「ミヌっ!ミヌっ、どこだっ?」
バタバタと足音が聞こえ、テジュンがやってきた
「テジュン、ミヌを呼べ。これから着替えてユリンと街へ出掛ける」
「ミヌですか?オレではなく?」
納得がいかない、という顔だな
「おまえは宮殿に残り、仕事をしておいてほしい。ドンハの対応もあるしな」
「・・・・・・・・・・」
「なんだ?不服か?」
「いいえ。わかりました。では、ミヌを捜してまいります」
「・・・ テジュン」
私は、背を向け、ミヌを捜しに行こうとしたテジュンを呼び
もう一度振り向かせた
「・・・ なんですか?」
明らかに不服そうな顔のテジュンを
「私が最も信頼をしているのは、おまえだ」
「・・・!!!!・・ そんなの、言われなくてもわかってますって/////」
笑顔にするのも、主君の務め
「よろしく頼む」
「ハッ!」
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ったく、皇子ときたら、やっぱりオレがいないとダメだよな~
しっかし・・・ ほんとにアイツがいいのか?
ユリン妃はどうするってんだ??
「あ!テジュンっ!!」
はぁ~・・
アイツだ・・・
なんだ?その恰好は・・ あぁ、皇子と街へ行くんだったな・・
「見て見て!!ダリに着替えを用意してもらったんだけど・・ 変じゃない?」
「よぉ~~っくお似合いですよ。どこからどう見ても平民の娘にしか見えません」
おまえだからな
それに比べて皇子なんか、何を着ても隠し切れないオーラが半端ねぇ
護衛するやつは、気が気じゃないんだよな
今回はミヌだけど・・・
「・・・ 何か怒ってるの?テジュン・・ 機嫌悪そう」
「だまれ!今、ミヌを呼びに行くところだ」
「私ならここに。」
ぎょっ!!
ミヌっ?
いつの間にー
「さっき、そこで会って、これから皇子と街に行くのって言ったらお供してくれるって!」
はぁ~?
元々皇子がそのおつもりでー
「よかったぁ~ ミヌって強いんでしょう?皇子も安心よね」
「何を言ってる!本来なら皇子のお供はオレがー」
「え?テジュンは行かないの?」
ドキッ
「あ?あぁ・・ 今回は俺は留守番だ」
「なるほど。ドンハ様への対応のためか!よしよし、テジュン。今回は俺に任せておけ」
「なぁ~んだ、私、てっきりテジュンも一緒だと思ってたのに、つまんないなぁ~」
・・・ つまんない、だと?それはいったい・・
「この前みたいにバレバレの尾行でついて来たりもしないの?」
はっ?
「ハッハッハッハッハッ!!」
くそぉ~、ミヌが笑ってやがる・・!!
「バレバレって言うなっ!!だいたい、おまえはっーー」
「テジュン・・ 今、誰のことを、おまえ、と??」
ひっ!!!
こ・・・
このお声は・・・
振り向かずともわかる・・・
「お・・ 皇子・・・」
くるっ・・
おおおおおおおーーー!!!
ほぉらっ、やっぱり!!
皇子の衣を脱がれても、このオーラ!!
そしてお美しいっ!!!
「・・で? 申してみよ?・・ん?」
「・・・・・・・・・・・」
皇子ぃーーーーーーーーっ
・
・
・
・
・
「テジュンって、皇子のことが本当に好きなのね」
横のミヌとひそひそ話
「えぇ、おそらく・・ それもかなり」
それにのってくれるミヌ
「やっぱり?・・・だよね。」
「・・・まぁ、あのお方にお仕えしていて、好きにならない者はいませんよ」
「うん、皇子の宮殿だもんね」
「・・・・・・・・」
ん?
ミヌが何か言いたそう?
「ミヌ、もう出れるのか?」
「ハッ!いつ、何時でもっ!」
皇子の呼びかけに隣でミヌが跪いた
「ダリ!・・・ おまえもついてまいれ」
皇子が、少し離れたところから私たちを見守っていたダリに、声をかける
「えっ?いいのっ?」
ダリではなく私がそう聞いていた
「構わぬ。」
「ありがと!皇子!!・・・・ ダリ~~~っ!早く早くぅ~~~!!」
手を振ってダリを呼ぶ
「あ・・ そういえば、皇子のお母さまのお話って・・ 誰から聞いたの?もしかしてダリ?」
私は今度は皇子の隣に言って、小声で話しかけた
「いや、違うが・・。そうか、ダリのこと、聞いたか?」
「うん、昨日。湯浴みのときにダリからー」
バッ/////
そこまで言って、急に昨夜のことを色々思い出して顔が熱くなった
「そうか、ダリが話したか・・・」
皇子は全然気づいてなかったけど
宮殿の庭園を4人で歩いていると
せっせと庭の手入れに勤しむ人たちの姿が・・・・
「あ、ボンソナ~~~!!」
その中にボンソンの姿を見つけ、大きく声を張り上げると
ボンソンが駆けてきた
「ユリンさまぁ~~~」
「ボンソン!今日は日差しが強くなりそうだから気をつけて?
皆に水分をしっかりとって、休み休み、仕事をして、ってちゃんと伝えてね?」
「はい、ユリン妃!わかりました!・・・ お出かけですか?」
「うん、ちょっと街まで・・ 連れて行ってもらうの!」
「それはお気をつけて、行ってきてください!」
「ありがとう!」
ボンソンがお辞儀をしてまた去っていくのを見届け歩き始めると
「ユリン妃!」
ミヌが声をかけてきた
「少しばかり、使用人との距離が近いように思いますが?」
「え?そう?」
「仮にも、皇子の妃であります故、もう少しー」
「別に近い方がいいと思うけど。ね?皇子」
私が皇子に振ると、皇子は笑っている
「皇子!!笑ってないで、皇子からも何か言ってください!
これでは皇子の妃としての威厳がー」
「そんなもの、なくていいわよ!」
「・・だそうだ。・・クククッ」
「皇子っ!?」
皇子の妃としての威厳?
そんなもの・・・・
あるわけないでしょ
だって私は・・・
皇子の妃じゃないんだもの
ミヌだってわかってるくせにー