「今日は本当にお疲れ様でした・・社長。」


 

「ん。水戸もな。お疲れ。今日はもう帰って休め。」


 

「ありがとうございます。」




 

ふぅ~・・・

 

思ったほど、役員たちの反発がなくて助かった・・・



 

「あ!」


 

「・・・ どうした? 何か忘れ物か?」


 

「いえ。そういえば社長。今日、カフェに朝倉さんの彼氏が来たそうですよ」



 

・・・・・ は?


 

誰の彼氏だって?


 

いやいや、そんなわけないだろ、アイツはー



 

「すごいイケメンだったそうです!

もう、カフェのスタッフたちが皆驚いたとかー」



 

すごいイケメンだと!?



 

「彼女のお昼休みに合わせてきてくれたそうで・・・

仲良くランチに出かけたってことですよ^^」



 

「・・・水戸。 その話はオレに必要なことか?」


 

「え?あ、すみません!従業員ひとりひとりにご関心がおありかと・・・」


 

「プライベートなことにまで関心はない」

 


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仲良くランチに出かけた、って?


 

すごいイケメンの彼氏・・・



 

「・・・ 失礼しました。では、お先に帰らせていただきます。」


 

「ん。・・・遅くまでご苦労だったな。」



 

なんだ・・・


 

アイツ、いたのか・・・


 

そういう相手がー





 

ガチャガチャ・・


 

鍵をあけ、引き出しの中から、あいつのノートを取り出した





 


 


 


 


 





 

「おい、今日、おまえの彼氏だ、っていう男が訪ねてきたそうだな」


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「しゃ、社長・・・!? どうしてそれを・・!!?」


 

「役員会の前には、淀川専務に秘書になれ、とか言われ、

その次にはイケメン彼氏が訪ねてくるなんて

お前もずいぶん、モテるもんだな」


 

「モテるだなんて、そんなぁ~////」


 

「・・・・ いい気になってんじゃねーよ」


 

「えっ?いい気になんてっ、私っー」



 

ぐいっ



 

きゃーーーー(/ω\)


 

あごクイッ


 

キタァーーーーーーーー!!



 

ドアップ!!!!



 

「・・・・ おまえは、オレにだけ きゅんきゅんしとけばいいんだよ!」




 

 

 



 

「ダァーーーーーーッ!!

 

言わないっ これは言わないわぁーーー!!!」



 

メモたんに書いた文章を、思いっきり斜線で打ち消す


 

「あ~あ~・・・

社長がやきもち、なんて・・・ありえないよね、うん」


 

いつの間にか、社長相手に妄想しちゃってる・・・


 

妄想っていうか、もはや ただの願望だけど・・・



 

「・・って、願望って何よっ?願望って!!!

それじゃあまるで私が社長にやきもち妬いて欲しいみたいじゃないっ!!!」


 

「って声に出してどうするぅーー!!」


 

「・・・やばい、壊れてる、私・・・」


 

「しゃちょおぉぉぉぉーーお・・・・」




 

メモたんの横に置いたスマホをじぃーーっと見つめ、手に取る



 

最近、かずみちゃんにメールしてなかったな~・・


 

でも何を言っていいか自分でもまとまんないんだもの



 

望月君のこと、相談してみようかな

 

いやいや、そもそも?相談するようなことでもないし



 

スクロールして、社長のアイコンを見つける


 

この携帯に、社長に繋がるLINEが入ってるなんて


 

今でも信じられないです・・・



 

「うわわわわっ!!!」



 

うそうそっ

 

触ってたら、わけのわかんないスタンプを送ってしまった!!!!


 

消えろっ!て、私の画面では消せるけど、向こうのは消せないっ


 

「・・っていうか、こんな、腹筋頑張ってるスタンプなんて送ってどうすんのよ・・」



 

ひええぇぇぇーー


 

既読、ってついた!!!


 

ーー すみませんっ 間違えました!!


 

慌てて文章、付け足す


 

すぐさま、既読


 

「今・・ 見てるんだ・・・」



 

きゅんっ・・



 

何か・・・ 送ってくれるのかな・・?


 

どきどきどきどき・・・



 

「え?・・・まさかの既読スルーですか?」



 

あまりにも、当然といえば当然のその仕打ちに


 

「・・ ですよねー」


 

胸の奥がチクッてする



 

「今日は・・ おやすみコール、ないんですか?

電話、ってみせかけて、ドアの向こうに居たりしないんですか?」



 

・・・ 鳴らない



 

「実は、・・・アパートの下まで来てくれてたり・・ しないんですか?」
 

 

「私・・ 望月君につきあってくれ、って言われたんですよ?

・・って、知るわけもないし、興味もないですよね・・」



 

・・・ 鳴らない



 

「これが現実・・ なんですよね・・・」



 

友達のオープンカーに乗せてくれるって言ったくせに・・



 

「今度、って何だ!?今度、って!!!

その気もないのに、そういう思わせぶりなこと言うなー!!

このっ チャラ男!!!」




 

♪♪♪~~~~



 

「えっ!?」

 

鳴った!!!


 

携帯の着信画面を見る


 

「ええっ!?かずみちゃんっ!?」


 

指で、スッー


 

「もしもし?どうしたの?かずみちゃんー」






 

つづく・・・