「社長、今日は遅くなりましたので、このまま社には戻らず、

ご自宅まで、でよろしいですよね?」



 

取引先との商談が長引き、

前社長の時からの運転手、大宮が運転する車の中

助手席から水戸が聞いてくる

 

外は静かに霧雨が降りだしている



 

「・・・・・ あ~・・・」


 

「大奥様からもお電話がありましたので、そうさせていただきます」


 

「wwwwwww」



 

だったら聞くな・・・

 

はぁ~・・

 

おばあさまから電話って

 

帰ったらどうせまた、あの話になるに決まってる



 

「外は雨だ。大宮、先に水戸の家を回ってくれ」


 

「え?そんな、社長!いいですっ 私ならあとで自分で帰りますからー」


 

「遠慮しなくてもいい。たまにはいいだろう。・・・・回ってくれ」


 

「はい、承知いたしました」


 

「・・・・・ ありがとうございます、社長・・・」



 

窓にかかる雨の雫をながめる

 

だんだん、粒が荒くなってきてるな・・・


 

「水戸はぁ~・・ どうしてうちの会社を?」



 

「は?社長?・・・今更何の面接ですかっ?」


 

「何のって、・・・オレは水戸の採用面接に立ち会っていないから・・

ふと、気になった」


 

「・・・・・・・・・・・・」


 

「・・・ どうして、うちの会社を受けたんだ?」


 

「それは・・・ もう忘れました、あの時はたくさん採用試験を受けていて

とにかく、受かるために必死で面接の勉強をしていましたからー」


 

「ハハハ、すごいぶっちゃけだな」


 

「まさか、今更そんなの聞いて、クビになんてしませんよね?」


 

「どうかな?・・・今度、人事部長と相談してみようか?」


 

「社長っ!!」


 

「くすくすくすっ・・・ 冗談だ、おまえをクビにしたらオレが困る」


 

「・・・・・・ ほんとう・・ですか?」


 

「なんだ?感動して泣いているのか?」


 

「泣いてなんかいませんっ!!」


 

「ハハハ、・・ そうだな、水戸が泣くわけないな、ハハ・・」




 


 


 


 


 





 

「おばあさま、ただいま戻りました」


 


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「まぁ~~っ チャンミナっ!?おかえりなさい^^」


 

「・・外は雨が降り出しました。暖かくしてお休みください」


 

とにかく、機嫌を損ねないようー・・



 

「ありがとう、チャンミナ・・

ねぇ?ところであなた、昨日は会社に泊まったんですって?」



 

・・・・ 無駄だったか・・・



 

「水戸から聞いてびっくりしたわ!

私はてっきり、どこかの素敵なお嬢様とお出かけして

遅くなっているんだとばかりー」



 

そんなすぐに、どこかの素敵なお嬢様なんて

現れるわけな・・・・・ああーーー!!!!



 

「だったらここはやっぱり、○○家のお嬢様にお願いしましょうね?

今日はもう遅いから、アタクシ、早速明日にでもお電話をしてー」


 

 

待って!! おばあさまっ!!」



 

「・・・?」



 

楽しそうに両手を胸で合わせ、立ち去ろうとするおばあ様を、引きとめた



 

「どうしたの?チャンミナ・・ そんな大きな声を出して・・」


 

「そうなんだ、おばあ様!

実は、ミン社長の結婚式に連れて行こうと思っている女性がいるんです」


 

「え?何ですって?チャンミナっ!!

それは本当なのっ!?」






 


 


 


 


 






 

「・・・・ っくしゅんっ!!!」



 

ぶるっ・・


 

うわぁ~・・・

 

寒いと思ったら、雨が降り出してる・・・



 

ピコンッ



 

ーー ゆりちゃん、今日も社長さんとお話できた?



 

どきっ


 

かずみちゃんからのメールだ



 

ーー うん




 

どうしようか?

 

あの、壁ドンとか・・ 耳息とか・・言ってみる?



 

いやいや、そんなの、いくら かずみちゃんだって

信じてくれないよね?





 

「ええーーーーっ 壁ドン、してくれたのおーー」



 

・・・・ 言っちゃった・・(*v.v)。

 

しかもしかも、また、メールのやりとりがもどかしくって

電話しちゃった・・・(*゚.゚)ゞ



 

「ちょっとちょっと、ゆりちゃんっ!!それってまさかっ・・」



 

え?

 

かずみちゃん・・・

 

もしかして、社長さんって、私のこと・・//// って??

 

やっぱり、そう思うっ!!??

 

やだなぁ~ かずみちゃん、そんなことないって~~(/ω\)









 

「遊ばれてるんじゃないの?」




 

・・・・・ ( ゚ ▽ ゚ ;) ・・・アレ?




 

「あ・・・ やっぱ、そう思う?」


 

「そうよそうよー、そうに決まってるわ!!

だって、王子様みたいに素敵な人なんでしょう?

そんなモテる人が、ゆりちゃんみたいな

いかにも真面目が服着て歩いてます

って感じのー

あ、違った!そう見えて実は妄想しまくってる変態なんて

相手にするわけがないわよ!!」



 

か・・ かずみちゃん・・・

 

それは、あまりにも・・・・

 

ちょっと・・ 言い過ぎなのでは・・?ない・・・かな?・・・バタンッ



 

「・・・・・だよね・・・」



 

まぁ、私もそう思うけど


 

っていうか、そう思ってたわよ!!うんうん


 

「だよねっ!!!」 ← 二度目ですけど、何か?




 

「・・・ ごめん、ゆりちゃん、なんか言い過ぎた・・・」


 

「大丈夫。むしろ、はっきり言ってもらってよかった」



 

危なかったわ・・

 

ちょっと、クラクラってー



 

「きっとあの社長・・・ 性悪のドSなんだわっ?」(ぼそっ)


 

「え?」

 

 

「こんな、幼気(いたいけ)な真面目女子を惑わせてっ」


 

「ちょ、ちょっと、ゆりちゃんっ?」




 

「くっそぉーー!!今夜から妄想キャラかえてやるっ!!」 ← するんかいっ

 


 

「ねぇゆりちゃん、いっそのこと、今夜から妄想する相手、かえたらどうかな・・?」

 



 

「あのドS社長を、美人で麗しい水戸秘書さまが、いたぶってやるのよっ!!!」

 


 

「・・・ そこは、相手は自分じゃなくって、秘書さまなんだね?」

 



 

「さんざん、本気にさせられて、弄ばれた上、ポイッて捨てられるのよっ

ポイッてねっ!!!」

 



 

「え?秘書さまが、社長さまを捨てちゃうの?」

 


 

「そうよ?社長が本気になったところでね?

あんたなんか、好きじゃなかったんだから、ってね!!!」


 

 

「・・・・ ゆりちゃん・・・ それって、相手はむしろゆりちゃんじゃー」



 

「じゃあ、そういうことで かずみちゃん!私、カキカキするから!」


 

「あ、うん・・」


 

「今日もありがとう^^ かずみちゃんのおかげですっきりした」


 

「そう・・? でも、ゆりちゃん、もしかして社長さんのことー」


 

「おやすみー!!」ブチッ



 

あとはLINEで、おやすみスタンプ


 

ピコンッ


 

ーー あんまり思いつめないでね、おやすみ^^



 

かずみちゃん・・・


 

うん、だいじょうぶ・・・


 

まだ、全然大丈夫だから




 

つづく・・・