「水戸っ!?おいっ、どうしたっ!!?」



 

社長室に入るなり、オレのデスクの横で座り込む水戸の姿を発見した



 

「・・・ おなか・・・ いたいっ・・・」



 

お腹をおさえながら、青ざめた顔で、水戸が声を絞り出した



 

「おなかが?」



 

オレは、携帯を取り出すと



 

「大宮っ、車を回してくれ!あ、救急車も呼べ!」


 

「・・・そんなっ・・救急車なんて、皆がびっくりします・・・大丈夫です、大宮さんの車で・・・」


 

「ダメだ!何かあったら大変だ。病院での対応も考えると救急車で行くのが一番いい」


 

「でもっ・・」


 

「うるさいっ!おまえに何かあったら、困るのはこのオレだ!!」


 

「社長・・・」



 

オレは水戸を抱き上げると

覚悟したのか、腕の中でおとなしくなった



 

「痛いか?・・・もう少し我慢しろ。

このまま、下まで運んでやる。そしたらすぐに救急車がくるから。」


 

「・・・・ 社長・・・。」


 

「ん?」


 

「・・・ 昨日は・・ すみませんでした」


 

「気にするな。もういいから、黙ってろ」

 

オレは水戸を抱き上げたまま

エレベーターへと歩いた





 

 

 

 

 



 

 

社長に電話のことを伝えなきゃー

 

エレベーターの近くまで走った私は


 

上から下りてきたエレベーターのドアが開き

 

中から現れた人影を見つけ

 

身体が凍りついた



 

水戸様をお姫様抱っこしている社長

 

そして

 

そんな社長に抱きついて身体を預ける水戸様


 

あまりにも綺麗なお2人だった・・・



 

私の足は、立ち止まったまま動けず

 

おそらく社長の視界にも入ることはなかったはず・・・



 


 

救急車のサイレンの音が近くまで聞こえ、急に静かになった


 

「えっ?うちのビルの横じゃないっ?」

 

「救急車って、誰っ!?」


 

どうやら、うちの会社のビル横に救急車が停まったらしい

 

なになに?

 

と野次馬が増えていく中で

 

私はカフェへと戻りながらも

 

もしかして、さっきの・・・ 水戸様が・・!?

 

なんて考えていた




 

 

 

 








 

1階まで降りて、裏口の駐車場のところまで水戸を連れて行き

 

 

腕の中で、もう大丈夫ですから下ろしてください、という水戸を

ゆっくりと足から降ろしていく
 

ほどなく、サイレンを鳴らしてやってきた救急車が

ビルのそばで音を止め、駐車場に入ってきた

 

バタバタと足音が聞こえ、救急隊員の人たちがやってきて

水戸を運んで行った

 

 

「付き添いはー?」

 

「あ、行きます」



 

オレは一緒に救急車へと乗り込んだ




 

 

 

 

 






 

カフェへと戻ると、その裏に、大宮さんが入っていくのが見えた


 

「あ、大宮さんー」


 

声をかけようと近寄ると

 

大宮さんはそのまま、厨房の方へとまわり

 

店長に何やら話しかけておられる


 

・・・ なんだろう?誰に用が?



 

「お~い、松本~ ちょっと来い!」

 

「はいっ?」



 

え?松本くんっ?



 

そして、店長と大宮さんから何か言われると

そのまま松本君は大宮さんと出て行った


 

しかも、すっごい青ざめた顔をして・・・


 

何があったんだろう?



 



 

「ねぇねぇ、どうやら運ばれたのは、水戸さんらしいわよっ!?」

 

「ええーーっ!?」

 

「社長が付き添っていかれた、って」



 

やっぱり水戸様が!?


 

そして社長が付き添い・・・?



 

携帯っー

 

あ、忘れてるんだっけ?

 

いやいや、社長が現れたのは電話よりも後で・・・

 

もうよくわかんない

 

でもどっちにしろ救急車に乗ってるんだし、携帯は持っていたとしても、かけない方がいいよね・・・



 


 

出て行った松本くんのことも気になるし


 

ああああああああ


 

もう、頭の中がぐちゃぐちゃですっ

 

 

社長・・・

 

 

水戸様も・・・



 

大丈夫ですよね?



 



 




 

つづく・・・