い・・・ 今、何か音がしなかった?
ガチャリって・・・
まるでドアが開くような音が・・・・
私はおそるおそる振り返ると
「こんな時間に何をしている!」
「ひいぃっー」
しゃ・・・・ しゃちょぉおおーーーー!?
ドアを半開きにして、社長が顔をのぞかせ、怒鳴った
かと思えば・・?
「・・ そこは防犯カメラに映る。こっちに来い」
と言って、なぜか、おいでおいでを・・・
「・・・ 私?」
他に誰もいないとは思いつつも、思わず周りをきょろきょろしてしまう
「早くしろっ!」
え?え?ええっ? どういうことっ!?
入っていいんですかっ?
社長室の中にっ?
・
・
・
・
・
社長室・・・
社長室に入っている・・・ 私
しかも!!
あの・・・ 社長と2人っきり!!!
「・・・・ あそこで何を?」
尋問・・!?
そうだった、そうだった
浮かれている場合じゃない
正気になれ!私!!
「え、えと・・ あの・・今朝、落とし物をしまして・・・」
拾われてない?
「あのっ!これっくらいのメモ帳・・みたいなノートなんですけど・・
廊下になかったですかっ?」
意を決して聞いてみる
「あ~・・・」
ええっ!?
「わかるんですかっ?あったんですっ!?」
「・・・・ それなら捨てた」
今、なんと・・・!?
「・・・ 捨てた?」
「あぁ」
「捨てたって、なんでっー」
私の大事なー////
「だってアレ!!あそこに書かれてた 『C社長』 ってオレのことだろう!!?」
ドッキーーーーーーンッ
「み、み、み・・・ 見たんですかっ!?ナカッ!!」
「当たり前だろ、あんなところに落ちてたんだ、何だろう?って中を確認するに決まってる」
「そ・・そんなっ あたかも当然かのようにっー
恥ずかしいっ 信じられないっ!!」
「はっ!? 恥ずかしいのはオレだっ!!あんなっ///////」
ハッ ( ̄□ ̄;) そ・・ そうだった・・・
「ち、違いますっ!!あれは、社長のことではなくてっ・・」
「へぇ~・・・?・・・」
「えと・・いいですか?A代表ってのがサッカー選手たちをモデルにしてあり
Bアイドル・・ときて、Cが社長なんですっ
だ、だいたいですよ?シム社長だったら、S社長じゃないですかっ!!」
あ・・・・
S社長、って・・・
それもいいかも・・・ 響きがしっくりくるような気がー
「そうか、違うのか。もしオレだったとしたら、あの中のひとつくらい
今から叶えてやってもいいと思ってたんだがー」
「ほんとにっ!?」
叶えてくれる?
あの中からひとつくらい?
「・・・・・ やっぱりオレなんだな?」
「あ・・・・」
うそぉーーーーーー![]()
「ひどっ・・ 今のは、誘導尋問みたいなもんじゃないですかっ
ずるいですっ!!」
「人で勝手にあんな妄想しておいて、何がずるいだ!!」
「うっ・・・」
そ・・ それを言われると・・・
どうなるの?私・・・
もしかして、クビ!?
「で、でも社長!?」
「なんだ?」
「安心してくださいっ
私、相手役はいつも秘書の水戸様で妄想してたので
決して自分に置き換えて考えてなんかー」
「はぁ~~!?」
あれ?・・・・安心・・・できない?
「じゃあ何か?おまえは・・・ アレを、水戸とオレで考えてた
というのかっ!?」
「だって・・・ 自分となんか、恐れ多くて、めっそうもないっていうか
そもそも?お2人の尋常でない美しさが私の妄想本能を掻きたてー」
「あー、もういい!!言うな!それ以上っ wwwww」
え・・・?
あれ・・・?
社長・・・もしかして、照れていらっしゃる・・?とか・・?
「・・・ 申し訳ありませんでした・・・・」
萌える・・・
照れてる社長、めっちゃ萌えるんですけど・・・・・
「・・・ アレは・・ 他に誰か・・/// 見せたりしたことがあるのか?」
「え?そ、そんなっ あるわけないじゃないですかっ
あんなの見られたらー」
恥ずかしくて死ぬっ!!
っていうか、変態扱いされてもうー
「・・・ 助かった・・」
「は?助かった、って・・ どうして社長が?」
「あんなのっ/// 誰がどう見てもオレのことだろう!?
社内の誰かに見られたりしたら、オレが恥ずかし・・」
「もしかして・・・ 当たってました?」
思わず私、身を乗り出して社長に歩み寄るっ
「は!?当たってるって、何がっ///」
「社長って、あんなふうにされるんですねっ!?」
「ちょ、ちょっと待てっ!!あんなふうにされるって、何をだっ///」
「へぇ~~~」
信じられない・・・
雲の上の人だと思っていた、あの社長と私・・
今、普通に話している・・・
「・・・・ おまえ、何か誤解していないか?」
「え?」
ビクッ
あれれれれ?
やっぱり?
そう・・ ですよね・・・?
「すみません、調子に乗りました・・・」
しゅん・・・
「まぁいい。 とにかく、これに懲りたらもう二度とー」
「えっ? まさか、もう二度と妄想するな、とか言いますっ?」
そんなの、困るっ
無理っ!!
だって、今こうしている瞬間さえ、頭の中にメモメモメモ・・・って
うるうるうるっ・・・
「wwwwwwwwww」
うそ・・・
その、呆れた、といわんばかりのその顔!!
その表情にさえも、私は萌えるんですっ
社長っ!!!!
プルルルルルッー
そのとき、社長の携帯がなり、電話に出られると
「はい?いや、まだ会社にいますがー
あ~・・ 最上階の廊下に不審人物の影が?」
ドキッ
え?え?え?
廊下に不審人物って・・・
もしかして私のこと?
あ、そういえばさっき、そこは防犯カメラに映るとかって
話しながら、ちらっとこっちを見る社長
ーー おまえのことだ
と目が言っている・・・
どうしよう?
もしかして私、警備員さんに引き渡される?
「大丈夫です、そこに映っているのはうちの社員で
落とし物をしたらしく、それを探しにきただけだそうです。
話は聞いたので、その映像は削除してもらって構いません」
・・・・ 社長
もしかして・・・ かばってくれた?
私のこと・・・
「ありがとうございます。僕ももうすぐ帰りますので・・
ハイ、お疲れ様でした」
警備員さんにも労いの言葉をおかけになるなんて・・・
もはや・・・
神!!!
「・・・・ おまえ、何か勘違いしていないか?」
「は?」
電話を切った途端、社長の鋭い眼光がーー
「社長が社員を守るのは、当然のことだ
だがそれは、その社員が守るに値する役務をわが社に提供していればこそでー」
「こんな変態は守るに値しないと?」
「おまえの日頃の仕事ぶりは、まだ未調査段階だ
いわば、保留状態ー」
「私!!!」
かけているメガネを人差し指でくいっと上げた
「仕事はきちんとさせていただいています!!」
「・・・あ、あぁ・・ そうか・・?」
「はいっ!!これからもがんばりますのでっ
それでは、失礼いたしますっ!!!」
「あ?・・あぁ・・・」
90度のお辞儀をすると、社長室の奥のドアを通り抜け
廊下へと通じるドアをあけ
再び、室内にお辞儀をして、外へと出た
バタン
「・・・・ ふぅ~・・・ 緊張したぁ~・・・・」
・
・
・
・
・
「・・・・それでね?かずみちゃん、・・・・そのとき社長がね?」
「もう聞いたよぉ~ 何度目?」
「え?そうだっけ?」
毎日、家に帰ると自分の妄想っぷりをLINEで伝えるのが日課
かずみちゃんは、こんな私の妄想癖を知っても引かないでいてくれた、唯一の親友
でも今日は、LINEのやりとりすらもどかしくって
今いい?
って聞いて電話しちゃってるのだ
「ねぇ、ゆりちゃん?」
「うん?」
「もしかしてー・・・ 新しい妄想メモたんでは
社長の相手はゆりちゃん本人になってたりして~~」
「えっ!!」
ドキッ
「あれ? 違った?」
「ど・・ どうしてそんなことっ・・・」
「だって~ 今までは見るだけの雲の上の人だったんでしょ?社長さんって・・・
でもそんな人と2人っきりで話が出来たりなんかしたらー
ゆりちゃんの中での社長さんが、ちょっとかわってきたんじゃないかな~って・・・」
私の中での社長が・・?
ちょっと・・・ かわってきた?
「いや、でもっ 今日はたまたまお話が出来たってだけでー
明日からはまた今までどおりで、遠くからお姿を拝見するだけのー」
ズキンッ
あれ?
あれれれれ?
「・・・ 明日もお話できるといいね!」
「・・・・・・」
「じゃあ、私、明日も朝早いから、もう切るよ?」
「あ、うん、ごめんねっ?遅くまでー」
「いいっていいって!じゃあおやすみ^^」
「おやすみ!」
・・・・ 社長の相手が・・・ 私?
買ったばかりの妄想メモたんの、最初のページを開く
まっさらに広がるその眩しいページに
私はペン先をあてた
つづく・・・・
☆ 長々とありがとうございました![]()
画像、お借りしました。ありがとうございます

