親族のみでの式の間は、足が地についてないような状況だった
お父さんの顔を見てホッとしては
おばあさまの顔を見て緊張し
おじいちゃんの顔を見てまたホッとして・・・
チャンミン君は心なしか、以前に会った時よりも機嫌がよかったような・・
気のせいだったかな
とにかく、よく覚えてない
「リスト、覚えられなかった、て?」
いよいよ、お客様を招いての披露パーティとなる前
新郎新婦の控室で、ユノに言われた
「そんなことないけど・・・」
実は、寝る前に見てたけど、それをひらくと
自然と瞼が重くなっていって・・・
「・・・ ちょっと自信ない」
「ふっ・・ まぁいい。オレか恭弥がそばにいるようにするから」
「うん・・」
ジッと見つめられて、何だかこそばゆくなった
な、なにっ??
「それにしても・・・ 他にいいドレスはなかったのか?」
あ~~~
それ、言いますっ?
「違うの、違うの!これはっ・・ 私が実家にいる間の不摂生がたたって
ちょっと太っちゃって・・お見苦しいことに・・
試着しに行ったときはね?もっとこう、スレンダーな感じで
素敵だったの!!」
「・・・・・・・」
ユノが何か言いかけたとき
コンコン、とドアをノックする音がして
ガチャリとあけ、真崎が顔を出した
「ご主人様、そろそろお時間です」
「ん」
あ・・
振り向いて行っちゃう
真崎に近づくと、その耳元で何か呟いて・・
おーおー
真崎ったら、喜んじゃって・・・
顔、赤いぞ?
にやけてるぞ?
「りか!・・・ 行くぞ?」
ほら、とばかりに長い手が伸びてきた
私は、返事をしてその手をとる
よしっ! 行くぞっ!
・
・
・
・
・
「これはこれは、ミン社長!今日はようこそ^^」
ユノの挨拶で顔を見る
え?
写真で見たのと髪型が違ってる・・!!
はぁ~・・
今日は全部こんな感じだ
「やあ!今日はお招きをいただいて・・・
彼は私の部下でー」
ミン社長が後ろの人を紹介しようとしたそのとき
「望月さん、・・・・ですよね?」
ユノが先に名を呼んだ
ミン社長は驚いて2人を見比べている
「ええ、お久しぶりです、チョン代表!」
「なんだ?会ったことがあったのか!」
「ええ、以前に妻の働く店でちょっと・・」
ん?
あ、そういえばあの時って・・
あれ、合コンの後じゃなかったっけ?
え、それってこんなところでバレたらあまりいいイメージない・・
「あの時はまさか、この方と本当にご結婚されるなんて思いもよりませんでしたよ。
だって合コ・・」
「ああーーっ、望月さんっ!今日はようこそ、ありがとうございます!
すごいですね、ミン社長とご一緒に来ていただけるなんて・・・
まさに、あのときおっしゃっていたようにミン社長の片腕なんですね~」
「・・・・」
「・・・・」
え?
ユノとミン社長、かたまっちゃった?
ええっ?
私、もしかして何か言っちゃいけないこと言っちゃった??
「そうだ、ミン社長。うちのチャンミンが、今度何か面白いことを考えているようでして」
・・・・ うちのチャンミン?
なに?それ、奥さんかよっ!!
って、妻の私がつっこみたくなるほどの言いっぷりね
「まだまだ、引退など考えてはいられないのでは?」
ギョッ!
い、引退っ!?
ミン社長が?
だってこの人、まだまだ全然若いでしょ!!
最近結婚したばかりだってー
「・・・ あの、チョン代表?」
望月君が青ざめた顔して、ユノに声をかけている
「そうだな、妻にも言われたよ。なんでも?彼女は、パーティ以来、シム社長の恋人と話が合うようでね。」
「ええっ?」
ええっ?
そこ、つながってるのっ!?
これには、私ばかりか望月くんも驚いているようで
にこにこしているのは、ユノとミン社長だけ
「今日もほら、・・・・ あそこで彼女と一緒にいるよ」
ミン社長が指された方へと視線を向けると
びっくり!!
ゆりちゃんがいるっ!!
「・・・ 朝倉・・?あの・・ チョン代表、ミン社長、失礼します」
望月さんは、慌てて私たちにお辞儀をすると
ゆりちゃんの方へと駆け寄って行った
そういえば彼・・・
確か、ゆりちゃんのこと・・・
ぼ~~っと視線を馳せていると
ミン社長の笑い声が聞こえてきた
「それにしても、君の好みは・・・ 理解できないな」
・・・ん?
どうやら私のことを言っている?
やばい、私のせいでユノがバカにされてるっー
「あのっー」
「それはよかった。・・・ 誰にでも理解されては困ります。」
・・・・え?
なんかよくわかんないけど・・・
照れる・・・(#゚ロ゚#)━━ッ!!
「僕たちの披露パーティにも来てほしかったな」
「あ~あの時は申し訳ありませんでした。どうしても外せない商談が香港でありまして」
「ああ、わかってるよ。だからまた今度、よかったらうちにも来てくれ。
ぜひ、奥様とご一緒に^^」
ええーーーっ??
私もっ!?
驚いてユノの方を見上げると
ん、と笑って
「ええ、ぜひ」
なんてスマートな返事なんでしょう・・・
「よろしくお願いしますっ!!」
私は慌ててお辞儀をする
すると、またくすっと笑われて
「・・・ あまり深くお辞儀をしない方がいいと思いますよ?」
・・え?
ゆっくり顔を上げる
「では、お幸せに」
目が合うと、ミン社長はそう笑って歩いていかれた
奥様の方へと
私は不思議に思って隣に立っている旦那様に尋ねた
「ねぇ、ユノ。もしかして、こういうときって、妻は深くお辞儀をしないものなの?」
「・・・ そうだな。今日はオレの後ろで黙って笑っとけ。」
「ええっ?後ろでっ!?」
もしかして・・・
妻は3歩下がって、ってやつなのかしら・・?
「あ、あれ、藤宮・・・」
こちらに向かって歩いてくる人は
あの藤宮様のお父様だ!!
「そうだな」
「え?来られるのっ?」
「もちろん」
そう小声で話している間にも
藤宮父は私たちの目の前までやってきていて
「チョン代表!このたびは、おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「奥様も・・^^」
うわっ
こっち、向かれた!
「ありがとうございますっ」
私は慌ててお辞儀をする・・あ、深いのはダメだった!!
「先日は、あの・・ 大変ご迷惑を・・」
「会長!もうその話はやめてください。これに懲りず、これからもよろしくお願いします」
「そんなっ・・ それはこちらのセリフです!今日もこうして呼んでいただけて・・・」
すごい・・・
ユノったら、このオジサマを手玉にとってる感が半端ないわ・・・
もしかして、あのお嬢様のやらかしちゃった事件が
功を奏した状態になっちゃったってやつ?
「藤宮会長、今日は皆さんと楽しんでいってください^^」
「奥様・・ ありがとうございます」
藤宮会長が手を出されたものだから
握手?と思って手を伸ばすと
両手でしっかと握られた
ぶんぶんぶんっ
「あ、あの・・・」
「奥様、ほんとにありがとうございます!お優しくて・・・
この藤宮、感動しております・・」
ぶんぶんぶんっ
このオジサマ、意外と熱血タイプなの?
と思ったそのとき
バンッーー
「ひっー・・」
「・・・ えっ?」
チョップのように、ユノの左手が降りてきて
ブツッとオジサマの手を遮断した
私の手から・・・
「あっ・・ それではこれで失礼を・・」
藤宮会長は、そそくさと会場内へと紛れて行った
「・・・・ ユノ?」
もしかして、あんなオジサマにやきもち妬いてくれたとか・・?
私は隣を見上げる
「恭弥を・・ あーくそっ、おまえ用に誰か女をつけるんだった・・」
「え?」
「・・・ 誰か雇うか・・・」
隣からぶつぶつ聞こえる
「でもユノ、確か結婚しても家政婦さんとかは雇わないって言ってた、って
おばあ様が・・・」
言ってらしたような・・・
「家政婦じゃない。」
このときの、ユノの心境を私が知るのは
夜になってからだった
つづく・・・