「ユリナ、宝飾品が欲しいのであれば、私に言えばよいであろう?」

 

「え?・・・ 買ってくれるの?」

 

 

宮殿まで、ゆっくり歩きながら

皇子の申し出に、私の心はぴょんぴょん飛び跳ねた

 

 

「まぁ?買ってやらないでもない」

 

「やらないでもない?なにそれ、回りくどい!もうっ、いいわ、無理してくれなくてもー」

 

「無理などしておらぬ。なぜわからぬのだ!おまえはっ」

 

「なぜわからぬのだ?って何が?」

 

「・・・・・ もうよい」

 

「wwwwww」

 

 

あーもうっ

皇子と話すのってどうしてこう、難しいんだろうっ

 

 

「いいわ。どうせまた、シンシア妃が誘ってくださるんでしょ?さっき約束してたから」

 

 

一緒にお茶するとかなんとか、まで、ちゃっかりと

 

 

「そんなもの、はなから受ける気などないわ」

 

 

「ええっ!?え?え?だってさっき・・」

 

「ああでも言わぬと下がらぬだろうと思って言ったまでだ。」

 

「うわぁ~・・・ ひどい・・」

 

「ひどい?何が?私が、か!?」

 

「他に誰が」

 

「街に行きたければ、私が連れて行ってやる」

 

「えー・・でもだって、皇子は政務があるのでしょう?」

 

「私だってたまには息抜きがしたい。リュウにも会いに行きたいし」

 

「あ、そうか!リュウさん!!私も会ってみたい!!」

 

「・・・ そういえば、お前のことを・・・」

 

「私のことを・・?」

 

「あ、いや。まだ・・ 報告してなかったな、と・・。 そうだ、なんなら今から行くか?」

 

「今からっ?いいのっ?行く行くっ!!!」

 

 

 

「皇子っ!!至急、宮殿までお戻りくださいっ」

 

「なんだ?テジュン・・ 今、ゆっくり戻っているであろうが」

 

「ですから至急、と言ってるではありませんか!王様がいらしてるそうですっ!!」

 

「王がっ?」

 

 

王様がユノ皇子の宮殿に?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「王様・・ これはいったい、どうなさったのですか?」

 

 

 

本当だ

 

急ぎ、宮殿まで戻ると

 

王様が宮殿の前で大きな傘のした、ゆっくりと歩いていらっしゃる

 

 

 

「王が皇子の様子を見に来てはいけぬのか?」

 

 

「・・・・いえ、そんなことは。」

 

 

 

「それにしても・・・ ドンハから聞いておったが、ずいぶん仲が良いようで何よりだ。

では、早く子を成せ。さすればお前が次期王になれるのだからな」

 

 

ドキッ

 

次期王・・・

 

 

 

「王様、以前より申し上げておりますが、私は王位には興味がございません。

次期王には、第一皇子のミリョンがふさわしいと思っています。」

 

 

えっ?

 

私は驚いてユノ皇子の顔を見た

 

王位に興味がない・・・

初めて聞いた

 

でも、そういえば、第一皇子に子が授からないから、第二皇子のユノは、ユリン妃と婚姻したのよね?

っていうことは、子を・・・

 

 

「・・ 王位に興味がない、とか・・ その、欲のないところ、まったくもってお前の母にそっくりだ」

 

「・・・・・・・・」

 

 

ユノ皇子の母?

 

そういえば・・・

私、会ったことないけどー

 

 

「さあ?どうでしょう?なにぶん、幼き頃に亡くしたので、その面影すらもはや幻のように感じておりますが」

 

 

・・・っ!!!

 

幼き頃に亡くした?

ユノユノ皇子の母親って、亡くなってるのっ?

 

 

「・・ 私を恨んでおるのか?」

 

「なにゆえに?」

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

なになになに?

ユノ皇子のお母さまの死には、王様が関係しているのっ?

 

 

「そもそも、私が王位になど就きましたら、王妃様がお許しにならないのでは?」

 

 

王妃様・・・

っていうのは、ミリョン皇子のお母さま?

よねっ?

 

 

「そんなことはおまえが気にすることではない」

 

「王様も、心の底では、私に王位を譲る気など、微塵もないのでは?」

 

「・・っ!?」

 

 

なんですとぉーーーっ!!

 

もうっ

どういうことなのっ?

 

 

「とはいえ、王様がおっしゃるのであれば、早速、子を成すために励むことにいたしましょう!」

 

 

ドキッ

 

「え・・」

 

 

子を成すために励むって・・///////

 

 

 

「のぅ?ユリナ・・?」

 

 

突然、手をとられ、そのまま口元へと持っていかれると

手の甲に口づけをされた

 

 

 

 

ひゃああああぁぁぁーー(心の叫び)

 

エロい、エロい、とんでもなくエロいこのエロ皇子!!!

 

 

こっ・・

こんなことって、人生で経験するとは思っておりませんでしたっ!!!

 

 

「では王様、これにてごきげんよう」

 

「・・あぁ、ごきげんよう」

 

 

「ご・・ ごきげんようでゴザイマス・・っ」

 

 

私はペコリとお辞儀をすると

繋がれたままの手をたどるように

ユノ皇子のあとに続いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、ねぇっ・・ 皇子っ?手、手が痛いっー」

 

 

宮殿の中をずんずんと歩き進みながら

 

 

気づいているのか、いないのか

 

繋がれた手がつぶれそうに痛かった

 

 

 

「あ、すまぬ・・」

 

 

 

フッと緩んだ手は

そのままほどかれた

 

 

別に離さなくもよかったのに・・・

 

 

 

ねぇ皇子

 

さっきの・・・

 

お母さまの話は・・・・

 

 

 

 

「ね、皇子?」

 

 

「・・ なんだ?」

 

 

「私・・・ あなたのこと・・ 何も知らないわ」

 

 

「・・・・・?」

 

 

 

 

知りたい

 

あなたのことを知りたいって言ったらダメ?

 

私はユリン妃ではないし

 

いずれ、ここを離れる身

 

 

あなたの妃ではない・・・・

 

 

でも、でも私っーー

 

 

 

「何も知らぬことはないであろう?むしろ・・・ よく知っているはずだ」

 

 

「え?」

 

 

ぬっと、私の目線の先に

顔を降ろしてきて

 

 

 

「おまえにしか見せぬ顔がある」

 

 

 

そう言って、少しだけ開けた唇の隙間から

舌をのぞかせた

 

 

 

ドキッ

 

ああーーっ、もうっ

せっかく真面目な話をしようと思ってたのにっ

 

 

「私にしか、って、もうっ!!うそばっかりっ!!

あ、そういえば私、聞いたんだからねっ?

夜伽女官っ!!何それっ!しんっじられないっ」

 

 

「なんだ?聞いたのか」

 

 

「なっ////なっ、なにっ、それ!認めるんだっ?!」

 

 

「しょうがないであろう?王族の慣習のひとつだ。それにあの頃はまだ、おまえを知らなかったのだから」

 

 

 

 

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「…ったく、おかげで私はあれ以来・・・ 」ブツブツブツブツ・・・

 

 

 

 

「・・・え」

 

 

 

な・・んか

 

今、さらっとすごいことを言われたような・・・/////////

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・・