「なに・・ やってるんです?」
非常口とかかれた重い扉の向こうへと
長身の愛すべきイケメンを連れ込むと
私は思いっきり抱きついていた
直立不動なイケメンの
両腕の脇から背中に手を回し
すんすん・・
「・・・ 息・・ してる」
ひきはがされるのはわかってる
だったら今のうちに思いっきり彼を感じて
匂いを嗅いでー
くんくんくん・・・
「・・・ 汗・・ 臭くないですか?」
「ぜんぜんっ! ・・・・・ ?」
ふわっ
え?え?え?
私っ・・・
抱きしめられてる???
私の背中にもチャンミンの腕が回って・・・
頭の上に・・・え?あご?のせて・・る?
「・・・ ハァ~・・ ほんとにあなたは、バカなんじゃないですか?」
「・・・・・・・・」
感じる・・・
頭のてっぺんに・・・
・・ いいの?かな・・?
いいのっ?
じゃあー
むぎゅぅう~~~~~
渾身の力を込めて抱きしめる
「・・・ そんなことして・・・ いいと思ってるんですか?」
ぐいっー
「あっ・・」
今度こそ、ひきはがされるっー
って思ったら
チャンミンの顔が目の前におりてきた
「・・・・・・・・・・・・」
無言・・・ ですね?
「ごめんなさいっ・・ 一度だけって言ったのに・・・
やっぱり逢いたくって・・逢っちゃったら触りたくって・・
もっともっと、って思っちゃって・・・ ええっ!?」
くいっー
チャンミンの指が、私の顎をもちあげる
どきっ
「・・・ キスは・・ まだ、でしたよね?」
「・・・っ!!!!」
ちゅっ
くちびるっ、触れたっ!?
「・・・・ んっ・・」
ぺろっ
何度も・・・
角度をかえてはまた・・ 何度も
決してくちびるを離すことはしないで
一度きりの口づけを
長く・・・
長く・・・
味わい尽くすように
つづけた・・・
「あれ?・・・ もしかして、さっき飲んでたワイン、今頃キた?」
「え?」
席に帰るなり、空也くんに聞かれた
だいぶん、落ち着いてから戻ってきたつもりだったけど・・・
火照った身体の熱はそんな簡単に引かなかったみたいで
「あ、うん・・ そうかも」
私の頬はきっと、上気してるんだろうな
自分でも思う
顔・・ 赤いって
「そう・・。ね、美貴ちゃん、このあとなんだけどー」
「あ!ごめんなさい、私・・。なんだか酔っちゃったみたいで、これで帰ろうかな」
ーー 店を出て、右に曲がったところにあるコンビニで待ってて
聞こえた・・・よね?
重い扉をあけて店の中へと戻るチャンミンの声が
確かにそう言ってた
・・って、もしかしたら私の切なる願望による幻聴だったりして
なんて気も、トイレ行って思い返したらしたけど
それでも確かめずにはいられない
「じゃあさ、酔いをさますためにも・・ ちょっとだけつきあって?」
「ええっ!?」
・
・
・
・
・
「・・・ いない・・ か」
少しだけ息を切らしてコンビニへとたどり着くと
そこに、彼女の姿はなかった
手持ち無沙汰を誤魔化すように
陳列されている雑誌をひとつ、手に取ると
パラパラとページをめくっていく
遅くなった?
・・いや、そんなに長くはかからなかったと・・
もしかして、聞こえてなかった、とか?
それか、このコンビニだとわからなかった?
別のとこ、行ってるんじゃー
・・って、何を考えてるんだ
そもそも、逢ってどうするつもりだ?
彼女は空也とデートだったんだ
空也が相手なら、きっと今頃・・・
今頃・・?
空也の・・・ 腕のな・・か・・
バッー
オレは携帯を取り出すと
アドレス帳をスクロールしていく
「・・・ ない」
そのままスクロールさせ
空也に電話をかける
ーー おかけになった電話番号は・・
「・・・・・・」
アウトだ・・・
つんつんつんっ・・
シャツの裾をひっぱられ
そのまま振り向くと
「・・・ ( 電話中?) 」
小声で囁く彼女がそこにいた
「・・いや。」
電話を耳元から外すと
そのまま、しまう
「あー、よかった。まだ居てくれて・・。
空也君にね?もう一軒つきあってくれって、タクシーに乗せられそうになったんだけどおりてきちゃった!それから急いで走ってきたから遅くなっちゃって・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・ チャンミン?あれ?私・・・ 呼ばれたわけじゃなかったのかな・・?」
「・・・・・・・・・・」
「あ、やっぱり?・・ちょっとだけ思ったの。もしかしたら私の願望からくる幻聴だったのかも、って・・あはは、やっぱりそうだったかぁ~」
「・・・ 連絡先・・」
「え?」
「連絡先、教えてください。・・・ 美貴の」
つづく・・・