いつも
楽しいこととかあるわけじゃないし
好きなことをできるわけでもないし
だから
悲しくなったり寂しくなったりするけど
いつも大切な何かがあればあたしたちは
うまくやっていけるのかな
そんなことを考えている
小学生のあたしを支えてくれていたのは
チワワのぬいぐるみだった
未だにとってある
ボロボロになってもどこにでも連れて行っていた犬の名前をあたしはなんども忘れてなんども思い出す
ストレスに弱い体質のあたしは小さな頃から毎日のように泣いていた
イライラしてどうしようもなくなった時そのぬいぐるみを思い切り引きちぎった
あたしは悲しくて、申し訳なくて泣いた。
そんなそんな日々を
ずっと過ごしてきて
そのぬいぐるみはいつの間にかクローゼットの中に
眠っているようになった
その代わりあたしにできた大切なものは
他のぬいぐるみだったり今の恋人だったりした
他のぬいぐるみはすぐに飽きてしばらくするとチワワに戻った
だけどここ数年、一度もそのチワワに話しかけていない
たまに見て抱きしめたりはするのだけど
あたしの大切なものは恋人になって
それ以降変わらない
寂しいけどチワワはそれでいいよと言ってくれる気がする
数え切れないほど投げて傷つけて
それで泣いて
一緒に旅行もして
そんなチワワはあたしにとって
ぬいぐるみ以上の価値がある
きっとチワワは生きていて
今もあたしを見守っている
あたしの恋人のことも見守っていて
たまに呆れたりする
あたしがあたしよりも大切だと思える宝物は
あたしの人生で何個できるのだろう
そんな特別なものを
ずっと忘れませんように。