結局そのあとも松本主任とは一緒に飲むことはできず

離れたテーブルで、課長たちと熱く語り合っているところとか

女の先輩たちに囲まれていじられているところとか

うらめしそうに眺めながら飲んでたら

思いの外、酔っぱらっちゃって・・・・

 

 

「まどかぁ~・・ 大丈夫ぅ~?」

 

 

「・・・・ うう~・・・」

 

 

 

トイレの個室

ドア越しに純子ちゃんと会話をする羽目になっている私

 

 

「ごめんね~、純子ちゃん・・ 私のことはいいから二次会、行ってぇ~」

 

「何言ってんのよ、ちょうどいいから私も行かない。まぁくんに遅くなったら迎えに来てやらないからな、って言われてたし。

まどかの家も回ってもらったげるわ」

 

 

「うう~・・ 面目ない・・・」

 

 

彼氏さんにまでご迷惑を・・・

 

 

「じゃ、ちょっと電話してくるから」

 

「うん・・」

 

「落ち着いたら外、出ておいでよ?」

 

 

そういって、足音が遠ざかって行った

 

 

 

うぇ~~・・

飲みすぎたよぉ~・・・

告白もしなきゃ~とか思ったら

景気づけにってのもあって・・・

 

でも結局こんなんなっちゃって・・

松本主任はきっともう、二次会、行っちゃってるよぉ~

 

純子ちゃんの言うとおり、今日も告れませんでした・・・

 

 

個室から出て、水道水で口の周りを拭ってため息をつく

 

「ふぅ~・・・」

 

この唇に

松本主任の唇が触れたのに

 

そんなのやっぱり

夢だったんじゃないかって気がしてきた・・・

 

 

「ううぅ~・・・」

 

 

 

トボトボと、トイレのドアをあけて、店の中へと出てくると

そこにすがるようにして立っていたのは、純子ちゃんではなくー

 

 

「あーあー・・ だから飲みすぎるなよ、って言っといたのに・・」

 

「まっ、まっ?松本主任っ?」

 

 

え?あれ?あれれれれ?

 

酔っぱらって幻見てる?

 

 

「松本主任だって、途中まで酔ってたじゃないれすかっ」

 

何だか今はもう復活してるみたいですけど・・

 

 

「俺?酔ってねーし。・・ 雰囲気、雰囲気♪」

 

「雰囲気ぃ~~?」

 

 

それって、酔ってないのに、あんなことしたのかよぉ~~っ

 

 

「・・ ずるぅ~・・(ボソッ)」

 

「は?」

 

「まーいーや。今、純子ちゃん来るんで、松本主任は二次会、行っちゃってくらさい。お疲れ様れしたぁ~。」

 

「小林ならさっき、俺にお前の荷物預けて帰ってったぞ?ほら」

 

松本主任が私のリュックを持ち上げてみせる

 

 

・・え?純子ちゃん?

 

 

「タクシー呼んだから行くぞ」

 

「え?松本主任・・ 二次会は?」

 

「おまえ送ってから行く」

 

「え?え?え?そんなっ、らいじょうぶれすって!ひとりで帰れますっ」

 

「だ~めだめ、おまえ、呂律、まわってねーからな?」

 

「ろれつ?回ってますよ?」

 

「とにかくはい、上司の言うこと聞いて」

 

「・・・・ じょおしぃ?」

 

 

 

上司じゃないもん・・・

 

好きな人だもん・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「運転手さん、ちょっとここで、待っててもらえます?」

 

 

私を降ろした後、タクシーの運転手さんにそういうと

続いて降りてきた私の上司

 

 

ほんとにすぐ帰っちゃうんだ

 

二次会行くって言ってたもんね・・・

 

 

「ほら、部屋の前まで送ってくから」

 

「・・・・・・・・」

 

 

どうするどうする?

 

これって、純子ちゃんがくれた・・・ いや、神様がくれたチャンスなんじゃない?

告れってことなんじゃないの?

 

ぼぉ~っとする頭でも

それくらいは考えられるよ?私・・・

 

腕を掴まれるようにして、自分の部屋の前までくる

 

 

「鍵は?」

 

「・・・ ありますよ、ほら!」

 

 

リュックの外ポケットから鍵を取り出し、目の前に掲げてみせる

 

 

「よし。じゃあー」

 

「松本主任っ!!」

 

 

行きかけた主任の腕を今度は私が掴んで呼び止めた

 

なんだ?

という上からの視線が怖くて少しひるんでしまうけど

 

ここは踏ん張りどころよ、まどか!

 

 

「あの・・私・・ 松本主任のことー」

 

「何を言うつもりかわかんないけど、酔っぱらって口にしたことって俺、水に流す主義だから」

 

 

え?

 

水に流す・・?

 

「そ・・んなっ・・ だって、お酒の力で借りないと勢いっていうかー」

 

「そんなん借りないと言えないようなことなら言うな」

 

「・・・・・・」

 

 

私、告らせてももらえないんですか?

 

だったらあのキスは?

 

 

「じゃーな、とっとと寝て、しっかり酔いを覚ませよ」

 

 

行っちゃう・・・

 

松本主任が・・・

 

 

 

「ばぁ~っか、ばぁ~~っか!そんなん言うんだったらキスなんかするなっ!エロ主任っ!!」

 

 

「はぁっ?」

 

 

 

行きかけた松本主任が振り返った

 

 

「酔ってたからって水に流す気ですかっ?じょーっだんじゃないですよっ、私はそんな主義じゃないですからね!流さずにためときますよ?ええ、ええ、流してなんか、あげませんからねー」

 

 

すっごい形相でこっちに戻ってくると

私の頬をつねる

 

「・・ だぁ~れが、エロ主任だってぇ~~?ん~~~?」

 

 

あのときみたいに・・・

 

ふにぃ~~っ

 

 

「ひひゃぁ~~~ひ(痛ぁ~~い)・・・」

 

 

「だぁか~らぁ~、俺は酔ってないって言ってんだろぉーが!」

 

「ひょっへはひはひょー(酔ってましたよー)、ひゃんは、ほひへんへひはほん(なんか、ご機嫌でしたもん)・・」

 

「・・ぶっ! 何言ってんだ?笑えるっ・・くくくっ・・」

 

松本主任が笑って、私の頬をつねる力が緩んだ

 

「松本主任っ!私っー」

「ストップ!」

 

「んがっー」

 

今度は手のひらに口、塞がれた

 

「んんーーーーっ・・」

 

 

思いっきり睨み上げる

 

綺麗な瞳www

 

「だからぁー!・・ 酔ってないときに言えって言ってるだろ」

 

 

・・・え?

 

え?え?え?それって・・・

 

 

んんんんーーーっ・・・

 

ペロッ

「うわぁっ!」

 

舐めちゃった・・ 主任の手のひら

 

だって・・

 

「酔ってなかったら聞いてくれるってことですかっ?」

 

 

聞きたかったんだもん

 

私は思いっきり、主任を睨み上げる

 

主任は、目を丸くして、それからフッと笑って

 

「・・・・ 気が向いたらな」

 

今度はニヤリと笑って言った

 

 

「wwwwwwwwww」

 

 

なんだろ、この敗北感・・・

 

 

「とにかく、今日は部屋に入ってもう寝ろ。俺はさっきから携帯がうるさいから戻る」

 

 

「・・ はい、すみませんでした。」

 

 

脱力・・・

 

 

下を向く私に

頭をポンポンってー

 

 

「じゃーな、おやすみ」

 

 

またそんなことしてぇ~~//////

 

 

フッと顔を上げると

主任はもう、早足でタクシーへと戻っていくところだった

 

くっそぉぉーーーーっ

 

ううぅーー

 

松本しゅにぃーーーーんっ・・・

 

 

大好きだぁぁぁぁーーー・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ すみません、これ、水割りで」

 

 

遅れて入った二次会のテーブル席で

差し出されたおしぼりで手を拭きながらお店の女の子にそういうと

 

 

 

「・・・ 遅かったね、もう来ないかと思ったよ」

 

「あーわりぃ、ちょっとな・・・」

 

 

同期の大場が横から話しかけてきた

 

 

「てっきり送り狼になってるもんだと思ってた」

 

「・・?」

 

 

俺が不思議そうな顔を向けると

 

身体を傾け

手を当てながら、耳元に囁いてきた

 

 

「・・ さっき、チュウしてるとこ見ちゃったから・・」

 

 

「・・!?」

 

 

見られてた?

 

 

 

「・・ 言っちゃおうかなぁ~?」

 

 

身体を離すと、にやっと笑ってそう言ってきた

 

 

「誰に?」

 

 

コイツが言わんとしてることはわかったが

わざと聞いてみる

 

 

「智子(さとこ)に」

 

 

 

やっぱり・・

 

 

「・・ 言えば?」

 

 

「余裕だなぁ~」

 

 

 

わかってるくせに

 

 

 

「なに?それ・・ 喧嘩売ってんの?」

 

 

俺は、大場の目を見てそう聞いた

 

 

「まさか!」

 

「・・ 知ってんだろ?」

 

「何を?」

 

 

 

とぼけやがって・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・・

 

 

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ごきげんようでございます

 

GW、いかがお過ごしですか?

 

 

おかげさまで楽しい連休になっています

 

とはいっても、暦通りですけどね

 

連休中もお仕事だという方もいらっしゃいますよね

 

頑張ってください!

 

急にものすごく暑くなったりしてますから

 

熱中症にもご用心ですね

 

 

諸々、お身体ご自愛くださいませ^^

 

 

 

このお話・・・

 

忘れられてそう・・wwww