B介「ねえ、『早口言葉』って結局何なの?」


A男「こないだの続きか。よし、今度はちゃんと教えよう」


B介「よろしく頼むよ」


A男「今から僕が言う事を僕の後に続けて言うんだ」


B介「分かった、君の言う事を続けて言えばいいんだね?」


A男「それじゃあいくよ?『坊主が屏風に上手な坊主の絵を描いた』」


B介「…えっ?」


A男「『…坊主が屏風に上手な坊主の絵を描いた』」


B介「…何が?」


A男「坊主が」


B介「坊主が」


A男「屏風に」


B介「何に?」


A男「屏風」


B介「屏風に?」


A男「上手な」


B介「どんな?」


A男「上手な」


B介「上手な」


A男「坊主の絵を描いた」


B介「どこで?」


A男「…」


B介「ねえどこで?」


A男「今その話は関係ない。じゃあさっき俺が言ったこともう1回言ってみて」


B介「えーっと、最初何だっけ?」


A男「…」





(A男とB介の会話)





A男「なあなあ、お前早口言葉って得意?」








B介「早口言葉って何?」








A男「お前早口言葉も知らないのかよ」








B介「うん、今初めて聞いた。教えてもらっていい?」








A男「実際にやりながら教えてやるよ。じゃあとりあえず、『赤パジャマ、黄パジャマ、茶パジャマ』って言ってみ」








B介「『赤パジャマ、黄パジャマ、茶パジャマ』って言えばいいんだね?」








A男「…」
 
(雑誌のインタビュー、A田がB川に取材をしている)

A田「それではさっそくインタビューの方始めさせていただきます」


B川「よろしく」


A田「B川さんは現在映像・音楽・ファッションその他様々なジャンルで活躍され、若者を中心として絶大な人気を博しているわけですが」


B川「どうも」


A田「B川さんのご職業は一体何になるのでしょう?」


B川「職業?」


A田「はい。世間ではB川さんのご職業は『デザイナー』であったり『アーティスト』であったり色々な扱われ方をしていますが、B川さんはご自身の職業を何という風にとらえていらっしゃるのでしょうか?」


B川「んー、確かに世間の皆さんは僕の事を『デザイナー』だとか『アーティスト』だとか様々なとらえ方をしているようですが、僕自身はそう言った職種であるとは認識していません」


A田「なるほど」


B川「まあしいて言うなら…『ハイパー・マルチ・メディア・クリエイター』ですかね」


A田「『ハイパー・マルチ・メディア・クリエイター』?」


B川「そう。僕は様々なジャンルで『マルチ』に活動している。毎日何かしらを『クリエイト』し、それらを『メディア』に発信し続けている。そして、そのすべてが『ハイパー』なんです」


A田「素晴らしい。ということは、これから我々はB川さんの事を『ハイパー・マルチ・クリエイター』とお呼びすればいいわけですね?」


B川「メディア」


A田「えっ?」


B川「メディアが抜けてる」


A田「あ、大変失礼いたしました。つまりこれから我々はB川さんの事を『ハイパー・マルチ・メディア・クリエイター』とお呼びすればいいわけですね?」


B川「まあ今は違いますけどね」


A田「と言うと?」


B川「今僕はあなたと話をしている。あなたや読者に私のことをもっとよく知ってもらいたいと本音で話をしている。こうして話をしている時の僕は『ハイパー・マルチ・メディア・クリエイター』なんてくだらない肩書は捨てて、一人の男として話がしたいんです」


A田「B川さん…」


B川「今の僕は、ただの『ハイパー・マルチ・メディア・スピーカー』です」


A田「何ですか?」


B川「『ハイパー・マルチ・メディア・スピーカー』。まあ人によっては『ハイパー・マルチ・メディア・クリエイター&スピーカー』なんて呼ぶ人もいますがね」


A田「はあ、それでは次の質問です。あなたにとって一番大事なものは何ですか?」


B川「人ですね。私はたくさんの人に支えられてここまでやってこれました。」


A田「なるほど」


B川「たとえば私の後ろの彼」


A田「秘書の方ですか?」


B川「いいえ、『ドラマティック・プランニング・マネージャー』です」


A田「何ですか?」


B川「『ドラマティック・プランニング・マネージャー』。主に私のスケジュール管理をしてくれてます。」


A田「秘書ですよね?他にもお世話になっている方はいるんですか?」


B川「たくさんいます。『ファイナンシャル・ロックンローラー』、『コスメティック・コール&レスポンサー』、『ドメスティック・バイオレンシャル・トイレット・クリーナー』、『ザ・モスト・デンジャラス・タクシードライバー』『リアル・マザーファッカー』…」


A田「はあ、では質問を続けさせていただけます。B川さんがこの仕事をしていて一番うれしかった瞬間はいつですか?」


B川「それはとてもたくさんあるので数え切れません。僕の作品でみなさんが喜んでくれたとき、大きなプロジェクトを仲間のみんなとやり遂げたとき、『スーパー』が『ハイパー』になったとき…」


A田「何ですか?」


B川「半年前まで僕は『スーパー・マルチ・メディア・クリエイター』だったんです。一生懸命努力して、ようやく『ハイパー・マルチ・メディア・クリエイター』になることができました。」


A田「出世していくものなんですか?」


B川「ええ。『ノーマル』『スーパー』『ハイパー』とどんどんランクが上がっていくんです。私もそうですが最初はみんな『ノーマル』から始まります。 『ノーマル』は仕事も過酷で給料も安い。おまけにランクの上の人からは壮絶な嫌がらせを受けるんです。まさに地獄のような日々でした」


A田「よく辞めませんでしたね」


B川「ええ、その下に『アブノーマル』がいてくれたんで」


A田「何ですか?」


B川「『アブノーマル』です。『ノーマル』の人間はつらい思いをしながらも、まあそれでも『アブノーマル』よりはマシだな、と自分に言い聞かせ、不満がたまった時には『アブノーマル』に好きなだけ暴力をふるっていました」


A田「ノリが江戸時代ですね。」


B川「我々はカーストと呼んでいます」


A田「インドのノリですね。そもそもどういう人たちが『アブノーマル』のランクにいるんですか?」


B川「その質問に答えることはできません」


A田「なぜですか?というよりもそれっていけないことですよね?記事て全国民に告発します」


B川「あなたにそれはできません」


A田「なぜですか?」


B川「『テクニカル・サイレント・アドバイザー』が見ています」


A田「何ですか?」


B川「『テクニカル・サイレント・アドバイザー』。『テクニカル』に相手を『サイレント』させる方法や、その後の処理の良い『アドバイス』をくれる人です」


A田「な、何を言ってるんですか?」


B川「さて、ここにいるA田さんを今から気絶させようと思うんだが、その後の処理が分からない。どうすればいいのか『テクニカル・サイレント・アドバイザー』である君の意見が聞きたい。彼をどうするのがベストであると考える?』


秘書「『アブノーマル』」