枕元に携帯を置いて一夜明けた朝
その着信に飛び起きるも
「・・・ もしもし?空也くん、どうしたの?」
その発信源は私の望む人じゃなかった
「デートしよ。」
デート?
そのセリフも、違う人から聞きたいなんて
私、とことん失礼なやつ
仮にも、チャンミンに紹介してもらった彼なのに・・・
でも無理
「ごめん、空也くん・・ 私、今日そんな気分じゃ・・」
「外、すごいいい天気だよ。早く出てきて。待ってるから」
「待ってるって言われても私ー」
「君の家の前まで来てるから、出来るだけ早くね」ブツッー
「・・・・・」
・・・は?
ちょっと待って?
私、空也くんに家、教えたっけ?
何それ・・・
「・・・ ひどい顔だね、寝不足?」
「・・・ほっといてください。」
「とか言いつつ、食欲はあるんだ?」
近所のカフェへと入り、コーヒーを頼む彼の前で
しっかりモーニングAセットを頼んで
サラダの野菜をフォークで口へと放り込んだ
昨夜、帰り道、そして帰ってから、シャワーを浴びながら
布団に潜り込みながら
何度考えたことか
あのとき・・・
チャンミンに三択を迫られたとき
どうして、1番か2番を選ばなかったのか
とにかく3番以外を選んでいたならー
タイムマシーンがあるのなら
あのときに戻してほしい
あのときの私に言ってやりたい
3番だけは選んじゃだめだ、って・・・
「残念だったね」
「・・・・?」
空也くんの言葉に、顔を上げる
「チャンミン、今頃、婚約者に会ってるかな~」
時計を見ながら空也君が呟いた
婚約者に・・・?
会ってる・・・?
私の食い入るような視線に気づいてか気づかないでか
空也くんは、私の顔を見てにっこり微笑んだ
「初めて会うなんて、びっくりだよね~。俺ならそんな相手に操、たてられないな」
そうだ・・
会ったことはないって言ってた
でもそうか
今、会ってるんだ?
昨日、お父さんたちが来られたのって、そういうことか
あ~ 嫌な予感が当たった・・
「そう・・ ですよね、会ったこともない相手にー」
「あとちょっとだったのにね?」
「え?」
・・・ あとちょっとだった?
何が?
「えっと・・ 空也くん、何を言ってるのか・・」
「昨日、チャンミンに会ったんでしょ?あの店で」
え・・・?
「な・・ んで?」
うそ・・
バレてた・・?
「なんで?知ってたもん、昨日アイツがあの店で接待あるの」
「あー・・」
俺ら営業はよく使う
その言葉で真っ先に私だって脳裏をかすめた
もしかして、って・・・
「美貴ちゃん、トイレから戻ってきたら顔真っ赤にしてるんだもん
あー、これは会っちゃったかな~って思ってさ?
このあとどうする?ってカマかけてみた」
うわぁ・・・
全部、オミトオシだったわけですか・・・
「そしたら、必死になって帰るんだもん、ハハハ、バレバレだったよ」
「・・・・・・・」
はずい・・
恥ずかしい・・
「せめて、婚約者がすっげぇブスだったらよかったのにね」
「え?それって・・空也くん、まるで婚約者さんがそうじゃないって知ってるみたいなー」
「うん、写真、見せてもらったことあるからね」
なんだよ、それ
写真?
持ち歩いてんの?
「すっげぇ~美人だった」
がっびーーーーーん・・・
いま、打ちのめされた気がするっ
よ、よりによって・・・
「そ、そんなに?・・ 美人??」
「ああ。あれなら、チャンミンも気に入ると思う。ってか、気に入ってたんじゃねーの?
こうして女の子みぃ~~んな、断ってたわけだからね」
「あぁ・・・」
そうか
そうだったのか
そうよね
確かにそれなら納得だわ
きっと、すこぶる美人で、タイプだったんだわっ
「でもな~ 美貴ちゃんには違った気がしたから・・・ 結構応援してたんだけどな~」
「ええっ?」
美貴ちゃんには違った?
そんなっ・・
「空也くん、どう違うのかな?そこんとこ、詳しくー」
「でも残念ながら時間切れだったってことだね、もう会っちゃうわけだから」
「あ~・・・」
そう・・ だよね
会っちゃったらね~
っていうか、違うってとこ、やっぱり詳しく聞きたい・・!!
「ねぇ、空也くんっ、」
「じゃ、行こうか」
「・・・はい?」
行こうか、って
今、これ・・ 食べてるところですけど・・
「早くそれ、食べちゃって」
「いやでも、行くって今度はどこへ?私、そんなお出かけの恰好じゃなくって・・」
とりあえず着替えて出てきましたよ、って程度の
トレーナーにジーンズ・・・
でもまぁ、とばかりに、目玉焼きを頬張ると
コーヒーを流し込む
「どこ?そんなの、もちろん・・・ 2人が会ってるところ」
「・・っ!? んぐっー」
2人が会ってるとこって・・・
その場合、2人って・・・
・
・
・
・
・
「ねぇ空也くん、やっぱりこういうのはよくないんじゃないかなぁ~・・」
「うるせー。黙ってここで見張ってろ」
空也くんは、あらかじめチャンミンからどこで会うか聞いていたらしく
迷うことなくふたりが会っているであろうホテルのロビーに着くと
ゆったりとしたソファに、どっかと座って足を組むと
刑事の張り込みかよ、と突っ込みたくなるような感じで新聞を読んでいた
「おまえも座ったら?」
「・・・・・ なんか・・ 怒ってる?」
さっきと言葉遣いが違うような気が・・・
もしかして空也くん、私のためにそんなに怒ってくれてるのっ?
なんて最初は思ったりしたけど
よく考えたらそこまで思ってもらえるほどのつきあいはないし
だとしたらどうして?
「ねぇ空也くん、どうしたの?なんでここまで来たりするわけ?」
私の問いかけに答えるまえに
空也くんの目が
新聞から離れて何かを捕らえた
「・・・・ おい、・・・・ 出てきたぞ」
「えっ?」
言われて私も、振り返ると
エレベーターから降りて、歩いてくる一組のカップルが目に入った
それはそれは・・・
すれ違う人たち、彼らを視線に入れた人たちが皆
うっとりため息をつくほどに美しい姿で
綺麗な女性を
美しい男性がエスコートして歩いてくる
「・・・行くぞ」
立ち上がった空也くんが、私の手を引っ張った
「えっ?ちょっ、空也くんっー」
すると・・・
私の声に気づいたのか
はたまた、近寄ってくる親友の姿に気づいたのか
チャンミンがこっちを向いた
「・・・・・・・・」
視線は、空也君に先に注がれ
そして次に
私を見て、かたまった
でも
驚いたことに
最初に声を発したのは
「・・・ そら?」
チャンミンの隣にいる綺麗な女性だった・・・・
つづく・・・
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昨日の11話に続いての連投になってしまいました
はい
このへんで、想像がついた方もいらっしゃるはず
この続きは、Huluで
なんてことは言いませんよ?(笑)