「社長? 今日は私がご一緒してもよかったのですか?」


 

あやうく気を失いそうになったアイツを

すんでのところで抱きとめ

アパートまで送り届けた帰り道

 

車の中で大宮が口を開いた



 

「当たり前だ、何を言っている?」


 

「お2人のほうがよろしかったのではないかと・・・」


 

「はっ?//// お、おまえっ ボケたんじゃないのかっ!?

何度も念を押すようだが、今日のことは誰にも内緒だぞ?

おばあさまにも、水戸にも、だ!」


 

「さぁ~・・ どうしましょうか?なにしろ私、ボケたようなので・・・」


 

「大宮っ!!!」


 

「じゅうじゅう、承知いたしておりますよ、社長^^」


 

「・・・ 当日も、おまえには世話になると思うしな・・・

よろしく頼むぞ」


 

「差し出がましいようですが、大奥様には本当にお会いになられないのですか?あの方は・・・」


 

「当たり前だ。おばあさまには、連れていく人がいる、という事実だけでいいんだ。

会わせたりなんかしたら、それこそ何を言い出すかー」


 

「坊ちゃまにあのようなお方を連れてこられたら大奥様はさぞかしー」


 

「大宮っ!!連れて行けるのであれば誰だってよかったんだ

たまたまアイツがちょうどよかったというだけで、そこに深い意味はない

お前も変な憶測はするな!」


 

「たまたま・・・ですか?」


 

「なんだ?ほかに何か意味でもあるというのか?」


 

「・・・・・・・・」


 

「大宮!」


 

「いえ。失礼しました。・・・・ おやすみなさいませ。また明日、お迎えに上がります」





 


 


 


 


 







 

ふんっ・・・


 

たまたまだ・・・

 

アイツがちょうどよかっただけ



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他に何があると言うんだ?

 

だいたい、他にいないだろう?

 

こんな都合よく使えそうな女なんて

 

これから捜すには時間がないし

 

かといって、先日の見合い相手なんて勘弁だ

 

おばあさまの話に乗ってそんなことしてみろ

 

すぐに結婚までのレールを敷かれ

 

気づいたらどこかの教会で式を挙げていることになりかねない

 

だから本当にちょうどいいのだ

 

ただの同伴なら、水戸を連れて行こうと思っていたが

 

あれほどおばあさまにダメ出しされては・・・






 

それにしてもあのメガネ女・・・・




 

ーー これは私の鎧みたいなもの


 

ーー これをしていた方が、私らしいの




 

わけのわからないことを・・・・








 


 


 


 


 







 

「ええっ!!? グローバル社の社長の結婚披露パーティに一緒に行くのっ!?」



 

「う・・うん・・ そう言ってた・・・」



 

今夜もまた、結局電話してしまってる

 

ごめんね、かずみちゃん

 

連日連夜、遅くに・・・


 

でもでもっ

 

誰かに聞いてもらわないと私

 

頭の中、爆発しそうなのっ

 

この展開にっ!!!




 

「それで、ドレスと靴、選びに行って買ってもらったって?」


 

「・・・まぁ、そういう感じ?」


 

「・・・・・・・・・・・・・・・」


 

「かずみちゃん?」


 

「もはや凄すぎて、何て言ったらいいのか、私にもよくわからなくて・・・

ちょっと待って!少し考えさせて?」


 

「え?考えるって何を?」


 

「社長さん、いったい何を考えておられるんだろう?ってー」


 

「そんなの、きっと何も考えてないって。」


 

「そんなわけないでしょ、だって、そういう業界のパーティに同伴で、って言ったら~

普通に考えて、ゆりちゃんが社長のそういう相手なのかな~って思われるんじゃないの?

まわりから・・・・

そんなの、社長さんが何も考えてないわけないでしょ

となると、だよ?」


 

「うんうん、となると?」


 

それは私もちょろっと考えた

 

・・・嘘です、ガッツリ考えた




「もしかして社長さん、ほんとにゆりちゃんのこと・・・・」

 

「ええーーーーーーっ!!!(/ω\) 」

 

「・・・・ なわけないわよね~・・・」

 

「・・・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ か・・ かずみちゃん・・・?」

 

「やっぱりわかんないや」

 

「えっ・・」

 

「社長さん、何を考えておられるんだろうね」

 

「かずみちゃん・・・」


 

そう言われたら・・・


 

「聞いてみたら?直接」

 

「え?」

 

「だってほら、携帯の番号、知ってるんでしょ?」

 

「ああっ!!!」



 

そうだった・・・・


 

あまりにすごい出来事があったから

 

そのこと、すっかり忘れてたよ



 

「え?え?でも、こんな時間に電話してもいいものか・・」

 

「何も今聞けって言ってるんじゃないでしょ

それはもちろん、非常識ってもんよ」

 

「・・・・だよね」


 

うっかり、どきどきしてしまったわ


 

「ゆりちゃん・・ 社長さんのこと、怒ってたんじゃないの?」


 

「え?」


 

「・・・昨日はあんなに怒ってたのに、今日は全然楽しそうなんだもん

びっくりしちゃった」


 

「あ・・・」


 

私、電話切るとき、すごい剣幕だった・・・



 

「いいことだと思うよ」


 

ドキッ

 

「いいことって、何がっ?相手は社長だよっ?」


 

「ぷっ!!・・・やっぱり、ゆりちゃん考えてるんだ、社長さんとのこと」


 

・・・・・・ 墓穴掘った


 

「っていうか、考えてるって言ってもアレよ?そんなだいそれたことじゃなくって・・」

 

「うんうん、わかってる。いいことだとは思うけど・・・

やっぱり深入りしないようにね、社長さんなんだし」

 

「うん・・・」

 

「って言っても、そんな頭で考えられるようなことじゃないだろうけど」

 

「うん?」

 

「あ、ごめん!キャッチだ・・ じゃね、おやすみ!」

 

「えっ?あっうん、おやすみっー」



 

こんな時間にキャッチ・・?

 

もう12時回ってるけど・・・



 

社長に直接電話かぁ~・・・


 

私はそのまま携帯の着信履歴で社長の番号を確認する


 

登録名はもちろん・・

 

『C社長』


 

スッー

 

「えっ?」


 

電話っ・・ 触っちゃったー


 

トゥルルルル~・・


 

呼び出し音が聞こえる

 

私ったら

 

すぐ切ればいいのに

 

この音の向こうの社長を想像してしまってる

 

もう寝てるのかな~

 

この携帯って、枕元にあったりするんだろうか?



 

「・・・・ なんだ?」


 

「あっ!!」


 

出たっ!!!


 

「えとあのっ・・すみませんっ 朝倉です!!」

 

「わかってる・・・」

 

「夜分遅くにー もうお休みでしたよねっ?」

 

「いや、まだ起きてた。・・・ どうした?」



 

どうした?って・・・

 

そんな・・・

 

あれ?

 

電話だと優しい?





 

「社長っ・・あのっ・・・

 

・・・ 今っ どんな格好してますっ!?」


 

「はぁ!? おっ/// おまえはっ!!? 変態かっ!!!」



 

ブチッー


 

・・・・・・ 切られた




 

どうしよ・・・

 

わからないから

 

勝手に妄想しちゃいますよ?



 

 

つづく・・・

 

 

(画像、お借りしました。ありがとうございます)