「・・・・ え?」
な・・・ に これ・・・?
この繁み・・・
デジャブ感、半端ないっていうか・・・
「ここって・・・ まさか・・・・」
暗いけど・・・
霧が濃くて、目が馴染むまでに時間かかったけど
この感じ・・・
「--- さまぁーー」
「ユリンさまぁーーー」
遠くで聞こえる声に確信する
「・・・・・ うそでしょ・・・」
ガサガサガサッー
足音が近づいてきた
ひぃっー
思わずしゃがんで身を隠す
ザザザァーーッ
遠ざかって行った
「・・・ ふぅ~・・」
ひとまず安心・・
ため息をついた
「いやいや、全然安心なんかじゃないんだってば」
ひとり、暗闇で突っ込むと
「・・・・・ 誰かいるのか?」
ーーー っ!!!!
他にも人がっ・・・!?
っていうか、この声・・・
ガサガサッー
近づいてくるっー
どうしよっ
見つかったら私・・・
逃げなきゃ、と思う反面
聞こえてきた声に
心臓が跳ねちゃって・・・
「おいっ、そこに誰かー」
ガサッー
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
見つかった・・・
声の主に・・・
「・・・・ お・・ まえ・・」
「・・ お久しぶりです・・ なんて・・」
まいった
何て言っていいのかわかんないっ
しゃがんだまま動いて背を向けた
けどー
ぶわっ
「-- っ!?////////」
後ろから、抱きすくめられた
「・・ どこにおったのだ?今まで・・・」
私の頭の後ろから・・・・
声が
すぐ横から聞こえて・・・
「・・・・・・・・・」
捜してくれたの・・?
もしかして・・・
「--- ユリンさまぁーーーーー」
離れたところで、ユリンの名を呼んで捜す声がした
そういえばさっきも・・・
「ユリン姫を捜してたの?」
「・・・ なぜ」
「そうか!私がここにいるってことは・・ ユリン姫はいない・・てことか!」
「・・ 何を言っている?」
でもなんで?
前は襲われて殺されそうになったユリン姫と私が入れ替わったのよね?
となると今度はー
何か危ない目に?
私はくるっと後ろを振り返った
皇子の腕の中を外れてー
「もしかして、嫌がるユリン姫を無理矢理っ?」
「・・・ なんだ?それはどういうー」
やりかねないっ!!
この、横柄な態度!!
「皇子っ、見つかったのですかっ?」
後ろから聞こえてきた この声っ!
「テジュンッ!?」
「あ、おいっー」
皇子が止めるのも聞かず
つい、反応してしまった
懐かしい声に
・
・
・
・
・
「・・・ ごめんね、ダリ。また迷惑かけちゃって・・・」
「いいえ。全然、かまいませんよ?」
皇子の服を被せてもらい、その腕に抱かれながら宮殿の中へと戻ると
すぐにダリが呼ばれ、湯浴みをさせてもらうことになった
皇子が先にテジュンを帰し、ダリに準備をさせてくれたのだった
私が、着替えを貸せてもらえるならひとりあそこで待つというのを
皇子が一緒に、と離れなかったから・・・
以前のようなたくさんの女官たちはいなくて
ダリとふたりきり
「着替えはこちらに置いておきますよ」
「・・・ ありがとうございます」
聞きたいことは、たくさんあった
でもたくさんありすぎて
何から聞いたらいいのか・・
っていうか、それは向こうも同じなのかもしれない
何を話したらいいのか
頭の中がぐちゃぐちゃで・・・
お湯の中で、ぶくぶくぶく・・・と吹いてみた
「ふふっ・・ そのようなこと、ユリン姫はなさいませんでしたよ?」
ダリの笑った声に安心しちゃって
「・・ですよね~」
嬉しくなる
「・・・・本当にユリン姫はご無事なのですか?」
「うん・・」
「そう・・ですか。それならよいのですが・・・」
どう話したら納得してもらえるのかわからなかったけど
あのまま捜していてもユリン姫は見つからないってわかってるから
せめてみんなの捜索はやめさせないと、って思って
ユリン姫は、知り合いのところで無事にいるから
それを伝えてくれと頼まれて私が来た、と皇子に伝えて
捜索は打ち切りにしてもらった
当然、みんなには、ユリン姫(私)が見つかった
ということにして
事情をわかっているのは
テジュンとダリだけ
「皇子は・・ ユリン姫と結婚・・されたのよね?」
「はい。ホラン国王も、安心して帰って行かれました」
「そう・・ だよね」
結婚・・・
しちゃったんだ・・・
きっと今頃、心配しているんだろうな
ユリン姫のこと・・・
どこまで話せばいいかなぁ・・・
入れ替わってるなんてこと
きっとわかってもらえないだろうし・・・
まぁいいか
誠意をもって、話せばわかってくれるかもしれない
「・・・ あの、ダリ? そろそろ私、上がって着替えたいから
ちょっと外へ出ていてくれないかな?」
「いいえ、それはなりません。申し訳ございませんが、皇子から言われてますので」
「・・え?皇子から言われてるって何を・・・?」
「片時も目を離してはならん、と。」
「ええっ?片時も、ってそんなっ、私、怪しいことないよ?!いや、怪しいけど、そんな悪いことなんかするつもりないって!!」
バチャバチャと水音を立てて、手を振る私に
ダリは目を細め、優しそうに笑った
「・・・ ダリ?」
「皇子も怪しんでなど、いらっしゃいませんよ。そうではなくてー」
「そうではなくて・・?」
「・・・・ では、後ろを向いておりますので、さっさと上がってお着替えくださいませ」
「ちょっとダリっ?」
私の問いになど、それ以上答えてくれようともしないで
ダリは背を向けると、黙ってしまった
・
・
・
・
・
「それにしても、驚いたなぁ~・・・ アイツはユリン姫と知り合いなのか?」
「・・・・・・・・・・」
「皇子、アイツの言うことを信じて大丈夫なんでしょうか?もしかしてユリン妃は今頃危険な目にー」
「テジュン・・・・ 今宵はもうよいから下がれ」
「・・・ はい?」
「下がれと申したのだ」
「下がれって・・・・、私もユリン妃の無事を確認するために、同席させていただきます!!」
「いつからそんな妃の忠臣になったのだ?」
「妃の忠臣ではございませんっ、私は皇子のっー」
「下がれと申した。これ以上同じことを言わせるな、テジュン」
「わかりました、皇子。では最後にひとつだけ、確認を」
「なんだ?」
「皇子の妃は、ユリン様です。あの者ではございません。間違っても今宵・・ あの者と寝所を共になさることなどありませんように」
「下がれ」
「皇子っ!」
「そのようなこと、わかっておるわっ!」
おまえに言われずとも・・・
わかっておる
あいつは私の前から
去ったのだからな・・・