「お先に失礼します!お疲れ様でした~」

 

「おつかれさーーん!」

 

 

主任が戻ってこないうちに帰ってしまおうと

今日は急いで帰り支度をして、部署のドアを出る

 

昼間に大場先輩との会話を聞いちゃってから

どうしても顔を見ることも

話しかけることも出来なかった

 

今までだって、ずっと主任には彼女がいたのに

それでも勝手に片思いしてたのに

さすがにプロポーズはないよぉ

 

なんて思って歩いてたら

エレベーターホールの方からこっちに向かって歩いてくる主任を発見

 

主任が書類から顔を上げた瞬間、目が合った

 

しまったよ

つい習慣でみつめてしまってた

 

パッ

 

くるっ

 

回れ~、みぎ!をして

私は今来た廊下を逆戻り

 

とりあえず、トイレに駆け込もう

 

「え?おいっ、桜井?」

 

 

なるべく自然に歩いたつもりだったけど

不自然な競歩になってたのか

主任が駆け寄ってきてくれた

 

 

避けてるくせに嬉しいなんて

矛盾な自分にムカつく

 

 

「今日は残業しないんだな」

 

 

今日、初会話です

 

 

「昨日は大場先輩から急ぎの仕事を押し付けられたんで仕方なく残ってただけですから」

 

「そうだったんだ?じゃあ、今日は早く帰って休めよ、お疲れさん」

 

 

・・え? それだけ?

 

今日は、いつもみたいに頭くしゃっとしてくれないんですか?

 

なんて考えてしまう自分にまたムカつく

やめるんだろ?

諦めるんだろ?

 

「ハイ、お疲れ様です。お先にすみません」

 

ぺこり

 

お辞儀をして、先輩から離れ、エレベーターホールへと向かう

 

 

智子さんとは電話で話したんですか?

それとも今日、仕事終わったら会うんですか?

 

頭の中は聞けもしない質問だらけ

 

 

「桜井!」

 

 

ドキッ

 

 

もうやだ、私

すぐ振り返っちゃう

 

「なんですか?」

 

 

「右田に言っといた。・・ 俺に変な気、起こさないでねー。って。」

 

そういうと、ニヤッと笑う主任

 

それって・・・

私が言ったから?

 

ぶわっと鳥肌が立って、嬉しくなっちゃったじゃないですかっ!

 

 

あ・・

 

違うか

 

よく考えたらそれ、私が元々言われたやつだ

右田さんも私と同じってだけ

 

 

「よくできました、ですね!」

 

 

ペコリ

 

智子さん、私に感謝してください

主任のまわりの虫を、こうしてちゃんと駆除してさしあげてますよっ

 

私はもう一度お辞儀をすると、くるりと回れ右をして、歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ は?

 

 

よくできました、ってそれだけ?

 

 

おまえが言ったんだろーが!

右田に言えって

 

「おいっ、さくらー」

「松本主任っ!あー、よかった、早く来てくださいよっ、ちょっと先方から苦情入っちゃってー」

 

「は?苦情?」

 

 

振り返ると、桜井の姿はもう、エレベーターホールの方へと角を曲がるところだ

 

 

「・・・・ そんなんで、いちいち俺に頼ってたらダメだろ。」

 

「え?主任っ?」

 

「少し自分たちだけで頑張ってろ!」

 

「ええっ?ちょっと主任っ、帰ってきたところじゃないんですかっ!?」

 

「すぐ戻るっー」

 

 

間に合ってくれ

 

気づいたら走ってた

 

だって、桜井がー

 

今日は全然俺のこと見てなかったから

 

 

 

閉まりかけたエレベーターのドアの向こうに

俺の姿を見てすごく驚いた顔の桜井が見えた

 

 

うそだろ・・

 

こういうの、嫌なんだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?

え?

 

ええっ?

 

今、エレベーターが閉まる瞬間

向こうに主任の顔が見えたような気がしたけど

 

気のせい・・?

 

「だよね・・。」

 

遂に幻まで見るほど、私の心はやられているのか

 

諦めるということを受け入れられない心が見せてしまってるんだ

 

 

私だけを乗せたエレベーターは

途中どこにも止まることなく、1階へと降りていった

 

 

チンッー

 

 

開いた扉の向こうに

 

壁に手をかけ、腰にもう一方の手をおき、肩で息をしている主任の姿がー

 

 

「・・・ 主任?」

 

 

動いてる・・よね?

 

 

「あっちぃーーー!!!・・ったく、こんなことするガラじゃあないってーの・・」

 

 

しゃべった・・!

 

 

「どうしたんですか?主任、汗かいてますよ!!」

 

 

つい、駆け寄ってしまうじゃないですか!

 

私はバッグからタオルハンカチを取り出すと

主任のおでこに当てた

 

「もしかして、さっき、エレベーターに乗ろうとしてました?すみません、私

気づかなくてそのまま降りてしまって・・・」

 

主任はまるでなされるがまま、って感じで

私に汗を拭かれている

 

「幻かな~なんて思っちゃったもんですから・・ ごめんなさい!

でもどうしたんですか?次のを待てばよかったのに、よっぽど急いでたんですね」

 

額から、頬を伝い、首筋まで、ぽんぽんっと拭いていく

 

あー、このハンカチ、洗わないって言ったらキモがられるよね

でもこれも最後の思い出にー

 

 

「しょーがねーだろ。おまえが帰るから」

 

 

「・・・ え?」

 

 

主任が、ハンカチを持った私の手を掴んだ

 

 

「主任っ・・/// ちょっと、近いですっ////」

 

「なんで今日は、俺のこと見なかった?」

 

「は、はいっ!?な、なに言ってんですかっ・・ っていうか主任、ここ、誰か来ますよ・・」

 

俺のこと見なかった?って?

何聞いてきてるのっ?

頭の中ぐちゃぐちゃなんだけどっ?

主任ってばどうしちゃったのっ??

 

「あ?あ~・・ 悪い。じゃ、ちょっとあっち、行くか」

 

「え?しゅ、主任?手ー」

 

掴んだまま、なんですけど?

いいんですか?

私は全然いいんですけどねっ!!

 

主任は私の手を掴んだまま、非常階段のところまで歩いていき

片手で扉をあけると

 

「ほら、来いよ」

 

グイッと私ごと、向こうへ連れて行った

 

 

バタン

 

扉が閉まる

 

「ここならいいだろ・・」

 

「えと・・」

 

 

これからいったい、何が始まるんでしょうか?

 

 

「おまえが右田に言え、つーから言ったんだろーが!

それをなんだ?よくできましたね、って

それだけか?」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

主任・・?

 

 

「あの・・ 他になんて言ったらよかったんでしょうか?」

 

「・・・・・・ 確かに。」

 

 

主任、口に手をやって・・ 照れてる?

 

やだな~もう・・

可愛いじゃないですか!

 

どうしてこう・・

また、好きになっちゃうようなことするんですか?

 

 

「それにさっきの、変ですよ?主任・・

私に見られるの、クセになっちゃってるんですか?

だとしたらやばいですよ?アハッ」

 

 

「・・ ヤバい・・ なぁ、確かに」

 

 

・・・・え?

 

 

ち・・・

 

近いんですけど・・

 

 

じりじりにじみよってこられるから

すっかりもう、壁を背にしちゃってますけど?

 

 

これって・・

 

昔流行った、壁ドンみたいなやつなんじゃー

 

 

「あー、おまえの目に俺が映ってるわ」

 

「あ、当たり前ですよっ、こんな目と鼻の先にいるんですからっ/////」

 

 

ひゃあぁぁぁーーっ////

 

だ、だからっ

 

ほんとに近いんですってばっ/////

 

 

「・・・・ 俺のこと見てろよ」

 

「は?だから見てますってば!」

 

 

 

 

もうっ、直視できないですってー

 

 

 

 

「目ぇ閉じたら、・・・・・ キスするー」

 

「えっー」

 

 

うそ・・・

 

目、・・ 閉じてない・・のに・・

 

 

主任の・・

 

傾けた顔の角度とか・・

閉じた目のまつげが長くてとか綺麗だなとか・・

 

 

「・・ほら・・ もっと口、・・・ あけろよ」

 

 

うっすら瞳をあけて

 

そうつぶやく声が

 

超絶セクシーだとか

 

 

こんなのっ////

 

もうっー

 

 

 

しゅにぃーーーーーーーんっ/////

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・・

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

バタッ

 

と倒れたそこのアナタ!

 

・・いえ、私です(・・。)ゞ

 

そうね

 

普通の記事で書けることって限界があるように思うwww

 

なのに、この主任ったら

 

きっと・・・(*ノωノ) イヤン

 

 

 

週末は台風の接近が本当に本当に心配ですよね

 

どうかどうか

 

皆さまがご無事に過ごせますように

 

大きな被害になりませんように