「相変わらず、よく食べるよね~・・・ しかも綺麗に」


 

私はさっき口に運んだステーキ肉を噛み砕きながら、目の前の望月くんを凝視してしまった

 

もぐもぐもぐもぐ・・・・ ゴックン


 

「私、そんな、望月くんと食事したことあったっけ?」


 

「オレはね~・・ 君が思っている以上に、君のことを見てたんだよ?」



 

ドキッ



 

そう言うと、知らなかったでしょ、と呟いて自分の前のお皿から、

 

ナイフで綺麗に切ったお肉を口に含み


 

ん?


 

と私に微笑む




 

ボ~~~ッ


 

あ~・・これ、社長だったら・・・



 

「朝倉さん?」

 

「えっ?あっ ごめんっ!・・なんだっけ」

 

「・・・ ひどいな~ 渾身の告白をスルーですか・・・」

 

「ええっ?告白っ!?」


 

どれ?どれっ!?


 

「オレはね、正直、シム社長に感謝してるんだよ?」

 

「え?」


 

突然その名前をこの場に出され、何だか顔が火照る

 

気づかれないようにワイングラスに手をのばし、ひとくち、口に含む


 

ゴックン


 

「君にもう一度会わせてくれたから」



 

あっまぁ~~~~~~い!!!


 

どっかのお笑い芸人さんが浮かんだ


 

「望月くん、お酒・・・弱いの?ワインで酔った?」

 

「wwwwww」

 

「そういう、歯の浮くようなセリフ、ほんとに使うことあるんだ?」


 

漫画の中とか、はたまた妄想の中・・?くらいかと・・


 

「朝倉さんって、こういうこと言われて嬉しくないの?」

 

「それが不思議なんですけど・・・

もしかして、言われる人にもよるんでしょうか?」

 

「え?それってたとえば、好きな人限定で、とかってこと?」


 

うんうんうん、と激しく頷く


 

「オレたち、つきあってるんだよね?」

 

「お友達でしょ?」

 

「友達から、ってことでつきあってるんだよね?」

 

「既に友達でしょ、って言ったよね?」

 

「え?つきあってないの?」

 

「お友達」

 

「・・・・・・ 助けるんじゃなかった」

 

「え?あっ!!ごめんっ あの時は助かった!!ありがとう!!!」

 

「もしかして・・・ シム社長のこと好きなの?」


 

ボッ

 

突然顔に火が点いたかと思うほど、頬が赤くなるのを感じた


 

「・・・・ マジか!」

 

「いや、あのっ!違うのっ そうじゃなくってー・・なんていうか・・」

 

「ムリでしょ、あの人は・・・」

 

「・・・ だよね」

 

「認めたな?」

 

「あっ//////」



 

認めた、っていうか・・

 

だってだって・・・


 

「違うの、無理だってのは私だってわかってるし、ちょっと・・

今だけっていうか・・・・」


 

「そうだね、今だけにしときなよ。

パーティだって、誰でもよかったんだと思うよ?

もしそれで、ちょっと浮かれちゃってるんだったら・・・

目を覚ました方がいいと思う。

今日、見たでしょ?おばあさま・・・逆らえないよ?

怖いって噂だよ~~?」



 

うっ・・・

おばあさま・・・

確かに・・・


 

「わかってる、わかってるってば!!」


 

パーティだって、誰でもよかったんだってのもー

ちゃんとわかってる


 

「おばあさま、君を見たとき、ありえないって顔してたしね」

 

「・・・・・・・」


 

それは、痛いほど感じた・・・

 

水戸様が写真を私につきつけてきたとき

 

だから、社長の相手が私じゃないってわかったとき

 

ホッとしていらっしゃる感じだった・・・

 

のも、ちゃんとわかってる



 

「ってことを踏まえて、もう一度聞くけど・・・

オレ、友達から昇格させてくれない?」


 

「望月くん、本気で言ってくれてるの?」




 

グラッ


 

あ・・・

 

頭の中で、この人が彼氏だったら・・・

って少しだけ、想像しはじめてしまった


 

「もちろん!・・・オレ、最初から本気だけど?」




 

ちょっと今・・・


 

ときめいてしまったかも






 


 


 


 


 







「社長?・・・連絡してみられたらどうでしょうか?」


 

「いい。そこまでして用があるわけじゃない。」


 

「ですがもう・・・ この場所に車をお停めしてから、かれこれ1時間はー」


 

「そうだな、確かに・・・ お腹が減ってきた」


 

「は?でしたらー」


 

「大宮。そこのコンビニで何か買ってきてくれ」


 

「・・・・・・・・ 何がよろしいでしょうか?」


 

「なんでもいい。おまえに任せる」


 

「とか言って、絶対なんでもよくありませんよね?」


 

「大宮?」


 

「あっ!!!社長っ!!あそこっ!帰ってきたんじゃー」




 

そんな、車中で騒ぐ2人の視線の先には

 

自宅へと帰ってきた女性と、それを送ってきた男性が・・・。




 


 


 


 


 





 

「結局今日は、私がごちそうになってしまって、ごめんなさい」

 

「そういうときは、ありがとう、って言ってよ」

 

「・・・(//・_・//) 」


 

ほんっと、望月くんてさらっとかっこいいこと言ってくれる

 

私の妄想メモたん用に控えておきたいくらいだわっ


 

言葉を失い、赤くなっていると

 

スッと、メガネを外された

 

「えっー」


 

「これ!・・・明日からやめてもいいんじゃない?

もう、あそこの人たちにもバレちゃったことだし」


 

「返して!それとこれとは、話がー」


 

「一緒だよ、こんなもので何を武装してんの?」


 

・・・ 武装?


 

「そんなんじゃなー」


 

ぐいっ


 

ーー えっ



 

突然、腕を引っ張られてー





 

 

 

 



 

「・・・・ もういい。大宮。車を出せ。帰るぞ」

 

「え?でも社長・・」

 

「早く!」

 

「はいっ・・」




 

・・・・ 何が、ただの同級生だ

 

友達、だと?

 

つきあってない、って言ったな!?


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「・・・ ふんっ、おまえは、友達とキスするのか!」



 

ムカツク・・・!!


 

だいたい、アイツのメガネを外すのは、このオレだ


 

アイツの束ねた髪をほどくのもー



 

 

「あの、社長?・・・あちらにコンビニが見えますがー」


 

「大宮・・・」


 

「なんでしょう?」


 

「悪いが、やっぱり戻ってくれ」


 

「・・・ は?」


 

「・・・・・・・・」


 

「はっ、ハイッ!!そうですね、戻りましょう!いや、戻るべきです!!」










 

つづく・・・・


(画像、お借りしました。ありがとうございます)