お店を出て、タクシーがなかなかつかまらなくて
うろうろしている間にふと目に留まったコンビニの灯り
そういえば・・・
カップラーメン食べたいかも
そんなことを考えて自動扉をくぐった
ーー さっきの、ダメだった?
彼が言ったセリフと表情
ダメじゃない
ダメじゃないから困ってる
もっともっと、って欲張ってる自分を見つけて
困ってる
彼はあこがれの人・・・
シーフード味を手にとり、レジにいくとバッグの中から財布をガサゴソ
ハッ!!!!
私、結局今夜もお金払ってない・・!!
中身の減っていない財布を見つめて気づいた
・・・ 2千円でどんだけ飲み食いしたんだよぉーーー
かといって、今更お店に戻っても?
まるでチャンミンに逢いたくて戻ってきたととられそうだし?
・・ でもあながち、外れてないんだもんな~、もう・・
「・・ あの~・・ お客さん?」
ハッ!!
レジで声をかけられて我に返ると
スミマセン、スミマセン、ときっちりお金を払ってコンビニの自動扉へと歩いていく
そのときだった
・・・え?
今の・・・
チャンミンが、コンビニの前を左から右へと駆け抜けて行くのが見えた
・・・ ような気がする
「え?違った・・?」
急いで自動扉をくぐり抜けると
さっき、彼が走り抜けた方へと頭ごと向ける
・・・ いた!!!
どこ行くんだろう?
疲れた、って言ってたから家に帰るところ?
彼の家はここから歩き圏内?
このまま追いかけていったら、彼の家がわかったりする?
・・・ おいおい、それじゃあストーカーだろう?
なんて思いながらも
私の足は駆け足で彼を追っていた
何か探しているのかな?
時折、立ち止まっては、きょろきょろと、頭を動かしている
右・・、左・・・
後ろから、ちらっと見える横顔がかっこいい
あ、訂正
横顔、も! かっこいい(笑)
疲れた身体に結構飲んでたような気がするけど・・・
走って大丈夫なのかな?
あ・・・
やっぱり・・(笑)
疲れたようで、立ち止まって少し前かがみになると、両膝に手を置いて
ハァハァ・・と・・・
えっ!!!!
振り返った?こっち・・・
げっ!!!
目、合った?
気づかれたっ?
慌てて後ろを向いて、私は早足で歩き出す
ほぼ競歩
走らない程度に・・・
だんだん速く
不自然でない程度に・・
バレてない・・?
だいじょうぶ?
何だか後ろから足音が迫ってきているような気がするっー
バレてないわけないかっ!!!
やばっー
こうなったら駆け足っ!!
ダッーー
「待て、って!!!」
ドキッ
今の・・・
私に?
私に言った?
ビクッとなって立ち止まる
悲しいかな?
憧れの人に待てと言われて待たない人っている?
そんなの、いるとしたら犯罪者くらいだよね?
・・って、あ、私もストーカー?
なんて考えてる間に
「・・・ ハァ・・ ハァ・・ なに・・?してる・・?」
来ちゃってた・・
彼・・
私の横でハァハァ言ってる
「なにしてる?って・・」
もしかして、追いかけてきたと思って
怒ってる?
正解…!!
なんて、心のなかでまるを出してるどころじゃない
「・・ コンビニから・・ 貴方が走って行くのが見えて・・
どこ・・ 行くのかな?って・・・」
ええいっ!!
ここは正直に言って許しを請うのみよっ
潔くねっ!!
どうせ気持ちはバレバレなんだから
変に隠し立てする方がっー
なんて覚悟を決めてしゃべったら
ガバッ
「うえっ?」
抱きしめられた・・?・・てる?(現在進行形)
ありえないことが起きて
頭が混乱している
私は案山子のように彼の腕のなかでつったって・・・いる・・?
「あっ、ごめっ・・ 汗くさいかも、オレ・・」
くんくんくん・・
「そんなことないよ?」
ゲッ!!
思わず匂ってしまった・・!!
え?
くちびる噛んで・・ 向こう、向いた?
引いてる?
やばかったか!!
そりゃそうだよね、くんくんくんって匂い嗅ぐ?
綺麗なお姉さんのすることじゃあないわっ!!
「・・・ ごめんなさい」
「何、買ったの?」
セリフがかぶった
「・・ コンビニで、何、買ったの?」
腕がゆるまった
となると、私はチャンミンの腕のなかから解放された感じだけど・・・
それでもまだ、近い
近すぎるほど
私はのけぞるようにして
手に持っていた、コンビニ袋を持ち上げる
「・・ カップラーメン」
ぶらんぶらんぶらん
揺れて、袋の音がシャカシャカとする
「・・ ひとつだけ?」
「だってそんな・・・」
何、聞いてるの?
「じゃあ、もうひとつ買いに行こう。オレも食べたい」
そういうと
彼はあっという間に私の手を握り
2人・・・
コンビニへと歩き出した
え?え?え?
どういうこと・・・?
私とチャンミン
手を繋いでる???
私の手には、ひたすら汗が湧き出ていた
つづく・・・