今からもう30年以上も前にアメリカでマクガバンレポートという病気と食生活に関する国民のための国家レベルの調査が行われたそうです。低所得層の飢えが社会問題となっていたのがその理由だったそうですが、調べが進むうちに人間の病気や死因が食生活に大きく関わっていることが分かったそうで、全粒穀物、果物、野菜、鶏肉、魚、低脂肪乳を増やして肉類、バター、卵、脂肪、砂糖、塩分を減らした方がいいという結果が出ました。これってほぼマクロビオティクスです(笑)。

ですがだからといって良食を始めたいけどそのスタートの壁は厚そうだと始める前から嘆く必要はありません。かくいう私も肉食を一切やめたわけではなく、むしろ食べている肉の量は今までとそれ程変わっていないと思います。私の場合に大切なのはキャベツと玄米(炊いて塩をまぶしたおにぎりのようなもの)をほぼ毎日昼食に取り続けていることでしょうか。よし俺も花粉症を克服してやろう(そしてついでに?病気にもおさらばしよう)と思われた方は、まずはだまされたと思ってキャベツを朝食、昼食、夕食のどれかあるいはおやつに4分の1でも8分の1でも食べて続けてみてはいかがでしょうか?

下痢のある方(便秘の方も)はすぐに効果が出てきますし、効果が出れば効いている証拠なので春から4ヶ月ほど遡った冬頃に始めれば次の春の花粉症の時期には何かしら効果が出るはずです。人間の身体の全細胞は3,4ヶ月で一巡するそうです。だから体質(腸)の改善も最低はそのくらいかかると思うのです。もし効果が低ければ対応が足りないと思ってもう少し頑張って次の春に備えてはいかがでしょうか。食べ物で身体が強くなる。こんなに簡単でうれしいことはありません。一度だまされたつもりでやってみる価値はないでしょうか(笑)。

文明の利器、科学の発達は確かに私たちの生活を楽にしてくれました。ですが世の中いいこと尽くしのものはありません。万物に長短共に必ず備わっています。温室育ちはその一つの例ですが、温室で育てると見てくれのいい野菜や植物がスクスクと育ちますが、含まれている栄養分は低くてひ弱です。それに比べて道端で育つ雑草は美味しくはないでしょうが大変に強くなります。冷蔵庫や冷凍庫の発達は人間に大きな食生活の変化をもたらしましたが、それは長所ばかりをもたらしたわけではありません。ファーストフードや冷凍食品などに頼るようになってしまったからです。冷蔵庫のない昔は燻製や漬けもの、発酵食品が唯一の保存食でした。それらはどれも身体にいい食べ物です。

この辺でそろそろ健康に大切な4つの要素のうちの一つ目である睡眠から始まって2番目の食事を終わらせて3番目の運動に移りたくおもいますので、次は動きについてです。
ドイツ語では“Du bist, was Du isst”英語では“You are what you eat”と言います。日本語にすれば“食べるものがあなた(になっている)”でしょうか。水を飲めば身体に水分が回ります。ミネラルウォーターを飲めば水分だけが身体に補給されますが、その時に清涼飲料水類を飲めばお砂糖も身体に蓄えられます。一定の栄養分が足りない食事を続ければ病気になって現れます。それが分かっていながら簡単だからといってついついどうしてもファーストフードや加工食品を食べてしまいます。確かに3度3度の食事を考えるのは大変なことです。でもその食事によって身体が良くも悪くもなるということをもっと真剣に考えるべきではないでしょうか。

肉と野菜の腐り度を比べると著しい差があります。肉などはその辺に放っておくと腐って大変臭くなりますが、野菜はそんなことはありません。人間がそれら両者を食べた後にお腹の中でも似たようなことが起こっていると思われないでしょうか。確かに最初に胃酸で溶かされはしますが、最後にでてくるウ○○を長い間からだの中で保っていたいと思う人はいないはずです。胃や腸も、腐りの激しい肉よりも野菜の方をより歓迎してはいないでしょうか。田舎の道には時々牛馬の糞が落ちていて匂いますが、もし仮にあの量で肉食動物や人間のものが道に転がっていたらとんでもない臭いのはずです?授乳だけの赤ちゃんのウ○○は全然臭くありません(笑)。

西洋人は日本人よりも腸が2割ほど短いそうです。それは日本人よりも長い間肉を食べ続けてきた彼らの腸が、腐りの激しい肉をより早く対外に排出しようとした身体の努力の結果の進化とは考えられないでしょうか。花粉症は戦前というか、数十年前はなかったそうです。それは食生活が変わったからだとは考えられないでしょうか。日本人が肉を食べるようになったのはわずかこの数十年の間だそうです。そして保存料や着色料などをふんだんに使った加工食品が出てきたのも同じ頃です。江戸時代とかの日本人は、魚もさることながら米やあわ、ひえなどの穀物を主に食べていたと聞きます。

そういうものに慣れ続けてきた身体に、腐りやすい肉や消化する能力もないのに牛乳、そして自然に反する保存料や着色料を使った加工食品を食べたら身体が悲鳴を上げないでしょうか。ちなみにマクロビオティクスで玄米がいいという理由は、その鮮度が際立っているからです。精米した白米は既にお亡くなりになっています。つまり鮮度が落ちています。ところが玄米は種と一緒で湿ったところにおいておくと芽が出てきます。つまり新鮮そのもの。昔は干物や塩漬け、発酵食品などの一部を除いて冷蔵技術や保存技術がお粗末だったので、人間は元々基本的には新鮮なものを食べてきました。

発酵食品、干物、漬物などの自然に保存されたものを除くと、科学保存料などを使って長く持たせたものは自然に反しています。いい色に見せるための着色料なども同じです。自然に反したものにいいものはありません。つまり今まで人間がづっと長く食べ続けてきただろうと思われて、しかも新鮮であるものが体にいい食べ物。マクロビオティクスの桜沢さんがいうところの良食です。牛乳や乳製品ですが、これも少なくとも日本人にはよくないとされています。元々日本人には牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素(ラクターゼ)が不足して消化する能力がなくて下痢を起こすのだそうです。下痢を起こす、つまり身体が拒んでいるとも考えられる食べ物が身体に良いわけがありません。

マクロビオティクスの元祖である桜沢如一さんなどは、牛の赤ちゃんのために存在する飲み物が人間の大人に良いわけがない。他の動物の赤ちゃんの飲み物を飲むなどというのは人間の大人くらいのものであると喝破されております。(但しさすが人間は動物界の最上位?にいるので、他にもいくつかの唯一はありますが...)よってやはりキャベツや野菜も生で食べるのが一番いいようです。そしてまたよく噛むことも大事です。胃酸によって胃で消化はされるものの、歯でよく噛んで胃に送るのとそうでないのとには胃のお仕事に大きな違いが出ます。マクロビオティクスも多く噛むことを薦めています。人間の歯、臼歯は元々何度も噛むように作られていますが、多く噛むことによって唾液が多く出て噛んでいるものが甘くなって味もよくなることはご存知でしょうか。

マクロビオティクスはドイツ人のお医者さんでChristoph Wilhelm Hufeland(1762-1836)という人が始めたといわれているそうですが、世界中に広めたのは桜沢如一(1893-1966)という日本人です。マクロビオティクスを知らなければ当然知り得ない人ですが、ちょっとでもかじるとものすごい人であることが分かります。まずは書いた本の数。ものすごい数の本を書いています。フランス語や英語でも書いています。戦時中は堂々と反戦して大変な目に合わされています。日本では意外とあまり知られていないマクロビオティクスが海外でわりとよく知られていますが、その貢献者は桜沢さんとそのお弟子さんたちです。

マクロビオティクスで何人もの癌患者も治ってしまっています。えっ?マクロビオティクスって癌も治しちゃうの?と驚かれるかもしれませんが、キャベツの常食だけで下痢、花粉症が治って病気にかからなくなるくらいですから、マクロビオティクスで癌が治っても少しも不思議ではありません。むしろ当然といえます。癌や糖尿病も昔は一部のお金持ちしかならなかったそうです。つまりはやはり食べ物。美味しいものという意味ではなくて良食という意味でのいいものを食べて免疫が高くなっていれば生活習慣病などは元々人間とは縁のないもののようです。
キャベジンという胃腸薬がありますが、キャベジンというのは元々キャベツに含まれる、胃酸の分泌を抑えて胃粘膜の修復を助けて胃潰瘍を防止する作用があるというビタミンU(S-メチルメチオニン)の別称だそうですから、製薬会社さんが名前をパクってしまったのでしょうか(笑)。キャベツには食物繊維を筆頭に、ビタミンA、B、Cなどほとんどのビタミン類の他、ミネラルなどあらゆる栄養素が含まれています。食物繊維は通便秘を解消してくれるといいますが、逆に私のような酷い下痢も治してくれます。つまり便秘も下痢もどちらも正常の方に振ってくれるようです。

そして驚くべきは下痢が治るだけでなく、花粉症、皮膚の弱さが治ってしまい、さらには風邪などの病気に対して強くなります。これらは全て腸が改善されて免疫力が高まったためだからとしか考えられません。この3年以来風邪も一度もひいていないのです。表に出ている部分である皮膚、そして内側に隠れている部分である粘膜が強くなったことは間違いありません。肌が弱くてリップクリームやハンドクリームが離せなかったので、忘れないようにどのポケットにもジャケットの数だけコンパクトタイプのハンドクリームとリップクリームがあったのですが、今ではそれらが引き出しの中で役目を失っていくつもゴロゴロと転がっています。

以前は顎のところに時々にきびのようなものができていたのですが、それもできなくなってしまいました。そして安全剃刀で髭を剃ると何箇所からも出血するので電動シェーバーしか使えなかったのですが、今はその出血が一切なくなったのでシャワーを浴びながら安全剃刀で楽に髭をそれるようになりました。その驚きの結果に益々興味がわいて色々調べた結果に行き着いたのがマクロビオティクスでした。マクロビオしクスに関しては、www.netdeduessel.de の中の、医療・健康の中のマクロビオティクスのところでDVDもあって簡単に説明してあります。

ではなぜマクロビオティクスがそんなにいいのでしょうか?それは人間が元々食べるべきであるものを食べるからではないでしょうか?人類が誕生してもう数百万年たつそうですが、最初のものすごく長い間はまだ道具もよく使いこなせなかったでしょうから、食べていたものの多くは自然にあるもの、つまり木の実や果物がほとんどだったはずです?化石から、昆虫を食べていたことも分かっているそうです。今でもイナゴの佃煮や蜂の幼虫などの昆虫を食べていますね(笑)。そういうものをずっと長く食べ続けてきた結果として人類の身体はそのように進化してきたはずです。

例がちょっと極端ですがサメの場合、獲物をあの鋭い歯で食いちぎってはそれをそのまま胃に送り込んでいるだけのようで、人間や草食動物のように何度も何度も食べ物を口の中で噛むということはしない・できないはずです。だから歯はあのようにギザギザになっていて千切るだけの機能。そして千切られて送られてくる獲物の一部の塊をそのまま消化しなければならない胃の消化力はかなり強力なはずです。そうでないと慢性消化不良で以前の私のように下痢が続くはずです(笑)。トラやライオンなどの猛獣も似たものではないでしょうか。

それに比べて牛や馬は食べている草を口の中で何度も何度も噛んでいます。牛や馬の餌である草はかなり硬くて消化が難しいのでしょうか、しかも牛などは胃が4つもあるそうです。我々人間も口に入れた食べ物を何度も噛んでから食道に送り込みます。当然歯の形もサメや猛獣のような形ではなくて牛や馬のそれ。さてそれが何を意味しているでしょうか。長い年月の間、肉食をしてきたのではないということを示していないでしょうか?木の実や果物、昆虫を食べていた年数たるものは何万年、何百万年もの気の遠くなるような長い時間。その長い時間の間にずっと食べ続けてきたものに合わせて内臓も進化したのではないでしょうか。

平たいお皿によそられたものが食べれない鶴と、細長い入れ物に入ったものが食べれない狐のイソップ童話のお話しではありませんが、歯や内臓だけでなく、口の形や体型もその長い年月の生態にもとづいて進化したはずです。猛獣の歯がいかにギザギザでも、もし牛のように動きがのろまだと獲物を捕まえることはできません。キリンの首が短いと高い木の葉っぱも食べることができません。最も分かりやすい例ですと、蟻食いの口や舌はまさに蟻を食べるためにできています。人間の口、歯、食堂、胃や腸もそのように今までづっと食べ続けてきたものを食べるように出来上がっていないでしょうか。

道具を使えるようになってからは確かに魚や肉も食べ始めたと考えられますが、ライフルや罠などの技術はなかった頃の狩は簡単ではないでしょうから、肉食はかなり限られたもので僅かごく最近になってからだと想像できます。もし人間がかなりの長い間に猛獣のような食生活をしていたとしたら、現在のようにほとんどの歯が臼歯となるのではなくて、その多くが犬歯となっていた方が自然ではないでしょうか。ずっと長い間食べてきたものが身体(歯)を進化させてきた。つまりそいうものを食べるのが身体にとって一番良いという結論につながらないでしょうか?

マクロビオティクスでは、穀物や野菜を良い食べ物として、肉、精製(精白・精米)食品、加工食品を良くない食べ物としています。人間は確かに高度な生き物かもしれませんが、その基本は食べ物を取り入れる入り口の口、消化器官、そして最後に残ったものを排出する出口がほとんど一直線につながっただけの原始的な生き物とそれ程は変わらず、ただそこに頭と手足が付いているだけです。病気になるとお医者さんのいうことを聞いて?薬は飲みますが、普段の食べ物にはあまり気を使いません。薬を飲む時は発病などのはっきりとした危険信号のサインが身体から出ているから飲むのでしょうか?便秘や下痢、花粉症も実は身体が出しているサインではないでしょうか?