「ねぇ、あれって、王子じゃない?」

 

 

ビクンッ

 

店内から可愛い囁き声が聞こえてきた

 

 

 

「キャー!!ラッキー!!」

「お泊り会の買い出し来てよかったよねっ」

「え?でも、女連れ・・?」

 

 

え?

私のこと・・?

 

 

「やだー、ショックぅー」

 

 

慌てて繋いでいた手を勢いよく放した

 

 

 

「えっ?」

 

驚いたチャンミンがこっちを見る

 

私は視線を避けるようにして、全然別のコーナーへと移動していく

 

「は?おいっー」

 

この際、背中に聞こえる声は無視

 

 

「あの~ ちょっといいですか?私たち、貴方のファンなんですっ

ツイッターもインスタもフォローしてますっ!!」

 

女の子たちがすぐさま彼を取り囲んだ

 

 

 

私のこと、ツレじゃないって思ってもらえたかな?

 

ふぅ~・・

あやうく勘違いするところだった

 

カップめん、オレも食べたいって、お腹減ってたのよね?

そういえば彼、マスターのところでそんな食べてなかったもの

 

やばいやばい

一緒に食べるのかと思っちゃった

 

そんなの、どこで?って話よね

くすっ・・

 

 

私は彼の方を向いて、手の平をかざすと

 

 

ぐぅ~・・ ぱぁ~・・ バイバイ

 

 

ひとつ会釈をして、コンビニを出た

 

 

ひゅ~~っと頬に刺す風はまだ春の訪れを感じさせるものではなく

冷たい

 

「・・ あぶないあぶない、浮かれてた」

 

私の心の温度も下げていく

 

 

「あっれーー!!桜井さんっ!?」

 

 

ビクッ!!!

 

こ、このっ・・

聞きなれた声はー

 

 

ゆっくりと声がした方を向くと・・

 

あ~・・ やっぱり・・

 

 

 

「・・ 楓くん・・」

 

事務所の後輩だ

 

 

「えーっ、ええーーっ こんな時間にこんなところで逢えるなんて

もしかしてこれって運命っ!?」

 

 

こんな時間でもテンション高くて人懐っこい・・

 

私は大きく溜息をつくと

 

「運命じゃありません、ただの偶然です」

 

ビシッと言い放ってやった

 

「オレ、さっきまで三嶋先輩に掴まって、ずーーっと愚痴聞かされてたんですよ

あー、ついてないって思ってたけど・・あこがれの桜井さんに会えるなんて

オレってラッキー!!!」

 

ガバッ

 

ギョッ!!

いきなり腕、組まれた

 

「ちょっと楓くんっ!?」

 

彼はヒールを履いた私と並ぶと目線がほぼ同じ

ともすれば、私の方が上から見下ろすようになる時もある

だからかな

可愛い小動物のようで、無碍にはできない・・んだよね~

 

でも、こんな時間にいきなり腕なんて組まれたら・・

 

少しだけ後ろ髪を引かれるように気になる

まだコンビニにいるであろう人のことが

 

こんなとき・・

 

『おまえ、彼女の何なんだ!?』

 

なんてやきもちを妬いた彼が現れて

私と楓くんの間に割り込んできてー

 

・・・ なぁ~んてことがあるわけ・・

 

ないよねーー

 

 

チラッと店内をふりかえると

 

にこにこしながらさっきの彼女たちと写真を撮っている姿が目に入った

 

 

「・・ ピースなんかしてるし・・」

 

 

 

「え?桜井さん、何か言いました?」

 

 

楓ぇ~~~

 

近いし、お酒くさい・・・

 

 

「何も。ほらっ、帰るわよ!!三嶋さんには明日私から一言、いっといてあげるから」

 

「ええーーっ!ダメですよっ そしたらオレが桜井さんに愚痴ってると思われるじゃないですか!」

 

「・・・・」

 

 

実際、愚痴ってるでしょうが

 

でもまぁ・・

 

「うまく言っとくから。とにかく帰るわよ。早く帰って寝ないと

明日二日酔いで頭回らなくなるからね?」

 

「はぁ~~い!!」

 

 

・・・ いいお返事だこと

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの~ 何を買われるんですか?」

「カップ麺?私も買うー」

「私も私も!」

 

 

「・・・ 買うならこれどうぞ」

 

 

手に持っていたカップ麺を彼女に差し出す

 

 

「いいんですかっ!?」

 

 

「ええ。」

 

 

要らなくなったので

 

 

「ちょっとずるーい!!それ、王子が触ったやつじゃんっ!!」

 

 

喧嘩しないでね

 

 

 

って、人には言いますが!!

 

なんだなんだ?

 

誰なんだ?

 

あの男はいったい・・・

 

 

もしかして、待ち合わせていたのか?

 

あの男とカップ麺を!?

 

でも彼女が買ったのはひとつだった

 

 

にしても・・

 

 

「・・ あのバイバイ・・ すっげぇ可愛かった・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手帳に今日のこと、書いておこうとバッグから取り出すと

何かが一緒に出てきて下に落ちた

 

 

「・・ コースター?」

 

 

あの店の・・?

 

すぐ目に付いた、書かれていることに

 

 

『かけてみ?あこがれの人の声が聞けるよー』

 

 

そう走り書きされて、携帯の番号が並んでる

 

途中、6なのか、0なのか悩むのもあるけど

マスター、これって・・・

 

いつの間に?

 

ドッキリじゃないよね?

 

かけたらマスターが出たりして・・・

 

 

「・・ ありそー」

 

 

くすっ

 

きっとそんなとこですよね?

 

いや、でも、もしかしたら・・・

信じる者は救われるって言うし?

 

とはいえ、今夜はもうあまりにも遅いので明日・・

 

 

え?

 

かけるの?

 

おいおい、それはいい気になりすぎでしょ

 

そもそもマスターの携帯かもよ?

 

いいじゃん

 

だってかけるまでは、これは彼の番号だと思ってドキドキできるから・・・

 

きっと明日はドキドキな一日になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ キス・・・ ハグ・・・ 手・・・」

 

60762879.jpeg

 

「はぁ~~~・・・」

 

 

ぜんっぜん、実感がないっ!!!

 

 

 

彼女はあのあと、あの男と・・・・?

 

 

いやいや、カップ麺はひとつだった

(あくまでもそこ・・!)

 

 

「コンビニ行くより、先に電話番号聞いとけよー、オレ!!」

 

 

はぁ~・・・

 

浮かれてた

 

また逢えて・・・

 

もう、かんっぜんに浮かれてた!

 

まさか、あんなところでバイバイがやってくるとは・・・

 

 

可愛かったけど

 

 

 

 

「・・・ ゆう ・・・ ゆう ・・・」

 

 

 

口に出して呼ぶの

 

 

恥ずかしかったのに

 

 

知らないだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・

 

(めちゃくちゃ素敵な画像、お借りしました。ありがとうございます)

 

 

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皆様、こんにちは^^

 

「ちゃみチョコ」

 

読んでるこっちがとけちゃうよ

 

ってくらい、きゅんきゅんしてもらえたらいいな~

 

ちなみに、書いてるこっちがとけちゃうよ

 

ですけどね?私は・・(笑)