むかつく・・・!
そりゃあ、告ったのは私からです、ハイ
元々、ほんっと、ダメ元で告りました
玉砕覚悟でした
これ以上不毛な片想いを続けていても
無駄に歳を重ねるだけだと友達に言われ
前へと進むための儀式だ、と自分に言い聞かせ
ねぇちょっと!と話のついでみたいな勢いで。
だから
彼の声で、いいよ、と聞こえたときには我が耳を疑いました、思いっきり
そして放心状態な私に
ーー じゃあ、一緒に帰る?
まるでなんでもないことのように言ってのけた彼
ちょっとあなた!
ちゃんとわかってる?
なんて確認するのは
心の中でだけで
口に出して問いただすなんてことは到底できなかった
なかったことにされるのがもう既に、怖くなっていたのだ
彼は何か勘違いをしているのかもしれない
これは、ただ一緒に帰ろうと誘ってくれただけなのかも
いいよ、って聞こえたのは私の空耳だったとか
確認するのは怖すぎて
玉砕してもいい、と覚悟を決めていたときの自分には
もはや戻れなくなってしまっているくらい
私は浮かれてしまっていて
あの帰り道、並んで何を話したのか
全く記憶にない
とにかく、私を慰めようと家の前で待機してくれていた友達は
事の次第に、口をあんぐりと開けて驚き
・・・うそでしょ
・・・まさか
・・・え?
・・・彼って女の趣味悪くない?
とても私の友達とは思えないようなセリフを吐いた
あれから一週間
半信半疑、浮かれぽんちな私は継続中で
『彼』の存在にいまだ慣れずにいる
今日も一緒に帰る約束をしていたので
ちょっと早く終わった私は
彼のいる職場へと足を運ぶと
同僚に囲まれて談笑している彼の姿を発見した
そして・・・
見惚れる
彼が
人の話を黙って聞きながら
穏やかに笑う雰囲気が好き
いつまでだって、見ていられる
私ばっかり彼が好きでむかつく
「誰かに用?」
びくっ
突然、背後から声をかけられ
振り向くと
その声の主は驚くほど私のそばに立っていて
こんな近くまで来られたことに気付かないほど
夢中で彼をみていた自分の阿呆さに軽くショック
「誰?呼んであげようか?」
しかも、この人、彼の上司だ
「いえっ、だいじょうぶですっ!!」
私は勢いをつけて深くお辞儀をすると
「失礼しますっ!!」
そう言って踵を返し、逃げるように走った
パタパタパタ・・・
漫画なら、そんな音が聞こえてきそうだな
少し離れた場所までくると
携帯を取り出し、メールを送ろうとカキカキ・・・
少し遅れます?
いや、それも違うな
どこか近くで待ってます?
いや、どこで?
書いては消し、書いては消し
何て送っていいのか試行錯誤、悪戦苦闘しつつ
手元のスマホに集中している私は
またも
近づいてくる人の気配にすら、気がつかなかった
「・・・・ん?」
いつのまにか
覗き込むようにして、彼の美しい顔が近くにあった
どきっ!!
心臓、えぐられるっ!!!
「えっ///// どっ、どうしてっ!!?」
驚きで半歩引いてしまった私に
彼は片眉を下げてふっと笑い
あ、私の好きな顔だ
なんて再認識させてくれちゃって
・・・困る!
「どうして、って・・・。
約束、したでしょ?一緒に帰るって」
あれ・・?
ちょっと・・・ 怒ってる?
「したした、それは確かにしたんだけど
さっき行ったら、皆さんと楽しそうにおしゃべりしてたから・・」
「声かけてくれたらよかったのに」
「え?そんな・・ せっかく皆と楽しそうに話してるのに邪魔するなんて」
できないよっ
「だからって、帰ることないだろ!」
はっ?
帰るっ?
「帰ってナイナイっ!!今、どうしようかメールしようとー」
「はぁ~・・・ むかつく。 チーフに肩触られてたwww」
(素敵な画像、お借りしました。)
「・・え?肩?」
チーフって、さっきの・・
声かけてくれた上司さんだよね?
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
目が・・・
合わない
でも、いつもと違って今日、外してるのは、そっちだよね?
え?///////
なんかまるで、やきもち妬いてくれてるように聞こえてしまう
が、しかぁ~~し
待て待て
冷静になれ
って、なれないけど、頑張るんだ!!
私は肩など、触られていない
ということは・・・
「え?チャンミンっ、あの人に触られたのっ!?」
「・・・・・」
ちょっとの間があり
大きな目を開けた彼から漏れ出た次の言葉は・・・
「はぁっ!?」
ひぃーーーーっY(>_<、)Y
彼の大きく見開かれた目が怖いっ!!
「だってチャンミン、肩触られたって・・・」
むかつくって言ってたからっー
ぎゅっと目を閉じて、耳を塞ぐ
「触られたのは貴女でしょー!?」
頭の上から聞こえてくる彼の声
「私は触られてなんかナイナイっ!!」
相変わらず、目を閉じ、耳を塞いでそのまましゃべる
すると・・・
私の耳を塞いでいた両手に
突然肌のぬくもりを感じたと思ったら
それはなんと、チャンミンの手で・・・
彼の手が、私の手を掴んで耳から離していく
「・・・ ほんとに?・・・ 触られてない?」
あろうことか
私の目の前で、とてもとても美しい顔が
心配そうに覗き込んでくれている
もう、心臓に悪い
どきどき、なんてもんじゃない
どっきゅん、どっきゅん、だ
いやもっと
どっぎゅん、どっぎゅん?
わからないけど、どきどきの最上級みたいな・・・
「・・・・・・・うん・・」
バクバクと
本当にうるさいくらい脈打っている心臓の音
私の両手を掴んでいた彼の両手が
指を広げるようにして
絡まってきて
息をしたら、彼の顔にかかっちゃうんじゃないかってくらい
近くって・・・・
「あー、疲れたぁ~」
「どっかで一杯、やっていきません?」
バタバタと、誰かの声が聞こえてきて
慌てて距離が広がった
「・・・・//////、 帰る?」
「うん・・/////」
