「おはようございます、チャンミン様」

 

 

月曜日の朝の挨拶

チャンミン様が出社されるまで

いつも以上に緊張していた

それはなぜか

 

 

「おはよう、三木。週末はすみませんでした。おまえがキュリを送ってくれたんだって?」

 

 

やばい・・・

遂に来た

解雇通告だ

 

 

「・・・ はい」

 

 

 

おそるおそる返事をする

 

 

 

「ありがとう!いやー、すみませんでした。ボク、急に思い立って出かけてしまって・・・」

 

 

 

・・ ありがとう?

 

 

 

「あの・・」

「キュリから昨日電話が来て、おまえに感謝してるって」

 

 

・・・ 感謝?

 

 

「キュリ・・ 様が私に感謝してる、と?」

 

 

「うん、そうだけど?・・・ どうかした?あ、電話してほしいって言ってたな」

 

「電話・・ 私がキュリ様に、ですか?」

 

「うん、よろしくね。」

 

 

 

電話してほしい?

だったら自分からしてくればいいだろーが

あー、くそっ

手がかかる

これだからお嬢さんってのはー

 

 

「いま、しないの?」

 

「はい?」

 

「いや、キュリに。電話」

 

すれば?

とばかりに俺の方を見ているチャンミン様

 

 

「いや、あとで・・」

 

「あー、僕のことだったら気にしなくていいですよ。」

 

 

そういってデスクに座るやいなや、ノートパソコンを開いて立ち上げている

 

その、早速仕事モードに入ったチャンミン様を確認すると

 

 

「では、失礼してー」

 

携帯を取り出し、専務室を出た

 

 

 

短いコール音で、相手は電話に出た

 

 

「はい。」

 

「もしもし?三木ですけど」

 

「ええ、わかってるわよ」

 

 

なんだよ

電話しろって言ったのはそっちだろう?

 

 

「・・・ チャンミン様に言われなかったんですか?」

 

「何を?」

 

「何を?って・・・。 俺で・・ よかったんですか?」

 

 

 

まさか、初めてだったとは・・・

チャンミン様から聞いた話によればてっきり・・・経験済みだとばかり

 

 

「よかったもなにも、今更どうすることもできないでしょう?」

 

「・・・・ ですね」

 

 

あーあ

あの時は可愛かったのに

 

 

「あなたこそっ!!・・・ ずいぶん、慣れた様子だったけど・・・ その・・・モゴモゴ・・じゃなかった?」

 

 

「はい?聞こえませんけど?なんですか?」

 

 

「私っ、変じゃなかったっ!?って聞いたのっ!!」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

電話越しでもその姿が目に浮かんできて・・・

可愛く思える・・・

 

 

のは、抱いたせいか?

 

 

「全然?」

 

 

最高・・ でしたよ

 

そう、耳元で囁いてやりたいくらいだ

 

どう反応するだろう?

なんて興味本位で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう終わったと思っていたのに

私のパソコンに、社内メールが届いた

ミン専務からの

 

 

 

ーー チャンミンです。今日のランチの予定は?

 

 

 

唐突だなぁ~・・・

 

ないって言ったら、どこか連れていってくれるとでも?

いやいや、だとしても目立ちますから

ミン専務となんて

 

 

 

ーー 社食です

 

 

正直に返信する

 

っていうか、終わりだって言いましたよね?

何?こんな、普通にメールしてきちゃって

 

返す私も私だけど

 

だって・・・

返さなかったらここまでくるんじゃないかと思って

 

 

 

 

ーー 終わったら、専務室にきてください。

 

 

 

「はぁ?」

 

 

 

思わず声を出してしまい、ハッとなってまた、周りに軽くお辞儀をしつつ

 

 

ーー どうしてですか?

 

 

カタカタ、キーボードを打つ

 

 

ーー 話があります。それでは、待ってますので。

 

 

 

これ・・・

 

私の返事なんて聞かないタイプのやつだ

 

 

しょうがないなぁ

なんて思いつつ

 

実は心躍る私であった、まる、とでも言いたくなるのが悔しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休憩

急いで昼食を終えて、専務室をノックすると

 

ドアをあけてくれたのはなんと、ミン専務本人で

 

 

 

「どうぞ」

 

にっこり笑って私を招き入れてくれた

 

 

 

「あの・・ 三木・・さんは?」

 

 

きょろきょろ見渡すけど

その姿は見つからず

 

 

「外でランチをしてくるようです」

 

 

へぇ~

ミン専務と別行動、するんだ!?

 

あ、そういえばこの前社食にミン専務が現れた時もおひとりだった

 

 

この前と同じく、専務室でふかふかのソファに座らされる

 

ただこの前と違うのは

斜め横のソファにミン専務が座って

正面からその顔を見ずに済むってこと

 

 

・・・ 長い脚

 

 

 

 

 

「あれから考えてみました。」

 

 

と、突然ですねっ!?

 

 

「はい?」

 

「あのとき、ドキドキ・・したような気がしましたけど、あれ以来、ないし、もはや気のせいだったんじゃないかとすら思えてきました。」

 

 

はぁぁぁぁぁ~~?

 

「気のせいって・・ だってあのとき、ちゃんとドキドキしてたじゃないですかっ!!」

 

 

私に、心臓の音まで聞かせてー

 

 

 

 

 

「延長をお願いします。」

 

 

 

・・・・・ はい?

 

 

 

「延長?なんの?」

 

 

「片思いのです」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

片思いの延長って・・・

そんなもの延長したって不毛でしかないんですけど!

 

 

「延長して何になるんです?」

 

 

私が聞くと

 

 

ミン専務

ずいっと身を乗り出してくるから

サッと身を引いてしまった

 

近すぎて

 

 

「まだわかりません。」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

身を乗り出して言うことがそれ??

 

 

 

「でも・・・」

 

 

 

 

 

でも、何?

 

私はミン専務の言葉の続きを待った

 

 

なんて言ってくれるんだろう?

 

私は、なんて言って欲しいんだろう?

 

 

 

 

「あれでは終われません!」

 

 

 

・・・ は?

 

 

 

「終われないって・・・」

 

 

「だから、延長をお願いします。」

 

 

「そんなこと言われても・・・」

 

 

 

断れ

 

 

断れ、私

 

 

これ以上はまずいって信号出てるよ?

 

 

 

 

「いいですよねっ!?」

 

 

 

さらに前のめり気味になったミン専務に

眼光鋭く言われてしまった私はー

 

 

 

「・・・ はい」

 

 

 

 

うなずくしかなかった

 

 

 

・・よね?

 

 

心の中で自分に言い訳してる

 

 

 

 

「じゃあ、早速ですが、携帯、出してください」

 

 

「え?」

 

 

「連絡先、交換しましょう」

 

 

 

うそっ

 

ミン専務から!?

 

 

やばい

 

いきなりこれはやばい

 

 

 

ぬ、け、だ、せ、ない~

 

 

何の曲だっけ?(←言わずもがな)

 

 

 

 

頭の中を

 

 

 

ぐるぐるぐるぐる・・・・・・

 

 

 

(さぁ、みんな、続けて~ お、ぼ、れ、て、くぅ~♪)