「なんと・・・。 にわかには信じられぬ」

 

 

ここまでのいきさつを語ると、ユノユノ皇子は目を丸くしてそう呟いた

 

 

「おまえとユリン妃が入れ替わり・・・ 私の目の前にいると・・」

 

「おまえはこの世には存在しておらず・・・」

 

「ふたりが同時にここに現れることはない・・」

 

 

そして何とか納得しようとしているのか

ぶつぶつと言葉を綴り続けている

 

 

「では、ユリン妃が戻ればおまえはまた・・」

 

ガバッー

 

 

突然皇子に肩を掴まれると

目の前にドアップで存在する皇子の美しい顔

 

その迫力に思わずドキッとするも

皇子の顔はどこか切なそうに歪み

 

 

「・・ 消えるというのか?」

 

 

か細く唇が動いた

 

 

「・・・ 多分」

 

 

私が頷くと、ぐいっと引き寄せられ、皇子の腕の中

 

苦しいほど力強く抱きしめられた

 

 

「ならぬっ!!それは許さぬっ!!」

 

 

ぎゅう~・・

 

 

私は皇子の背中に腕を回すと

ぽんぽんぽんっと撫でるように叩いた

 

 

どうしよう

さっきから

嬉しくてたまらないの

 

皇子がまるで私のことを愛してくれてでもいるかのようで

 

 

 

 

「皇子が許さないって言ってもしょうがないんだよ?」

 

 

 

 

錯覚しないよう

努めて冷静にー

 

 

 

 

「私にはいつ入れ替わるのかわからなくて・・・

それはおそらく、ユリン妃が決めておられるように感じるの

だから、今度またユリン妃がっー」

 

 

ぐいっー

 

「んっー」

 

 

抱き寄せられ、皇子に口を塞がれた

 

強く

 

強く

 

 

「・・・ おまえは、かまわんと言うのか!」

 

 

離れた唇が問い詰めてくる

 

 

「おまえはー・・ 私とまた離れても・・ 構わんというのかっー」

 

 

そんなわけ・・・

ないじゃない

 

私がどれだけ会いたかったと思ってるの

 

 

 

「この私とっーー」

 

 

ぐいっー

 

 

 

今度は私が皇子を引き寄せ

 

そのうるさい唇を塞いでやった

 

 

 

 

脳裏を過ったのは

 

 

テジュンの怒っている顔

 

 

 

 

ごめんね、テジュン

 

大丈夫だよ、なんて言っちゃったのに

 

全然大丈夫じゃないよ