え・・・?え?え?え?え?
ドアが開いたよ、ってマスターが教えてくれたけど・・
それって、さっきの私が言った漫画だったら云々に繋がってるとでも?
いやいや、そんなバカなー
と思いつつも、期待ばかりが膨らんじゃって
その答えを確認する勇気を持てずに振り返れなかった
だって、振り返ったら、ドアを開けた人は全然別人で、っていうのが
リアルなオチでしょ?
でもまぁ、このドキドキも、私の憧れていたものなのかもしれない
そう、ポジティブに捉えることにしよう
「マスター、お会計・・」
ふわっと香る、覚えのある匂いが私のドキドキをマックスにする間もなく
その人が視界に入った
「ああーーー、疲れた。とりあえず、生」
ドサッと勢いよく、指定席へと座ったその人は
半身横向きで、長い足が片方だけフロアに取り残されるように伸びている
「・・・・ こんばんは」
ぺこりと頭を下げられた
ボンッ!
一気に顔が真っ赤に染まった
ほんとに現れたし・・・
「・・・・ こんばんは」
「もう、たくさん飲んだの?」
「はい、結構・・。あっ!!そうだっ、昨日はごちそうさまでしたっ!!
なんか、出してもらったってマスターから聞いて・・・
すみませんっ、ありがとうございました」
もう、返すなんて言い出したらめんどくさく思われそうだし、いいよね?
ここは素直にゴチになったほうが・・・
「ということで私はこれでー」
「つきあってよ」
・・・・・・・ はい?
今、なんて?
私の聞き間違いでなければ、彼は、『つきあって』と私に言った
それは、おつきあいをしたい相手に言うセリフですよねっ?
「あ・・ の・・・ いきなりそういう・・」
「いきなり?え?もう飲めない?」
「・・・・・・・・・・・・」
飲めない・・?
あ~、お酒・・
お酒をつきあってちょうだい、というお誘いでしたか!!!!
欲だ・・
これって、マスターが言ってた欲のせいってやつ?
で、やっちまった勘違いってやつじゃないのっ?
いたい・・ いたすぎるぞ、私・・・
やめとけ、やめとけ
ここでまた一緒にお酒を飲んだら、もっともっと欲が出るぞ?
いやいや、せっかくのチャンスじゃない?
憧れの人が、こうして一緒にお酒をどう?って誘ってくれてるんだよ?
断ってどうするのっ
むしろ、そんな必要ある?
欲がでたところで、どうにもなるわけないんだからっ
「飲めます!」
私は手にした財布をバッグの奥にしまうと、座りなおした
生ビールを彼の前に置いたマスターと目が合った
気のせいか、笑われてるような・・・
被害妄想だろうか
・
・
・
・
・
「じゃあ、今日は朝早くから、今まで仕事だったんですか?」
疲れた、疲れた、という彼に質問をした
仕事って、何をしているの?
というのは心の中でだけ
「・・・ そう。・・・ だからすごく疲れた」
あ、また疲れた、って言った
「それはお疲れ様でした。」
ふふっ
何だか可愛い
もっとクールなのかな?
とか思ってたから
ちょっとした新発見に、私の心がご機嫌になる
途中から、マスターに優雨ちゃんはこれね、
と渡されたたくさんの氷入りミネラルウォーターを口に運ぶ
「それ・・・ なに飲んでるの?」
ドキッ
疲れた身体にアルコールが浸透していってるのか
若干とろ~~んと甘みを帯びた瞳がまた・・・
魅力的すぎて困ります
「・・・ お水、・・・と~」
私は、グラスの中から、お水と一緒に入ってきた氷を口に含んだ
「・・・ こほぉり・・」
つめたっ・・
「・・・・・ おれにも ちょうだい?」
どっきゅーーーーんっ
バクバクバクバク・・・
「あ、・・うん、ねぇっ、マスターぁ~?」
私は、さっきから奥に入ったまま姿が見えないマスターを呼んだ
「そうじゃなくって・・・ ユウの口の中のやつ・・・」
突然、彼が身を起こした
「え?YOUのくちの・・なか?」
ガリッ
「・・か・・ 噛んじゃった・・けど・・」
優雨って言った?
YOUか!?
ちょっと待て待て!
つっこみたいところが多すぎてー
「いいよ、じゃあ・・ その、噛んじゃった、ちっさいやつ・・ ちょうだい?」
ちかいっ/////
近いんですけどっ?
え?
顔・・・
斜めっ?
「・・・・ くち・・ あけて?」
「・・・・・・・」
にゅるっ・・
こ・・れって・・・
舌が・・・
私の舌の上の氷に当たったり・・
そうじゃないとこ・・
「・・・・ ッ ・・・・」
ベロベロって・・・
れろれろって・・・
アツくて・・・
溶けちゃう・・・
「・・・ ゴクンッ」
ドキッ/////
「・・・ ん。 おいしかった・・」
ぺろって・・
ちょっとだけ舌 出して笑ってる
ずるぃ・・なぁ~・・・
私が拒否らないって
昨日の今日で・・・
こういうこと、誰にでもするの?
自分に好意を持ってるってわかってる人にはー
してもいいって
思ってるの?
あ~、私、経験豊富なお姉さんに見えるんだった
流せるって思ったのね
でもさ
本当の私は、こういうことされるとー
「・・・ ん? どうかした?」
「なん・・でもない。」
憧れの人とキス・・?できて、
これってラッキー!って思うだけでいいんだろうに
「帰りますっー」
「えっ?」
私は、椅子から降りると、コートを羽織り、バッグを手に持つ
「ちょ、ちょっと待って?ごめんっ、さっきのっ?ダメだったっ?」
憧れの人に腕を掴まれた
こういうのってドラマや漫画でよく見る
ぶるんぶるんぶるんっ
私は首を横に振る
お酒が抜けててよかったと思う
「・・・・ ダメでした。おやすみなさい、さようなら!」
カランカランカラン♪
お店のドアの独特の音を聞きながらー
夜風に飛び込んだ
つづく・・・
(画像、何度もお借りしました、ありがとうございます)
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ああぁ~またこんなところで・・・
ですよね?
このお話、もう少しいきますか?
