スクリーンには、今後上映予定となる映画の予告編が流れ始めていた

 

 

「・・・ だからオーラ、隠せてないよ、って言ったのに・・・」

 

 

私の隣の席は空いたままだ

 

なぜなら

さっき、王子がバレて女の子たちに掴まってしまったから

 

あんなメガネ王子、かえって目立つに決まってる

いつもより、寧ろ好き!

 

 

「・・・ かっこよすぎ」

 

 

もしかして、このままひとりで見ることになるのかしら?

 

はぁ~・・

それは勘弁だわ~

だってこの映画って

 

ホラーなのよ!?

ホラー!!

 

絶対ひとりでは見ないやつでしょ

 

まぁ?

 

オトコの人と見ても

「きゃー、こっわぁ~~い~~」

なんて言って抱きついたりできるキャラじゃないですけどね

 

もし・・・

 

彼がそういうことを期待してこの映画に誘ってくれたんだとしたら

 

ごめんなさい

ガッカリさせちゃうわ

 

 

「なぁ~んって・・ そんなの期待されてるわけもないか」

 

 

遂に本編が始まりだした

 

 

隣の座席が倒される音がして、ふわっと空気が動いた

 

 

「・・・ 大丈夫だった?」

 

 

小声で隣に伺うと

 

服が擦れる音がして

2人の間にある肘掛に彼が腕をおき

私の方へと身を乗り出して

 

・・えっ、ちかいっ//////

 

 

「トイレに駆け込んで始まるの待ってた・・」

 

 

 

み、耳元でそう言われたっ//////

 

 

なにこれ、なにこれっ

こんな技が存在したのっ?

 

破壊力半端ないっ

 

こんなことっ

いまだかつて、誰にもされたことないっ!!

 

 

 

 

 

「そっ・・それは、・・・・ おつかれさまでした」

 

 

 

暗くてよかった

絶対私、耳とか、頬とか、赤くなってる自信あるっ

 

 

 

レイトショーだし

とりたてて話題の作品でもなかったせいか

背もたれの上から飛び出している頭はほとんどなく

お客さんはまばらだった

 

 

 

「わっ!!!」

 

 

隣から、声が上がった

私も見ていてビクッとなったけど

その声にまた驚くほどだった

 

 

「・・・ 怖いの?」

 

「まさか!」

 

 

くすっ

 

 

 

「おっ!!」

 

「えっ!?」

 

「わぁっ!!」

 

 

 

その後も続く彼の声

 

私はだまって手を伸ばすと

 

肘掛に伸びている彼の手の上にそっと重ねた

 

 

ぎゅって・・

 

包み込んで力を入れると

 

 

彼が手をひっくりかえし

 

下から指を絡ませて、ぎゅっと握り返してきた

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

何度目だろう

 

彼とこんなふうに

 

手を繋ぐのは

 

 

 

これが恋人繋ぎって言うんだってことは

私でも知っている

 

まさか自分が

 

こんなふうに手を繋ぐのが

 

こんなにドキドキして

破廉恥な気持ちになると知ることになるなんて

 

 

しかも

 

その相手がこんな・・・

 

素敵な人だなんて・・・

 

いいのかしら

 

罰が当たりそう

 

こんなにドキドキしてるの

バレないようにしなきゃ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・ 出ます」

 

エンドロールが流れるや否や

彼はそう言うと

繋いでいた手をパッと離した

 

 

私は掛けていたバッグを手に取り

後に続きながらふと

 

あれ?

これって、ついていってもいいのかな?

 

と、思いとどまっていると

 

「何してるのっ、早くっー」

 

 

前から手がのびてきて

あっという間に私の手をさらっていく

 

 

「いいのっ?」

 

 

ついていきながら

小声で彼に問う

 

 

「なにがっ」

 

 

だって・・・

 

「私、一緒に出ても大丈夫?」

 

 

私の質問に

彼は早足で歩きながら

 

繋いだ手にぎゅっと力をこめると

劇場のドアをあける

 

 

「優雨がいいならー」

 

 

バッと外の灯りが目に入って眩しい・・・

 

 

「今日はもう、このままでずっと歩きたい」

 

 

え?え?え?

 

どういうこと?

 

 

このままで、っていうのは

手を繋いだまま、歩きたいってこと?

 

私がいいなら、っていうのは

どういう意味?

 

 

 

映画を見るまえに居た女の子たちは

もういなくなっているみたいで

 

劇場を出ても、誰かがすぐに駆け寄ってくることはなかった

 

 

「なんか・・ 大丈夫そうね」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「えと・・ このあとどうする?

私、事務所からそのまま来たから何も食べてなくて」

 

 

いつ、この手を離したらいいのかわからなくて

離さなくていいのかもわからなくて

思いの外、早口でまくしたてる格好になってしまった

 

 

「わかってる。さっきお腹、鳴ってた」

 

 

・・・・ やっぱり、聞こえてたっ!?

 

 

「そこはわかっていても、聞こえなかったフリするとこじゃないの?」

 

 

恥ずかしいっ/////

 

バッと勢いで、そのまま手を離そうとしたら

 

ぐいっと繋ぎかえされた

 

 

ドキッ

 

 

「何かテイクアウトして・・ ウチで食べない?」

 

 

彼のセリフに、頭の中が真っ白になる

 

 

・・・ ウチデタベナイ?

 

 

 

「・・・ だれの?」

 

 

 

私の問いに

 

繋いでない方の手の、親指で

自身を指さす彼

 

 

 

週末の

 

こんな時間に

 

食べ物をテイクアウトして、男の人の家に行く

 

それがどういうことだか・・・・

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

言葉にならない・・

 

 

 

「ああ~~・・ 今、ヤラしいこと考えたでしょ

そうじゃなくって、ウチなら人目を気にしなくていいかと思っただけでー」

 

 

「ムリ・・・・」

 

 

 

私は繋いでいる手に力をこめて

ひっこぬくように引いた

 

 

でもそれをまた

彼も捕まえるようにして手をのばし

 

 

 

「じゃあ、何て言ったら来てくれるのっ!

オレはもっとー」

 

 

「私の方がヤラしいこと考えてるものっ・・・」

 

 

 

あー・・・

 

 

言っちゃった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・

 

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どうでしょうか?

 

 

ちゃんとこれ

 

チャンミンで想像していただけてます?

 

 

『彼』 としかありませんが・・・・

 

 

ちなみに私は

 

思いっきり、チャンミンで妄想しています