立山室堂へ1泊2日の旅行に行きました。
目的は、ライチョウと雄山登山です。
初日は室堂(標高2450m)でライチョウを探しながら、身体を高山に慣らします。
午前中のうちに、目的のライチョウにも出会う事ができました。
室堂ターミナルに戻り、午後に備えて昼食にします。
ローストビーフ重のランチセットに、ビールも頼んでしまいました。
ライチョウとの初めての出会いを祝して、乾杯です。
昼食後、再びミクリガ池の周辺を散策しました。
ライチョウ以外の野鳥を探しながら、雄大な立山の風景も堪能します。
雪の残るミクリガ池には、流氷を思わせる雪の塊が浮いていました。
時間が経つにつれて雪の塊は徐々に移動するので、面白いです。
景色を楽しみながら池の周囲を歩いていると、前方に人だかりが出来ていました。
皆、同じ方向に視線を向けています。
「もしや…」と思って遠巻きに近付いてみると、ライチョウ♂が居ました。
歩道の脇にある砂地に、身を擦り付けていました。
誰かが「怪我しているみたいだ!」と叫びますが、違います。
砂浴びを行なっていただけでした。
しばらくすると、満足したのか悠然と茂みの中へ立ち去ります。
誰もライチョウに触らずに見守っていたので、過度に刺激しないで済みました。
去り際に、身体を震わせて大量の砂を振り落としていたのが印象的でした。
室堂周辺をゆっくりと散策していると、午後3時が過ぎてしまいました。
そろそろ、宿泊場所に向かわなければなりません。
この日は、室堂から少し離れた天狗平に宿をとりました。
地図を見ると、歩いて行けそうです。
念のため、室堂ターミナルにある立山自然保護センターの方に道を尋ねてみました。
「道には雪は残っているけど、その登山靴なら大丈夫」と言われたので、徒歩で向かってみます。
バス利用では出会えない、オコジョなどの野生動物との出会いも密かに期待していました。
…この後の苦労を想像しなかった、この時の自分の判断を呪います。
指示された道を進むと、最初の5分程は普通の散策路でした。
しかし、徐々に雪解け水で冠水していたり、残雪で道が寸断されているなど、散々です。
極めつけは、雪で埋もれて進行方向が分からない登り道でした。
画像では分かりにくいですが、左上から右下に向かって斜面になっています。
因みに、右下は崖になっていて、落ちたら無事では済まなさそうでした。
しばらく、その場に立ち尽くして思案しました。
ここから引き返すのは、負けたみたいで、嫌です。
何より、最終バス(16:30)の出発に間に合わないかもしれません。
・・・男は度胸です。
多少は滑ってしまっても取り返しがつくように、斜面の上の方に向かって歩き出しました。
誰も歩いていないのか、足跡もないため、進行方向が掴みづらいです。
人間以外の足跡らしきものは見つけましたが。。。
時々、滑りそうになりながら、何とか前へ進みます。
そんな中、面白い物を見つけました。
おそらくは、ライチョウの糞です。
変色しているので、少し時間の経過したもののようでした。
もしかすると、付近にライチョウがいるかもしれないと期待します。
雪原を歩き回り、露出した道を見つけて…、という行程を4回ほど繰り返しました。
見知らぬ場所で進む道がわからない恐怖は、筆舌に尽くし難いです。
所々を雪で寸断されている道を歩いていると、近くの茂みでガサガサと音がしました。
ここでは、時に熊が出ると聞いていたので、驚いて思わず声を上げそうになります。
落ち着いて確認してみると、黒いけれど、小さな生き物でした。
本日、3回目のライチョウです。
最初は低木の陰に隠れてしまい、なかなか姿が見えません。
荷物を降ろして、カメラを準備しました。
動かずに待っていると、徐々に撮影しやすい場所に出て来てくれます。
よく見ると、足環が付いていました。
周囲には誰もいなかったので、独り観察会です。
恐らくは、この日最後になるであろうライチョウの姿を目に焼き付けました。
改めてみると、同じ鶏の仲間であるチャボに似ています。
小学生の頃、飼育委員としてチャボや鶏の世話をした事がありました。
あれから約30年・・・いい年のオジサンになり、野鳥を探して高山を歩いているとは。。。
当時の自分には想像できなかった事です。
ライチョウは再び低木の中に隠れてしまいました。
私も再び宿に向かって歩き出します。
雪原に苦戦しましたが、無事、17時前に到着しました。
入浴と夕食を終えた後、立山のビデオ紹介を視聴します。
宿泊客は私以外に1人でした。
その方と宿の御主人とスタッフさんとで色々と話せて楽しかったです。
真夜中に見上げた星空が、とても美しかったです。
遠くには、富山の街の光も見えます。
北極星、北斗七星、カシオペア座は確実に判別できました。
天の川らしきガスっぽい部分に白鳥座を見つけ、おそらく夏の大三角も…
星空撮影の機材を持っていない事が悔やまれました。
22時前には就寝し、翌日の登山に備えます。