイレ貸して、ですって?
なんだそりゃ
なんて考えがものの数秒で脳内を駆け巡った
瀬名がトイレから出てきた
目の前の私に一瞬驚いた顔をして
「びびった~・・ 」
なんて言ってる
びびったのはこっちだよ
なんて言いたいくらいだ
「で?どういうことなんですか?」
「まぁまぁ、こんなところで立ち話もなんだ?中に入っていいだろ?」
瀬名はリビングへとつながる狭い廊下を歩いていこうとするので
後ろからジャケットを引っ張ってやった
「何言ってんのよ、トイレ終わったんだから、帰ってよ」
私のそのセリフに、瀬名は振り返ると
「あ、メガネだ。懐かしい」
なんて言って見せるもんだから
途端に今の自分の状態を思い出した
そうだ、私、今ー
「ちょっ、見ないでよ!すっぴんなんだからっー」
思わず顔を覆い隠す
「なんでー?全然変わんないじゃん」
そんな、私の顔を覆う手を、瀬名が振りほどこうと触れてきた
「は?変わんないってあんた、失礼でしょっー」
やめてよ、やめてよ
何よ、これ
まるでじゃれてるみたいじゃないのっ//////
「高校の頃はずっとメガネだったよな。それを卒業前に急にコンタクトにしてきちゃって・・」
「何を突然言い出してんのっ?」
そんな昔話なんて
恥ずかしいぃーー//////
「瀬名だって、入学したときはメガネだったのに、コンタクトにしてたじゃん!試験前になるとメガネに戻ってたけど」
黒ぶちメガネ
あれ、かっこよかったもん
「俺はサッカーやるとき邪魔だから、コンタクトにしたんだよ。試験前は勉強しすぎで寝不足なって、面倒だからそのままメガネだった、つーの」
「あー、一夜漬けだったもんね」
「その一夜漬けの俺より点数低かったの、誰でしたっけ?」
「ひど。英語はわたしのほうがよかったもん」
「だったっけ?」
「あー、都合の悪いこと、忘れてる!そういうとこ、直した方がいいよ、って」
あれ?
何してるんだ?私たち
「オレ、おまえのメガネ、好きだったのに」
・・・ は?
「メガネ、ね?あー、はいはい」
仮にも、告った相手にそんなこと言いますか?
それ、当時言われてたら、もっと傷ついてたわ
今だから受け流せますけど?
あー、私も大人になりました
「・・ 山田と何を話してたんだ?」
「え?」
急に真顔になられても・・・
思わず顔を背ける
「ってか、この前、山田と帰ったとき、お持ち帰りされたのか?」
「はぁ?」
背けたのにまた瀬名の方を向いてしまって
こんな狭い廊下で向き合って・・・
「そんなの、瀬名には関係ないでしょ。なによ、気になるとか?」
喧嘩腰になってしまった
だって、今、私の心臓バクバクなんだもん
気づかれたくないし
なのに、瀬名ってば
すごい困った顔をして
「・・・ そうだよ、気になる。」
って言ったかと思うと
ぐいっと私の前にくっついてきてからの~
壁ドン!!
とばかりに私を挟んで壁に手をついてきた
背中には壁
前には瀬名
しかも触れてる
押しつぶされそうなくらいにー
もう
めちゃくちゃ顔が近い
あ、アルコールの匂い
「お酒くさ・・」
「さっきまで、お客さんと飲んでて・・・ 」
なんて、私の言葉にいちいち律義に返事をする瀬名が
急に可愛く思えてきてしまった
やばい
なんか、身体の中から
やばいモードでてきた・・・
「気づいたら、ここ、来てて・・・」
瀬名の顔が目の前にきた
ふいっと顔を背ける
すると、瀬名がそっちに顔をもってきて
また目の前に瀬名の顔
「・・ だから、なんでうちに来てるのよ・・」
今度は反対側に顔を背ける
すると
瀬名に、顎、掴まれたー
「だから、気になるって言ってんじゃんー」
「んっー」
くち、塞がれたっ//////
ぐいっー
私は瀬名を突き放し
「何してんのっ、こんなの、ダメだってー」
なんて抵抗してみるも
身体ごと塞がれた感じになっちゃってるから
逃げることもできなくて
むしろ、もがけばもがくほど身体が触れてきて
「・・ 無理だよ、もう・・。 オレ・・ おまえに触れたくてたまんないもん・・」
二度目のキス
それは・・
ついばむように優しくて
ちゅっ
ちゅっ
ちゅっ、ちゅっ
何度か繰り返されるうち
身体中の力が抜けてきて・・・
私は
自ら口を開けて、瀬名の舌を受け入れてしまった
もう・・
絡み合うような口づけを交わす頃には
私は必死で瀬名に、
しがみついていた