変身
ドラマ化、映画化された東野圭吾原作
事件に巻き込まれ頭を銃で撃ち抜かれた純一は世界初の成人脳移植で助かるが自分の感情の異変に気付き始める。
ドナーが気になり独自に調べて訪ねると記録にあった名前の人はドナーではないと直感する。やがて自分の人格が支配され周囲の者が巻き込まれていく。
成瀬純一(映画|玉木宏・ドラマ|神木隆之介)
葉村恵 (映画|蒼井優・ドラマ|二階堂ふみ)

ネタバレあらすじ
世界初の成人脳移植
画家を目指し美大に進もうと決めていた成瀬純一は両親が他界した事で夢を諦め産業メーカーの工場で働いています。
ある日、不動産屋に行くといきなり銃を持った男が乱入してきました。優しくて大人しい性格の純一は咄嗟に近くにいた少女を助けたが頭を撃たれてしまいます。
昏睡状態から目覚めた純一は病院のベッドの上で徐々に記憶が戻ると世話係を担当していた博士の助手・橘直子から犯人の京極瞬介は自殺し治療費は大学の研究費から出された事を知らされます。
そして博士から「世界初の成人脳移植出術が無事終了」と書かれた新聞を見せられ純一は驚きます。

感情の変化
恋人の葉山恵に画材を持ってきてもらい絵を描くが「タッチが何か変ったね」と言われます。
職場の同僚から上司の愚痴を聞かされお灸を添えるしかないと伝えるが会社では悪口など無縁で「お利口さん」とあだ名が付くほどだったので「お前本当に純一か」と笑われます。
純一も性格が変わった事をなんとなく自覚していました。
あれだけ愛していた恵のチャームポイントだったそばかすも何か嫌だと感じるようになっていたからです。
退院して職場復帰するが大人しかった純一は我慢できず反抗するようになって孤立し恵の事も苦痛になります。そして隣の部屋が煩いので我慢できずドアを叩いて文句を言い放ちます。
カッとなって殺意を感じ怒鳴ったりするようになる純一。
嫌われている事を内心気付いていた恵は怖くなって逃げ出してしまいます。
ドナー調査
堂元博士に会ってたびたび検査する純一だったが何か隠されていると思い問い詰めるとドナーは交通事故で亡くなった関谷時雄と知らされます。
父親が喫茶店をしていたので訪ねに行き話を伺うと時雄は喧嘩をするような人ではなくボランティアをするなど人付き合いが良かったと知ります。
純一はドナーである家族に会ったら家族のような何かを感じるのではないかと想っていたので直感的に違うのではないかと思います。

事件の時に巻き込まれた娘の典子を救った事から彼女の父親の嵯峨道彦が入院費などを払ってくれていた事を橘直子から聞かされます。
自宅に招待されたので直子と一緒に訪ねます。典子がピアノを演奏してくれたので気分良く聴いていた純一だったが楽器など触った事もないのに音がおかしいと気付きます。
弁護士の道彦はその話を聞いて「そういえば自殺した犯人は音大に通っていたみたいですね」と聞かされドナーは瞬介ではないかと疑います。
調べると瞬介には妹の亮子がいる事が分かり会いに行くと自分でも驚くほど一体感を感じました。それは純一だけでなく亮子もそうでした。
瞬介を調べるとエディプス・コンプレックス(自分の性を意識する事で身近な異性である母親に愛着を抱き父親にライバル心を持ち)だと分かります。
純一と共に撃たれた不動産屋の社長の番場は籍は入っていないが瞬介の父親だったのです。心臓が悪くなった母親が亡くなり治療代も出さずほったらかしにしていた事が犯行の動機でした。
”左半側空間無視の症状が出たのは本来の右脳意識が消滅しつつあるからであり、
その代わりに京極の意識が右脳を支配し始めてるので音楽的才能が向上した”