「・・んっー・・ しゅ・・にんっー ダメですってばぁーー!!」

 

 

ドンッー

 

 

私に突き飛ばされた主任、キョトンって顔してる

 

「何するんですかっ!主任っ・・・ セクハラで訴えますよっ!」

 

「は?セクハラって桜井・・ おまえ、何言ってー」

 

 

私は非常口の扉に手をかけると

 

「私、もう待ちませんから!」

 

扉の方を向いたまま、そう言い放った

 

「主任のことも見ません!智子さんとー」

 

 

ドンッー

 

ひゃあぁぁぁぁー

 

主任の腕が後ろから伸びてきて・・・

 

背中に主任の体温感じるぅーー!

 

 

「・・ 待たないってどういうこと?さっきからおまえ、何言ってんの?」

 

 

こっ、声がっー

主任の息が耳にかかるぅーーー!!

 

 

「だからっ、智子さんとお幸せに!」

 

「は?なんだよ、それ!俺はフラれたってー」

 

「プロポーズ!・・したんですよね?」

 

「・・え・・」

 

「プロポーズ!・・するほど、好きだったんですよね?」

 

 

♪♪♪~~~

 

「電話、鳴ってますよ?」

 

主任は何も言わずにポケットから携帯を取り出すと

耳元まで運び

 

「・・・ もしもし?」

 

電話に出た

 

『しゅにーーん!すぐ戻るってどこまで行ってんっすか!

早く戻ってきてくださいよー、やっぱ主任じゃないとダメっす!!』

 

 

私にも聞こえる・・・

斉藤さんの声だ

 

「呼ばれてますね、頑張ってください。じゃあー」

 

ガチャ

 

バタン

 

主任の腕の中から解放された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れさーーん、なんか、トラブってたんだって?

ごめんね、僕も手伝えたらよかったんだけど、ちょっとこっちも取り込んでたんだ」

 

 

・・・ 大場

 

 

やっと落ち着いて、皆が帰ったあと

一息ついていたところへ、満を持して登場か

 

 

「ちょうどよかった、俺も話があったんだ」

 

 

「話?・・・ 僕に?」

 

 

「ああ。お前しか知らないはずのことだ。

なんで桜井が知ってんの?」

 

「あー、あれ?」

 

「やっぱりお前か・・」

 

「そうじゃないよ。昼間、僕らの会話、聞いちゃってたみたい。まどかちゃん」

 

まどかちゃん、ね・・

 

「んだよっ、それ」

 

「智子さんとちゃんと話をしろってことだよ」

 

「智子さん?なんだ?それ、気持ち悪い」

 

「は?お前が呼び捨てにするな、って言っただろ!それにまどかちゃんにも言われたんだ。智子さんのこと呼び捨てにしないでくれ、って。お前にやきもち妬かせるな、ってー」

 

 

俺は智子の番号に電話した

 

2コールで電話は通じた

 

「もしもし?智子?俺だけど、今、ちょっといい?」

 

大場はびっくりした顔をして、俺を見ている

俺は、そのまま、そこにいろ!

と、指差した

 

「大場のバカが変なこと言ってんだけど。

俺ら、もう終わってるんだよね?」

 

大場がさらに驚いた顔をした

 

「おまえもさー、変なこと言ってこのバカの気ぃ引いたりしないで

素直に言ったらどうだ?じゃないとこのバカにはいつまでたっても伝わらねーから」

 

今度は混乱顔の大場

 

「じゃあな、後でこいつから電話させるわ」 プツッー

 

電話を切る

 

「はい、おしまい。智子がどんなふうにお前に言ったのか知らねーけど

あんなのプロポーズでもなんでもないから。」

 

「どういう・・?」

 

「これ以上は俺の口からは言えねー。自分で電話するなり、会いに行くなりして。

俺も帰るから」

 

「待てよ、シュン!それ、どういうこと?」

 

 

知らねーよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アハハハハハ・・・」

 

 

やばい・・・

最近、私、女芸人さんにハマってしまってる

何だか、気持ちわかるっていうか・・・

笑いが止まらないんだよねー

 

 

♪♪♪~~~

 

 

あ、電話だ

 

「もしもし?純子ちゃん?どうしたの?」

 

「今日さー、まどか、帰るの早かったでしょ?まどかが帰ってから、お客さんから電話があったんだよ。言っておこうと思って」

 

「お客さんから?なに?明日でもよかったのに」

 

「それがさー、なんか・・ ただもんじゃない雰囲気を感じちゃってさー」

 

「え?ただもんじゃない雰囲気って?」

 

「だって、『桜井まどかさん、おられますか?』って聞いてきて、今日はもう帰りましたけど?

って答えたら、『あ、まだ桜井まどかさんで通じるんだ』って呟く声が聞こえちゃったんだもーん」

 

・・・ なんだ?それ

 

「姓がかわってないことチェックしたんだよ!なんかロマンスのかほり、しない?ね!!?」

 

ロマンスのかほり、って・・

 

まぁちょっとまんざらでもないっていうか

どきどきしてきちゃったじゃない?

 

「それで、名前は?」

 

「あ、そうだったそうだった・・えとね、メモって帰ったのよね。・・ 『ニミヤ カズヤ』さん?」

 

ニミヤ・・ えっ!

 

「仁宮和也!?え?仁宮くんっ?」

 

「お、やっぱ、知ってるんだね?」

 

「知ってる、知ってる!大学時代に同じサークルで・・」

 

「うんうん、それでそれでっ?」

 

「・・・・ それだけだけど」

 

まぁちょっと・・

ほんとにちょっとだけつきあったことあるけど

でも彼はめちゃくちゃモテたから

私となんて、つきあったことに入ってないのかもしれないし

 

「えー、それだけー?」

 

「それで?仁宮くんは何か言ってた?」

 

「明日、まどかから連絡させます、って切ったから何も話してないわよ」

 

「あー・・そうか、そうだよね」

 

「やーん、なんか、わくわくするぅー」

 

「なんで純子ちゃんがわくわくするのよ」

 

「だってまどか、いつまでも松本主任のおっかけやるわけにいかないでしょ」

 

 

そうだった・・・

 

プロポーズだもんね

 

 

「うん、諦めることにしたよ」

 

「え?マジ?」

 

「マジマジ。」

 

「ええーーっ、じゃあなおさら、このタイミングでの仁宮くん登場って運命感じない!?」

 

「確かに」

 

「きゃあーーーっ!!」

「きゃあーー!!」

 

 

 

夜中の女子トークは尽きることはない


カケホーダイ、万歳🙌



 

 

 

 

 

 

つづく・・・