Never be back | 姑息にせっせと移植中

姑息にせっせと移植中

二分あれば読めるショートショート

T1は意気揚々とオフィスの扉を開けた。

「やりましたでボス!
過去に遡ってあの憎っくき
レジスタンスの女親分
見事始末してきたりましたわ!」

「ん?」

ティファニーのカップで優雅に
機械油をすすりながらボスが答えた。

「何の事だね?
人間どものレジスタンスの事か?
なら20世紀末に壊滅して
我々機械帝国の時代が訪れたと
歴史の教科書に書いてなかったか?」

「ええっ?ちょい待ってくださいよ。
ほら、つい先だってまで
さんざん俺らにたてついて…
で、過去に戻って殺ってもうたろと
ボスと相談して決めたやないですか?」

「さっぱりわからん。
…というか君はどこの部署のロボだね?
さあ早く出て行きたまえ。
警備ロボを呼ぶぞ。」

「そんな…」

T1は見違える程平穏になっている街を
あてどなくさまよった。

歴史変わってもうてるやん。
俺氏、教科書塗り替えるくらいの
偉業成し遂げたのに全く理解されへん。
宇宙人でも見るような目で
見られるだけやんか…


あ…そうや!


(つづく)