「おはようございます、ご主人様」

 

 

「おはよう・・」

 

 

 

マンションの下

車を停めてドアを開け、待っていた恭弥に挨拶をすると

その後部座席へと乗り込んだ

 

 

「・・・ 恭弥。少し寝る。先方に着くまで話しかけるな。」

 

 

「えっ、ご主人様、今日も寝不足で?」

 

 

「・・・・・・」

 

寝不足・・・

だな

 

 

まったく・・・

アイツときたら

人の気も知らずに

ベッドに入ってくるんだからな

 

 

 

 

 

 

ーー ド○えもーーーん!・・・・ 出してぇーー

 

 

 

「・・ ハハッ!!」

 

 

 

「どうかなさいましたか?ご主人様!」

 

 

「いや・・ ちょっと思い出しただけだ」

 

 

「思い出し・・ まさか、アイツがまた何かやらかしましたかっ?」

 

 

 

・・・ アイツ?

 

そう、アイツが何かやらかしたんだがな?

 

 

「恭弥。 おまえ、何度言ったらわかる、アイツじゃないだろう?ん?」

 

 

「もっ、申し訳ございませんっ!!ですがご主人様・・・ 今更

アイツのことをりかさまとか呼べる気がしません!!」

 

 

「・・・ あぁ~・・ それもそうか・・・

 

おまえたち、ずいぶん仲良しだもんな」

 

 

チャンミンがずいぶん言っていた

 

 

 

「仲良しっ?バカなっ!!・・・ご結婚なさったら、奥様とお呼びします」

 

 

「なんだ?もしかして恭弥、おまえ・・ オレが結婚しないと思ってるのか?」

 

 

「いいえ、決してそんなことはございません。単なる呼び方のタイミングの問題です」

 

 

「まぁもういい。おまえの好きなように呼べ。」

 

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アイツの呼び方なんて些細なことにこだわりすぎるのも、らしくない

 

 

「とにかく、オレは寝る。着くまで話しかけるな」

 

 

「は、はいっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よかったな、取引、再開してもらえたんだって?」

 

 

西店から帳簿を持って響が来ていた

スタッフたちも、響に声をかけられると、どこか嬉しそうな感じがして

こういうときって、店長って男の方がいいのかな~

って考えさせられる

でも、女の方がいいとこだってあるし!

ってすぐに切り替えちゃうんだけどね

 

 

「うん、ほんとに助かったぁ~」

 

「そうだな、あの3つがないとさすがに・・・

東店の売り上げ、なくなるもんな~

西店の1人勝ち状態になっちまうとこだった」

 

「言わないでよ、もう~ オーナーにもすごく言われたんだから・・」

 

 

新しいとこを取り入れるにしても、ごそっと替えるとなると

店の雰囲気もかわっちゃうから

今までの顧客さんたちにどう影響を与えるかって

心配だったし・・・

 

今回は本当にまいった・・・

だから藤宮さまにはすごく感謝している

 

 

「やっぱりアイツは関係なかったんだな・・・・」

 

 

「ん?アイツって・・・あ~」

 

 

ユノのことか!!

 

って、なんだろう?

ユノって心の中で思い浮かべただけで

顔が熱くなる

 

 

「うん・・ だったね」

 

 

「・・・・・? りか?おまえ・・・・」

 

 

「どうかした?」

 

 

突然、響が私をめずらしいものでも見つけたみたいに見ると

 

 

「いや・・ なんでもない・・・」

 

 

なんでもない、って言いつつも歯切れの悪い響に

どこかひっかかってしまい

私は食い下がった

 

 

「なになに?」

 

「・・・」

 

「ねぇ~、なによ!」

 

「いや、・・・ なんとか伯爵はまだ健在か?」

 

「え?」

 

今度は私のほうがびっくり顔で響を見つめる

 

あんなに好きだったグランチェスター伯爵・・・

この間、実家に寄っても見なかった・・

 

 

「・・・・・ もう帰るのか?」

 

「えっ?あ、うん」

 

 

今日は先に帰ってちゃんと、って・・

 

 

「雨降りそうだったから、気をつけてな。

オレはもう少しオーナーと話して帰る」

 

「そう、じゃ・・ 響も帰り、気をつけてね。お先!」

 

 

響に手を振って、ビルの通用口を出た

 

空を見上げると暗がりの中でも、確かに暗雲立ち込める感じが漂っている

 

マンションまで、もつかな・・・

 

手の平をひろげ、心の中で思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マンション最寄りのバス停でバスを降りると

数分前から降り出した雨でアスファルトは水たまりが出来るほどになっていた

 

買い物の途中で買ったビニール傘が役に立った

響に感謝!

 

出来るだけ濡れないように急いで歩くと

食材入りのエコバックがガサゴソと音を立てる

 

 

「りかさんっー!?」

 

 

 

突然、私の名前を呼ぶ声が聞こえ

傘を持ったまま振り向くと

 

 

本屋さんの軒下で、ずぶ濡れになっている人の姿が目に入った

 

 

「藤宮さまっ・・!?」

 

 

そこに、全く不似合いな方が立っておられるので

自分の中でそれが藤宮さまだと認識をするのに少しだけ時間がかかった

 

私は急いで駆け寄る

 

 

「藤宮様、大丈夫ですか?雨に・・?」

「ちょうどよかった!・・りかさんのお宅はこの近くなのっ?

よかったら、シャワーと着替えをお借りできないかしら?」

 

 

私の言葉を遮るように話しかけてこられ

その姿をあらためて確認すると

ひどく雨にうたれ、身体を若干震わせておられるほどだ

 

 

「大丈夫ですかっ?ええ、この近くなんですっ!行きましょう!!」

 

 

私はすぐさま藤宮さまの腕をとると

傘をかたむけ、ユノのマンションへと連れて行った

 

 

 

そう

 

このときの私には

 

 

お金持ちの彼女が、どうしてこんなところでずぶ濡れでいたのか

 

 

そんな

 

ちょっと考えれば、不審に思うことにすら

 

 

気づくことが出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・

 

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

さてさて

 

ここからしばらく、急展開?

 

書きたいところまで

 

コメント欄、閉じさせていただきますm(_ _ )m

 

 

ユノさん

 

もう、来週だよ、らいしゅう~~~