カラオケで

 

 

飲み物の注文とかしやすいように

皆とは間をあけて、ソファの端っこに座ってると

 

瀬名がその空いてた隣に座ってきた

 

ドサッ

 

 

狭いから肩が触れる

 

 

ふんっ

彼女もちめ、こっちはね

もう、あんたなんかにはドキドキしないんですよぉ~~っだ

 

 

「おまえ、世話ばっかやいてないで曲入れろよ?」

 

「いいの、私、聞いてるの好きだし」

 

「あ~、おまえ、音痴だっけ?」

 

「失礼だなぁー!そういう瀬名は?まだ歌ってないじゃん」

 

「一緒に歌う?」

 

 

ドキッ

 

うわぁー

やめてよ、ほんっと

 

 

「歌いません」

 

 

「なんか、山田のやつ、来てからずっとモテモテだな」

 

「大変身だし、しょうがないよ。まぁ痩せたらイケメンって高校の時から言われてたもんね」

 

「そんなこと言われてたのか?知らなかった~」

 

 

女子しか言ってないし

 

 

「はぁ~・・ 来週から三浦先輩について回んなきゃいけないから、憂鬱・・」

 

 

は?

なに、いきなり愚痴りだしてんの?

 

 

「はいはい、しょうがないでしょう?仕事だし。ってか、三浦さんって怖いの?」

 

「あの人、どこでも飛び込ませるんだよー。特に俺にきついの。え?ここ、行くんっすか?てとこ行かせるんだよな~」

 

「ハハハ。可愛がられてるんだよ、それ。瀬名、高校のときもサッカー部の先輩たちにめちゃくちゃ可愛がられてたじゃん。」

 

「え?オレ、可愛がられてたの?」

 

「愛のムチだったんでしょー、あれは絶対」

 

「やば。気づかんかったわ」

 

「うわ~ 先輩たちかわいそう~」

 

「だからか?今でもたまに連絡きて、飲みに連れてってくれる」

 

「ほら~。瀬名は愛されキャラなんだよ。頑張れ!」

 

ぽんぽん、って背中を叩いた

 

 

 

これくらいのスキンシップは許されるよね?

 

 

 

「ゆみー!飲み物、注文していいー?」

 

 

一番向こうの席の方から声が飛んできた

 

「あ、うん、いいよ、何?なに?」

 

「あ、オレもー」

 

 

つられて何人か飲み物の名前を口々に言いだすもんだから

私はバックから小さいメモ帳を取り出し

書き込んでいく

 

 

「・・・ すげー。相変わらずのドラえもん」

 

横でぼそっと瀬名が呟いた

 

「うるさい!用意周到と言って」

 

 

それより、それ、何とかしてほしいんですけど?

 

さっきから、あんたの足が・・・

膝、ときどき私の足に当たってるんですが!!

 

 

なんて言いたいのをこらえてしまう自分がいる

 

 

あー、ほんっとやだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆に頼まれた飲み物を注文してから、気分転換をかねて部屋を出た

 

あのあと瀬名の隣に戻るのが何だか嫌だった

ほんっとにあいつ、いったいどういうつもりなんだろう?

 

・・・って別に普通なのか?

私が意識しすぎなのか

 

かも・・・

 

とにかく、一度頭を冷やそう

 

 

 

 

「あれ?山田?・・・・ 大丈夫?」

 

 

 

ホールで休んでいる山田に気がついて駆け寄った

 

 

「あー、白石。ごめん、ちょっと飲みすぎた」

 

「って、飲まされたんでしょう?まったく・・・ いい大人なんだから気をつけないと~」

 

「だよね、ハハ」

 

 

山田の口のまわりが濡れている

私はバッグからタオルハンカチを取り出すと

 

「これ、よかったら使って」

 

山田の口にあてる

 

「えっ?悪いよっ・・」

 

「いいから。ほら。」

 

「あ~・・触り心地よくって気持ちいぃ~」

 

 

私のタオルハンカチにすりすり頬ずりしている山田・・・

コイツ、ほんっと可愛いなぁ~

 

 

「ねぇ山田、このまま・・ 帰っちゃおうか」

 

「え?・・・・ 俺はいいけど、白石、幹事だろう?」

 

「いいのいいの、会計は最初に済ませちゃってるし、もし足りない分出たら、残ってる人たちで何とかしてもらおうよ」

 

「・・・いいの?」

 

「うん、なんか・・・ あそこ、戻りたくないんだよね」

 

 

戻るとまた気持ちが整理つかなくなっちゃいそうで

 

 

「そっか。・・・ じゃあ帰ろう!」

 

「うん。」

 

 

 

ふたりでタクシーを拾うとかおりんにラインをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい、皆さん!ゆみが山田をお持ち帰りしましたぁ~~」

 

「「ええーーーーっ!!?ちょっとぉーー!!」」

「えっ?うそっ、かおり、どういうことっ?」

 

「山田が飲みすぎて気持ち悪いらしいから、一緒に帰る、って連絡きた。あとよろしく、って。」

 

「なんでゆみがお持ち帰りするのよぉ~~~」

 

「まぁまぁ、ゆみも彼氏いないんだからいいじゃないの」

 

 

「は?何言ってんだよ、あいつ、彼氏いるだろ」

 

 

「え~?瀬名、何言ってんの?ゆみ、彼氏いないって言ってたわよ?」

 

 

「いつ?」

 

 

「今日。どうかした?」

 

 

「いや・・・。」

 

 

 

「もう~ ゆみってば、意外と肉食系だったのね」

 

「いいじゃんいいじゃん。山田もまんざらじゃあなかったんじゃない?一緒に帰るってことは」

 

「いーや、ゆみのことだから、マジで普通に送ってくだけのような気もする」

 

「あるあるぅ~~~」

 

「あ~あ、私も山田、狙ってたのになぁ~」

 

「残念でしたぁ~」

 

「ね、またやろうよ、せっかく集まったんだからさ」

 

「そうだね、やろうやろう!」

 

「そういうことだから、瀬名!また次もよろしく!」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「瀬名?ねぇ、聞いてる?」

 

 

「えっ?あ、悪い、何て?」

 

 

「www。 せっかく集まったんだから、これを機に、今後もまたやろうって話」

 

「お、おぅ、いいかもな」

 

「ね?だからまた、よろしくね!」

 

「俺に言うなよ」

 

「なんで?瀬名とゆみが幹事だったんだからまたしてくれたらいいでしょう?」

 

「そうそう、同じ会社にいるんだったら話も早いだろうし、ねー?」

 

「・・・・ あ~、はいはい。ゆみに言っとくわ」

 

「じゃあ、よろしくね~」

 

 

「今日の後日談も聞かないといけないしね」

 

「ほんとほんと、どうだろう?あのふたり」

 

 

 

さあなっ